それでも私が“旧・人生無理バー”を続ける理由
昨日、私が「くらたです。。」名義で開催させていただきました、「人生のつらみを語ろう会」、元は「人生無理バー」というタイトルでした。
このツイートによると、名古屋バージョンとして初開催させて頂いてからまもなくちょうど一年ということになりますね。
ところで、このnoteを読んでくださっている方で、『人生無理バー』をご存知の方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか…?
ご存知の方の中には、複雑な思いや、決して良くはないイメージを持っている方もいらっしゃるのではないかと思います。
「人生無理バー」は、イベントバーの企画として、主に関西で開催されていたものでした。
参加条件は、「生きづらい人」、そんな人たちが、生きづらさを吐き出し、寄り添い、受け止める。。そんな場所としてスタートしたのだと思います。
私は、そんな企画があることをたまたまTwitterで知り、当時「生きづらい」(を超えてもはや しにたい)と感じていた者として、是非行ってみたい、参加してみたいと思い、Twitterアカウントをフォローさせていただきました。
しかし、開催地は関西や関東…私の住む東海地方からは「生きづらい」のにそんな簡単に“行きづらい”そんな場所でした。
そんな時、「「人生無理バー」を、名古屋でも開いてほしい、開催したい。」そんなようなことを主催者さんにお話ししたのがすべての始まりでした。
開催する上でのテーマ、概要などをまとめたものを送って頂き、大阪や東京開催時に使われているイベントバーの系列店舗を紹介していただいたのですが、生憎予約が希望したい日は埋まっていて…
そこで、自身で「一日店長」と検索をかけて、見つけたところが、現在まで主に会場として使わせて頂いている「旅BAR」さんになります。
早速問い合わせをしてみたところ、「人生無理バー」について耳にしたことがあったようで、興味を持って頂き、お店のコンセプトやルール等教えて頂いたあとに、日程調整もつき、上記画像のように開催することと相成りました。
(尚、当時私は過度の自傷による貧血真っ只中…
病室のベッドの上で、スマホの中で話がポンポンあれよあれよと進んでいきました。)
そして、迎えた名古屋初回開催当日…
店舗全体で26名、半数以上の14名が「人生無理バー」参加者ということで、なかなかに盛況でした。
参加者の抱える「人生無理」も多岐に渡り、求職、転職含め仕事の話から、毒親、過去の虐待などの家族の問題、ADHDや不安障害など、精神や発達障害の悩みまで、様々でした。
このようなテーブル(現在はコロナ感染対策のため、シェードが置かれています。)を囲み、自分の悩みを打ち明けたり、似たようなエピソードに共感したり、自らの過去の経験を話したりなど、各々が思うように話すことができ、また、聴くことができたのではないかと、感じました。
時には、話すことが苦手な方もいらっしゃったり、興味本位で不躾な質問をされてしまう方も居られ、こちらもフォローやサポートなど手探りで、出来る範囲内ではありましたが、概ね、皆様に穏やかに、お話しして頂きながら、有意義な時間を過ごして頂けたのではないかと思っております。
そして、それからは月に一度弱(?)くらいのペースで開催をしています。
そんな中、「人生無理バー」開催中に、参加者同士の中でトラブルや“出禁”案件が続くということがあり、ある回、痴漢 犯罪行為が発生、ついに堪忍袋の緒が切れ、その結果の判断として「発達障害の男性は当イベントの対象外とする(発達障害に関するイベントは他にもあるので)」という結論が出されました。
この判断に関しては、すぐに物議を醸し、取り下げたものの、「炎上」状態となるわけですが、“若い女性にも気軽に安心して来られる場所であって欲しい”という願いからの、苦渋の決断でもありました。
名古屋の「人生無理バー」開催者として、私は、初回開催時から男性の発達障害当事者の参加者も少なくなかったこと、バー関係者にも発達障害当事者がいることなどから、「果たして、どうしたものか、、、」などと思いつつ、ひたすら静観することしかできませんでした。
数日後、関西方面主催者の方より、これ以上騒ぎを拡げないためにも、「人生無理バーは無期限休止とする」との宣言がありました。
尚、その際に、各開催者に対しては、「現在予定が決定しているものも含め、看板を掛け替えて、続けて頂くのは構いません」との伝言もありました。
そこで、
このような形で、2020年12月以降はタイトルを「人生のつらみを語ろう会」と変更しての開催となり、現在に至ります。
開催を始めた当初とはコロナ禍による情勢が大きく変わり、集客も決して多くはなく、営業時間も大幅な短縮となっています。
それでも、私が現在でも「人生無理バー」スピリッツを抱えつつ、「人生のつらみを語ろう会」を開催している理由…
それは、店舗自体がそもそもナンパや勧誘などの迷惑行為を禁止しており、初回入店者には必ずそれを説明してからオーダーを取っていること。
私自身が、店内の雰囲気や照明が明るく、迷惑行為自体が起こりにくい空気感であることを肌で実感しており、スタッフにもとても信頼を置けると感じていること。
そして何より、参加してくださった方が、参加したことをきっかけに、何かを始めたり、この場や、来ることに意義を感じてくださっていたり、、そんな声が、報告が、ここに届いているからです。
「人生無理」そう思いながらバーの扉を叩いた方が、仕事を見つけ、「仕事が無理」に悩みが変わり、「あんまり悩みはない」とまで言えるようになった姿を、目の当たりにしました。
また、バーに来るたびに、ある日は仕事のこと、次の回では家庭のこと、またある時には日々の些細なこと…悩みやしんどいことをその時毎に色々と話して下さる方。
話すのは得意ではないけれど、何度も来てくださる方。
また、私のプロフィールなんかを読んで、「僕も/私も、実は…」と話して下さる方もいらっしゃいます。
そして、複数人集まると、みんなしんどい人という共通認識のおかげか、辛いことをぽろりと軽く話せてしまったりするんですよね。
そして、聞く側も、全く違う人生を歩んできたような人たちが、それぞれの感性で、受け止めて、聞き入れてくれる。
そんな環境、そんな場所づくりができていると、思っています。
コロナ禍で、バーという場所に足を踏み入れづらくなっている、この状況がいつまで続くのか、以前のように満員電車のようにソファー席を詰めながら座り、語り合うことができる日が戻ってくるのかはわからない。
ただ、今日開催して気付いたことは、やはりその場とその場で、顔を合わせて、全身の動作や些細な表情も含め、話を見て、聞き、それを互いに繰り返すことが一番のコミュニケーションの方法である。ということだ。
参加者同士、店の常連になったりするとTwitterなどで互いの文章を読んだり、最近なんかはスペース機能なんかでおしゃべりしたり、なんやかんやで繋がってはいるが、やはりテーブルを囲んで会話するような充実感とはまた違う。
「人生無理」・「人生つらみ」
そんな気持ちを感じた時、ふとそんなことを話す、話してもいい場所があることを思い出す。
タイミングが合えば、足を運んでみる。
いろんな人と話せる、誰かに聞いてもらう。
同じ悩みの経験者が、悩みを紐解いてくれるかもしれない。
経験の一つ、冒険の1日で終わるかもしれない。
行きたいと思うだけで、なかなか叶わないかもしれない。
もしかしたら何かが、何かのきっかけになるかもしれない。
だからとにかく、私は、私が出会えた「人生のつらみを語ろう会(旧・人生無理バーin名古屋)」という場所であり続けたい、守り続けたい…と、思う。。。
(2021年9月21日未明、夢うつつながらに書きたる)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?