ボーカルが浮く要因についての考察
お久しぶりです、侑凪継です。
最近は少し実践より勉強に時間を使っているのですが、その時ふとボーカルが浮くのってどういう時に感じるんだろうと思い、考えてみました。
毎度の如くにはなりますが、この考えが正しいかは僕自身わからないので参考程度にして読んでいただけると幸いです。
今回は4つの要因(大まかにすると3つかも)を上げて考察を行いました。
1.ダイナミクス的要因
2.空間的要因
3.周波数的要因
4.奥行的要因
順に見ていきましょう。
・ダイナミクス的要因(ボリュームや音圧)
単純にオケに対してボーカルの音の大きさが適正でない。
→浮くと感じる時はだいたいボリュームが大きすぎる可能性があります。小さい時はただ聴きづらいとなります。
またはオケの音圧が高くてボーカルの音圧が負けてる
→ボーカルの方を調整するならGainで調整してそれでも浮きすぎるならコンプのスレッショルド強める
オケを弄るならコンプで軽く圧縮する、Cubaseならアレを下げる。
(このnoteの6.おまけにあるやつ
https://note.com/yunagi_kei/n/nfef1283bb062)
・空間の広さ的要因
オケの空間の広さにボーカルの広さがあっていない(リバーブやディレイ)
→音の輪郭をオケに当てはめるイメージ、響きが少ないと輪郭がはっきりしすぎてて固い音・多すぎるとボヤけてブレてる音みたいな感じ。
実践的な面でいえばリバーブのルームサイズが適切でない、空間系を強くかけすぎているため下げる、sendゲインを下げるなどで対処できそうだなと思います。
・周波数的な要因
本来ボーカルがいるべき立ち位置にいない、聴かせたい音ではないところが目立っている?
→EQを再調整、マルチバンドコンプやダイナミックEQで要素の調整
オケのギターやシンセとぶつかっていたり、そもそもマスタリング済みのオケしかなくて上手く埋め込めていなくてボーカルがハマっていないと感じるのかも。
ダイナミックEQでの調整は始めたばかりの人だと難しいので、まずはEQ・MBCでボーカルを抜けさせつつ埋め込めるポイントを探すといいかなと。
・奥行的要因(ダイナミクス的要因とほぼ同じ?)
これも立ち位置に近いイメージ。
オケの楽器の奥行と合わせて配置する。
主によく浮いて聴こえる原因はだいたいここだと思う、前に出てもいいけど出すぎると主張が激しくて浮いて聴こえる。
ギターのボリューム感でイメージするとわかりやすいかも。
ギターソロで前に来るギターの+2dbくらいがボーカルの基本ボリュームのイメージ。ちゃんと測ると結構違うかもしれないですが基準にはしやすいと思います。
ベース以下(または+-2dbくらい?)のボリューム感がハモリのボリューム範囲の目安かも。
ボーカルの奥行の調整方法
→コンプのスレッショルド、Gainで調整
コンプ:存在感
Gain:立ち位置
↑調整する時の役割のイメージ
存在感はそのままに少し後ろにいかせたいならゲインを下げる。立ち位置はそのままに存在感を薄めたいならコンプのスレッショルドを下げるイメージにするとやりやすい気がします。
要点を潰す順番としては
空間の広さ的要因→周波数的な要因→ダイナミクス的要因・奥行的要因
でやっていったほうが手間は少ないかもしれません。
空間の広さを合わせた後に抜け具合を確認(抜けがよければ音小さくてもほどよく目立つ)
それができたら存在感・奥行を程よいくらいに調整する。
こんな感じでボーカルが浮く要因を考えてみました。
実際はどうなのかわからないですが、僕の作業中の考え方の基盤にはこんなことがあったりします(実際まず最初にリバーブを軽く決めてからEQ詰めたりしてます)
ただ文字だけで説明されてもわからん!って方は私が運営している歌唱合成カバーP向けのミックス駆け込み寺discord鯖、「かけこみてんぷる」にお越しください。https://t.co/q9lx4fUSpU
各プラグインのパラメータ比較音源を作って公開しているので少しイメージがしやすくなると思います。
それでは、また何か思いついたらお会いしましょう。