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白血病児の親になる | Vol.7 | 治療後半~退院

こんにちは!白倉侑奈です。

長男が2022年12月、小児白血病と診断されました。2歳2か月の時でした。
前回の記事はこちら。

病気の症状が出たのが2022年11月で、退院出来たのが2023年8月。
その間私たちに起きたことを、

  1. 発症~診断

  2. 治療初期

  3. 親の心情

  4. 親の対応・面会スケジュール

  5. 一時退院期間

  6. 治療後半~退院

の6つに分けて書いていきます。

今回は6について。一時退院の後に待っていた治療の後半戦と退院について書きます。いよいよ終盤です。


退院前夜

前回記事で書いたように、しばらくの一時退院期間を経て2023年6月から再び2か月強の入院期間に入りました。

再入院期間に入る直前は、なんとも切ない気持ちで過ごしました。

治療は進んでいかないといけないんですが、また2か月も一緒に寝ることもできない日々になるのかぁと思うとさみしかったです。

入院前夜、寝室でふざける息子。


そんな気持ちで再入院前日、成育の隣の砧公園を歩いていると、同じ病室で先に無事退院された親子に声をかけられました。

すっかり元気に過ごすお友達の様子に、うちも治療の終わりまで頑張ろうと勇気づけられました。

ご縁のある方とはバッタリお会いするもので。


再入院

抗がん剤の副作用

そんなこんなで始まった2か月に及ぶ再入院期間。

再び点滴による抗がん剤の投与が始まりました。

点滴が始まると、一時退院期間かなりご機嫌に過ごせていた息子も、別人かのごとく機嫌が悪くなりました。
髪の毛もこれまで以上にごっそり抜けました。

私の膝の上でぐったり眠る息子。


前回の入院時も抗がん剤による治療をしていたんですが、胃腸炎など様々な症状が出すぎて気づけなかっただけで、抗がん剤の副作用は強くでていたようです。

前回入院時同様、夕方に仕事が終え、病室に駆け込むのですが、病室に向かっている時点で、廊下に響き渡る息子の泣き声が聞こえてきます。

私の姿がみえると「ママ~ママに会いたかったの~」と泣いている。

しばらく泣いていたのか、周囲のママからも「ママが来てよかったね」と声を掛けられる。

これが毎日です。

そのあともふとしたことで機嫌を損ね、キレ出す息子。
なんとか仕事を終えて面会に駆け付けたのに、この時間まで面会に来られないことを責められているようでつらかったです。

病棟に到着し、ドアの前で歓迎を受ける私



でも、これって普通に仕事を育児の両立をしていてもありますよね


夕方、退勤して走って保育園にお迎えにいくと「なんでもっと早くきてくれなかったんだ」と泣かれる。

こっちだって必死で仕事を終えてきたのに、、と泣きたくなる。


普通に育児していてもあること。

そう思うと、自分たちが白血病だから特別、という気持ちが薄れ、みんなもあること、と思え、意固地になりかける気持ちが慰められました。


治療の終わりがみえる

抗がん剤投与の数週間にわたる山場をなんとか越えると、息子の機嫌も日に日によくなっていきました。

ベッドで遊べる時間も増え、病棟内をお散歩する元気も出てきました。

プレイルームでおままごとをする息子。点滴の管が届く範囲で遊ぶ。

病棟のほかのお友達と遊ぶこともでき始めました。

隣のベッドの子と絵本を読む息子。


ついには、入院ラスト数日にして、診断翌日に胸にいれたカテーテルを抜く手術も無事に終わり、煩わしい点滴も、胸からのびる管ともお別れできました。

胸の管が取れ、点滴の針は一時的に左手に移動。

こうなると親の方も一気に退院ムードになり、退院日を指折り数えて待っていました。

退院準備

息子の治療の進捗に合わせて、親のほうも生活上の退院準備を進めました。

引っ越し

以前お話したように、我々夫婦は毎日面会に行くことを前提に、病院の目の前に家を借りていました。

7月上旬時点で、主治医から8月初旬には退院できそう、と伝えられたため、急遽7月末でこの家を引き払うことにします。

8月に入ってから退院までの数日は元の家から通うことに。

この家での生活は何か月に及ぶんだろう、なんて思いながら借りた家でしたが、結局7か月弱でお別れとなりました。

短い期間となりましたが、この家がなければ仕事と面会の両立は絶対に不可能だったので、改めて借りてよかったな、と思いながら退去作業をしました。


短期休職

さて、ここまでいかに仕事と面会を両立させるかを書いてきましたが、2023年8月の1か月間、ついに休職というカードを切ります。

というのも、実は2023年6月、息子の再入院してほどなく、第二子妊娠が発覚しました。

自分が元気なことを大前提で仕事と面会の無茶なスケジュールを組んでいましたが、つわりの症状が出始めてスケジュールが崩壊

私のつわりがどれくらいやばいかは、第一子妊娠中のこちらの記事で書いてます。古い文章ですが(恥)


どんなにつわりがつらくても、息子が入院してさえいれば、最悪面会をあきらめて帰って休む、ができますが、退院してきたらそうはいきません。

途中、つわりをしながら2日間の一時退院をしてみたのですが、息子の相手を全然できず、「あ、これはいよいよ休職だな」と決意しました。

ちなみに、この時は息子の診断書を用いて介護休業を取得しました。

この時、急な休職を受け入れてくれた部署のみんな、休業の手続きを柔軟に進めてくれた労務担当には今でも感謝です。

いよいよ退院

さあ、治療も生活の方も準備が整い、いよいよ迎えた2023年8月5日。

息子は本退院となりました。

髪の毛も今まで以上に抜け、治療の大変さがみえる見た目をしていましたが、本人は抗がん剤の副作用も抜け、ご機嫌にお世話になった方に挨拶をしていました。

担当の看護師さんとの別れを惜しむ息子。それをカメラに収める私。


また、今回のトップ画は、最初の電話から、退院後の現在の通院までずっと見てくださっている、主治医の先生との退院当日の写真です。

この主治医の先生、私たちの細かい質問にもいつも簡潔かつ分かりやすく答えてくれ、なにより、息子とのたわいない会話を大切にしてくれています。
この先生が主治医で本当に良かった。

成育のセラピードッグまさにもお別れを告げました。
入院中何度も息子の部屋にも来てくれ、少しずつ仲良くなりました。


まだまだ、その後の維持療法という自宅で薬を飲み、白血病の再発を防ぐ治療はその後1年半にわたって続くのですが、それでも晴れやかな気持ちでした。




ということで、ここまで9か月に及ぶ治療について綴りました。

最後に、後日談として、退院から日常生活に戻っていくまでの日々を綴り、このシリーズも一旦終了としたいと思います。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
もう少しだけお付き合いください。

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