経済学の小話 数学病に冒された経済学(1)
※正確なところは物理学病だが,科学の体裁を保っている方法を数学に求めている点を重視してあくまで数学病と言わせていただく.
「経済学って,数学を使うものでしょ??」
「そんなことないよ! 経済学は人間関係の学問だよ!」
「え?お金を稼せげるようになるものでしょ?」
あなたのイメージはどれかな???(もしかしたら他もあるかも)
ぼくの持っていたイメージは最初のものに近かった.当時のぼくは高校二年生になりたてであった.物心つく頃から社会に関心を示していたぼくがNHKで放送していたオイコノミヤに感化されて経済学部を目指すようになったのはとても自然なことだった.しかし入学すると経済学がどういったものかを考え現在の経済学に対する批判に触れる中で人生の主題が移り変わってきた.
今回の記事は,前回記事などと絡めて主流派経済学と言われているものの奇妙さを書いていく.
数学は科学の女王と言われてる.これはガウスの言葉だ.(以下は原文.)
Die Mathematik ist die Königin der Wissenschaften und die Zahlentheorie ist die Königin der Mathematik.
確かに数学は,科学の女王だろう.特に純粋数学.広く多くの分野で利用できる可能性を秘めている数学は科学の中でも(チェスの)女王のようだ.しかしこの数学の存在は極めて危うい.なぜなら,数学を用いることが即ち科学の体裁を保証してくれると考え,数学崇拝に陥りもともと何を志向している学問であるか忘れてしまうからだ.まさに主流派経済学とはそういったものになってしまった.
社会科学の女王とも言われる経済学であるが,それは社会科学の中で数学的基礎付けを求めていたことに起因する.だがこれが社会科学であるはずの経済学をただの数学演習講座に変貌させてしまったように感じる.
今回はこれで終わり.(2)で具体的なお話をしていく.
いまだに自然科学と社会科学,人文科学について書いてないのでそろそろ書きたい.