見出し画像

女子高生、カンボジアに行くってよ(2)

※この記事には残酷な内容が含まれます。できるだけ多くの方に読んでいただけるように、今回は建物の外観など刺激のない写真しか載せていませんが、描写だけでも苦手な方はご自身のその感覚を大切に、ブラウザバックなさってください。
(写真を含む記事はまた別で出そうと思っています。)

 

キリングフィールドへ

 昼食も終えるとまたバイクで出発、キリングフィールドに向かいます。3月のカンボジアは乾季。バイクで舞い上がるほこりと赤土を胸いっぱいに吸い込みつつ、緊張した面持ちです。

キリングフィールドとは

 キリングフィールドは、ポルポト政権下のカンボジアで大量虐殺が行われた処刑場のことです。 この場所だけで約2万人もの人々が殺されたと言われています。中央に建てられた慰霊塔にはここで処刑された8985人の遺骨が安置されていて、17階建ての棟の中には亡くなられた方達の頭蓋骨がぎっしりと詰められています。
 
 フィールド内を回る際はまずここで被害者の方達に敬意を。

フィールド内散策

 6$でオーディオツアーに参加できるのですが、今回私は時間がなかったので断念。ただ、1人で回って展示物の内容を理解するのは難しかったので、これから行かれる方には参加することを強くおすすめします。

オーディオツアーに参加するともらえるパンフレット。カンボジアに縁のある学校の先生からいただきました。

 フィールド内を回っていくと、虐殺された方達の遺骨や遺品が大量に並べられたガラスケースのようなものが多く見受けられます。

 広島にある原爆資料館でも被爆者の方々の遺品が並べられているのですが、キリングフィールドの方が並べ方は乱雑で、量が多いなという印象を受けました。悲惨さを強調するためなのでしょうか。伝え方にもいろいろあるのだなと思います。

 殺害に使われた凶器も展示されていて、例えば斧と斧で頭を割られた被害者の方の頭蓋骨とか、抜歯するためのレンチみたいなものと歯などが同じケース内に入れられていたりしました。

 たくさんの展示物がありましたが、中でも印象的だったのはキリングツリー。何人もの幼い子供達、赤ん坊までもが母親の目の前で、この木に頭を叩きつけられて殺害されたと言います。木にはたくさんのミサンガがくくられて、ここで亡くなった子供達を追悼しています。

ダークツーリズム

戦跡や災害被災地など、死・暴力・虐待などの悲劇にまつわる場所を訪問する観光のこと。ブラックツーリズム(Black tourism)、悲しみのツーリズム(Grief tourism)とも呼ばれる。英国の学者が1990年代後半に提唱し、死者を悼むとともに、悲しみを共有する観光とされるが、その解釈や捉え方は様々である。「悲しみを受け継ぐ」という意味から「ピースツーリズム」と呼ぼうという動きもある。

ダークツーリズム(ブラックツーリズム / 悲しみのツーリズム / ピースツーリズム)とは・観光用語集. (n.d.). JTB総合研究所. https://www.tourism.jp/tourism-database/glossary/dark-tourism/

ガンガンと容赦なく照りつけてくる日光に耐えられなくなり一度木陰で休憩をとることに。キリングフィールドは観光スポットになっているため、観光客向けの売店があります。

カンボジアの観光スポットならどこでも売っているようないわゆるカンボジアの服や帽子。
素敵な絵ですね。

アイスや飲み物も売っていて、多くの人がここで休憩をとっていました。わたしも熱にやられ気味だったので慌ててアイスを購入。

ガリガリくんの外側の層だけ!みたいな味と食感で美味しかった!

 ダークツーリズムについては賛否あるところかと思います。でもやっぱり知らなければ何も始まらないので、キリングフィールドみたいに過去と、歴史と隣接した、犠牲者の方々との距離が近いような空間は大切だなと思いました。
 だから「カンボジアで凄惨な過去を目の当たりにし、自分の人生観を変えるんだ!」みたいな姿勢で飛び込むのではなく、「歴史を学びたい」「相手のことを知りたい」というスタンスで、相手と向き合う形なら、現地を訪れるのもいいのではないでしょうか。
 私はお恥ずかしいことに前者の方の動機が少なからずあったので猛省するところです。

 カンボジアにおけるダークツーリズムに関して興味深い文献があったので貼っておきますね。興味のある方はぜひに。https://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/hss/book/pdf/no102_03.pdf

↑立命館の
"カンボジアのダークツーリズムに関する一考察 ―観光資源として「虐殺」はどのように表象されているか―"
という記事です。

終わりに、タブーじゃないよ!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!

 虐殺の歴史は公に語ることがすごく難しいトピックで、普段からそういった類の話をすることはタブー視されがちですし、話として持ち出すと敬遠されたり嫌厭されたりします。だから私もこのnoteを書くにあたって、どういうテンション感でいようか、すごく悩みました。軽いノリにしたらみんな読んでくれるかなぁとか、難しい書き方をした方が敬意が伝わるのかなぁとか。でもやっぱり、ポルポト政権時代の虐殺を事実として、多くの方に知っていて欲しかったので、できるだけ真っ直ぐに書いたつもりです。

 私の感情的な部分の感想はシェアしないことにするので、みなさんが自由に何かを思ったり、考えたりしてくださるとうれしいです。

 また次の記事で!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?