“現役書店員”がオススメする「赤ちゃん」の本 vol.32
こんばんは。
本日は、入荷ホヤホヤの新刊です。
妊娠・出産・子育てのとまどいを絵日記にした、コミックエッセイ!
こちらです↓
おすすめの理由
・愛情たっぷり、命と向き合う・幸せの追体験
著者はusaoさん。
SNSへ投稿している絵日記が人気で、今回コミックエッセイとして出版されています。
ある日、産婦人科で、妊娠を告げられた「わたし(著者)」が、実感がなく戸惑うところから始まります。
赤ちゃんがまだエコー写真で見えないことから、
「妊娠って涙が出るほどうれしい事なのかなと勝手に思っていて」
「どうして喜べないんだろう」
と、正直な気持ちを冷静に受け止め、丁寧な描写で描き進めていきます。
また、安定期に入るまで職場へ妊娠を内緒にし、
「嬉しいことなのにな」
と、気持ちと一致しない言動をすることへの違和感や、その期間の苦しんでいる時間など、
恥ずかしながら、父親の僕も気づけていないことも多くありました。
その後も、喜んだり、急に悲しくなったり。
「うつ」とも戦いながら、なんとか、でも力強く向き合っていく「わたし」に誰もが共感・感動すると思います。
特に印象的だったのは、産婦人科での手紙。
ご飯がおいしく、空のお皿に毎日感謝の手紙を添えたそうです。
本当に楽しみで、おいしかったんですね。文面から伝わってきます。
そして退院の日。
調理師さんからお手紙とガトーショコラがプレゼントされます。
それにまた感謝する「わたし」
院長先生はじめ、全スタッフの皆さんが、「わたし」と赤ちゃんの命綱です、と。
…涙出ちゃいました。
たったひとつの「命」のために、これだけ多くの方の知恵と技術と時間と愛情が注がれているんだなと。
僕も、2児の父親ですが、入院中のパートナーの感じてきた事、体験してきた事など、全然知りませんでした。
こういった、素直な思いや経験を知ることが出来て、本当に良かったと思います。
本書は、主に、これから妊娠・出産を経験する女性や、既に経験してきた女性へ向けて描かれたものかもしれませんが、
僕としては、子を持つお父さん、そしてこれから父親になる方にこそ読んでいただきたいと強く思います。
きっと、パートナーへ向ける眼差しがすぐに変わります。