『孤狼のSubは王に愛され跪く』あとがき

 発売から二年経ってあとがきってどうなのよ、と思いながらも、ようやく『孤狼のSubは王に愛され跪く』のあとがきを書いてみよう!と思えたので書いてみます。

 書籍になることが決まったのは2021年のことでした。
 もう三年前になりますね。
 私はアルファポリスの書籍化申請というシステムを利用して書籍化に辿り着きました。
 アルファポリスで書籍化するにはこの他に大賞に応募するという道もありますが、大賞に応募する勇気はなく、ひっそりと人知れず応募できる書籍化申請にしました。

 アルファポリスの作品はファンタジーが多く、私の作品はどれも合っていないように思えましたが、この作品は非日常的な作品なので、比較的近い気がして応募してみることにしました。

 そして応募してから二ヶ月ほど経ったある日、編集部(今の担当様)より温かい書評と最後にアンダルシュより書籍化したいという旨書かれたメールを受け取ることができました。

 メールを受け取ったとき、驚きと嬉しさで胸が震えたことはきっとずっと忘れないだろうな。

(余談ですが、後で担当さんとお話したときに、『とろけてまざる』や『かきまぜないで』だったら書籍化申請通らなかった可能性高いかな?と感じました。この二作品の方がアルファポリスでは数字は取れていたので、賞などに応募する際もレーベルに合ったものを投稿するのは大切だと感じました)

 さて、このような経緯で書籍になると決まったのですが、文字数がかなり足りなくて加筆をすることになりました。アンダルシュさんで書籍化するには十五万字ほどないといけないのですが、この作品は番外編含め九万字ほど。しかも削除になった箇所も多かったため、ほぼ半分近く書き下ろさなければなりませんでした。(ちなみに削除した方がいいんじゃないかって提案があったのは、多すぎるえちシーンでした…えちシーン増やしてくれと言われるならともかく、削ってほしいという恥ずかしい依頼を受けた作家は他にいるでしょうか…恥ずかしくて死にそうでした…)

 そこで本編に新たなお話と本編後の番外編の二つを加筆しました。
 かねてから読者さんにレオンとシンがバチバチしている話をもっと読みたい!とリクエストしていただいていたので、とある情報を入手する仕事を引き受けたシンが芸術家の卵になりすまし、富豪や政治家の集まるパーティに潜入するというお話を書き下ろしました。

 潜入先でレオンと遭遇して、バチバチします。    
 エロとシンのカッコ良さを両方兼揃えた話になっているかな?と自分では思っています。
 あのときマシュマロでリクエストしてくれた方には届いてるかなー届いてたらいいなぁ。
(これからたまーにここで創作のお話などしたいと思っていますので、よかったら知りたいことなどあればマシュマロでリクエストいただけたら嬉しいです)

 そしてもう一つの書き下ろしはその後の話になります。
 そちらはアラブっぽい国に攫われていくシンが書きたくて、欲望を叶えました。
 アラブのゴージャスな王宮で囚われの姫にされちゃうシンとやっぱりカッコいいシンが書けて大満足でした。

 どちらもこれまでWebで読んで下さっていて、この作品を好きだと思ってくださった方にはめちゃめちゃ楽しめるお話になっているかと思いますので、まだ読んでないよって方はぜひぜひお読みいただけたら嬉しいです。本買ってないのに、これ読んでる方いるとは思えないけども!!一応まだ本買えるので宣伝!!

 またこのお話を書いたのは出版される六年前でした。そのときはこの話を本にしていただこうなど考えてもおらず、ただただ何の文章の勉強もせずに、当時の燃え盛るような気持ちを書きたいように好きなように書き殴った作品です。それがこのお話の良さでもあるとは思うのですが、さすがにそのまま本にする訳にはいきません。本にする際に直すところが山のようにありました。
 担当さんは何も分かっていない私に一から教えるのは相当骨が折れたと思います…
 ある程度勉強して書いてくれよ!!と思ったでしょうね…今はネットで色んな人が書き方の基本を教えて下さいますから… 
 でもそんなことはお首にも出さず、初めての書籍化なんだから大丈夫ですよ、と優しく丁寧に教えて下さいました。
 出版社の編集さんって本当に凄いんだということを目の当たりにしました。
 そんなわけで、担当さんのお力をお借りして何とか出版に漕ぎ着けることができました。
 今更ここでお話しても担当さんの耳には届かないとは思うのですが、感謝でいっぱいなのです。
 お陰で書いた当初の燃え上がる気持ちを残しつつも、書籍として形を整えたものに完成したかと思います。

 色んなお声を目にすることもあり、随分と思い悩み苦しみましたが、二年経って振り返ると学ばせていただいたことがとても多かったです。

 ハードな内容なせいもあったのか商業的には売れた本とは言い難いですが、昔50部しか発行していない同人誌を余らせて捨てた私にしたら、信じられないくらい多くの方に手に取っていただいたとも思っています。
 下手の横好きでも、ゆっくり細々でも、続けていると本になるんだよ、ということが誰かの励ましになるといいな。

 すっかり大人になりいつしか自分のことよりも子供のことが中心の日々を送っていた私に、自分の夢を追いかけることを思い出させてくれた『創作』にも改めて感謝です。

 夢を叶えた先って結構しんどい!!っていうことまでセットで思い出させてもくれましたが、やっぱりいくつになっても夢を追うのはいいものですね。  
 まだまだ叶えたい夢が沢山あります。
 私は活動ペースが遅いですが、夢を追う姿もこれからも見守っていただけたら幸いです。

 2024.9
 孤狼のSubは王に愛され跪く二周年記念





     

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