⑦ほぼ寛解し、はっちゃけた大学時代
大学へ入ると病気の症状はほぼ寛解に近く、アルバイト先で出会った初めての彼女と、バブル景気も手伝って夏は海へ冬はスキーへ、ドライブや旅行を楽しみ青春時代を謳歌した。また趣味だったギターの音楽仲間とバンドを組み、ライブハウスや学園祭にも出演した。
遊ぶお金欲しさにバイトばかりに精を出し、講義の出席がおろそかになり後に1年留年してしまった。
ただ、クラブ活動やサークルは病気のことがあり、団体生活をおくれるか自信がなく、と言うよりコンパなどで先輩にお酒を強要され、またパニック症状が出るのが怖くて不安で結局入らずじまいになってしまった。だから学内では友達と呼べる仲間も少なかったので、キャンパスで楽しそうに語らっている学生たちがキラキラ輝いて見え、とてもうらやましかった。大学に友人がいればもう少し講義も受けたのでは?などと都合のいいことを考えていた。
4年生(正確には2回目の3年生)の春ごろ、空腹時に胃がキリキリ痛み、食べると治まるという症状になり、あまり長く続くので近くの胃腸病院へ行って診てもらうと十二指腸潰瘍と診断された。
当時、潰瘍は現在のようにストレスが主な原因と思われていなく、暴飲暴食やタバコなどが主な原因と言われていたので(注1)、手術はしなかったが、1カ月近く入院し点滴や投薬を受けた。
注1)当時、ガスターなどH2ブロッカーの新薬はまだ発売されてなく、ピロリ菌の発見もまだされていなかったため、潰瘍は手術か静養加療が主だった。