BANANAFISH The Stage 前編 ライブ配信視聴記録
6/20 13:30公演ライブ配信視聴。
アニメ版全話視聴。
原作未読。
ネタバレありきで感想まとめていくので、未視聴の方は閲覧ご注意ください。
【スケジュール】
6/10~6/20 天王洲銀河劇場
【キャスト】
アッシュ・リンクス :水江建太
奥村英二 :岡宮来夢
マックス・ロボ :内田朝陽
フレデリック:オーサー:早乙女友貴
李月龍 :佐奈宏紀
シン・スウ・リン :椎名鯛造
伊部俊一 :冨田昌則
ショーター・ウォン :川﨑優作
ディノ・ゴルツィネ :赤星昇一郎
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「水江くん、マジでアッシュ」
今作が情報解禁された時の私の第一声がこれだった。
BANANAFASHが舞台化されることにも驚いたが、何よりも上演決定の情報解禁と共にもたらされたアッシュと英二のビジュアルがそのまんま過ぎて驚いた。
「その金髪地毛ですか???」って思わず思ったくらい、違和感がないというか…。
今作は1980年代のアメリカが舞台になっているので、衣装は至って普通。
だからこそ、衣装部の皆さまはアッシュのウィッグにものすごく力を注がれたのではないだろうかと思うくらいクオリティが高すぎて、もうこれはもはや地毛では???って、思わずにはいられなかった。
実際、配信で見ていても違和感がないし、バッチバチに固めているわけじゃなくて、動きに合わせて乱れるしで、本当にこのウィッグどうやって作ってるんだろうかと不思議で仕方なかった。
今作は、舞台上のアクションがとにかく激しい。
アンサンブルさん達を筆頭に役者さん達めっちゃ動くなと思っていたら、最後の鯛ちゃんのごあいさつで納得。舞台上でパルクール見せられてたんだ。
そりゃあ、アクションの動きが他作品とは一線を画しますわ。
運動量本当にヤバい。
怪我無く、無事に完走できたの本当に拍手しかない。
お話の展開はめちゃめちゃ早かった。
まぁ、あの話を前編後編でしかも片方2時間半で収めようとするなら、だいぶお話をコンパクトにしないといけないから、色々お話し削られるのは仕方ない。
このお話が舞台で初見の方には、さほど違和感なくお話の展開が進んでいったのかな?と、思う反面、アニメを視聴していた自分からすると『あそこのお話カット⁉』ってなったり、足りない情報を脳内で補完したり、記憶と違う場面に「ん?」って、なったりは有ったんだけど、物語のスピード感に置いていかれないようにするのに必死すぎて、途中から舞台はこのスピード感が大事と思って、素直に展開見守っていた。
前編どこまでやるんだろうと思っていたけど、なるほど落としどころはやっぱりそこしかないよね。って思う場面で、めっちゃ納得した。
むしろ、そこまでの話を2時間半で収めたのが本当に凄い。
しかも、休憩時間なし。
本当に出演者の体力凄いなと賞賛の拍手を送りたい。これだけ、運動量が多い舞台はなかなかないと思う。
それにしても、主演の水江くんが本当に凄かった。
横顔のディテールが綺麗すぎて、顎のライン美しすぎて、この人は何なんだろうって思ってた(誉め言葉)
ボスとしてのアッシュ。
猫なで声で話すアッシュ。
英二といる時のアッシュ。
感情のふり幅が凄い。
パパディノの屋敷ぶっ壊した後のほんの少しだけ流れた穏やかな時間が、それまでの日常との対比がありすぎて、切なくて仕方ない。
悪夢にうなされるアッシュに対して、「世界中が君の敵に回ったとしても僕は君の味方だ」と言い切る英二の存在って、やっぱりアッシュにとっては救いだったように思う。
「そばにいてくれ。ずっとなんて言わない。今だけでいい」っていう他の誰にも見せなかった弱さを英二にだけ見せたアッシュに対して「ずっとだ!」って力強く言い切る英二の強さが、アッシュの支えになっていたのかなとも思う。
このシーン思い返してるだけでも泣けてくるの。
「そばにいてくれ」っていうアッシュの声がめちゃめちゃ震えてて、めっちゃ見てる側の心に刺さった。
今回、水江くんのお芝居素敵だなと思うシーンが多すぎて、アッシュは本当に当たり役だと個人的に思ってる。
先に上げた「そばにいてくれ」は言わずもがなだが、オーサーとの最後の決闘の後、英二に対して「俺はお前に見ていられたくないんだ!」って絶叫した場面も辛い。
基本的にアッシュが背負ってるものって、重すぎてしんどい。それを見事に体現していたので、凄いなという感想しか出てこない。
BANANAFISHの結末知っているだけに、後編を見るのが辛いなと思わなくもないが、水江アッシュを最後まで見届けたいと思おう気持ちの方が強い。
カーテンコールの時や配信の特典挨拶の時に自分のことを「アッシュ」で通したり、来夢くんのことを「英二」と呼んでいたので、ものすごく役に入り込んでいたのだろうかと思うと、どうか明日からの日々が心休まる日々であって欲しいなと思ってしまう。
全然関係ないけど、めっちゃ体バッキバキに鍛えててすごいなって思ったのも言い添えておく。
そして、度肝を抜かれたのが、カーテンコール後の後編の予告。
カーテンコール後なわけですよ。一回、皆さま役を脱いでご自身でご挨拶をされたんですよ。
その後に予告と言うには、あまりにも豪華なお芝居を魅せられて、「ん???」ってなりましたよね。
このまま後編の芝居が始まりますか???
って、思わず思ってしまうような後編への流れに、演出の松崎さん最高かと思いました。
私、めっちゃ普通にブランカのお披露目されるのでは???って思ったし、そう思ったのは私だけではないはずだ。
この公演って、本当にアンサンブルキャストの皆さん無くしては成立しないと思うし、脇を固めるベテラン勢のお芝居が物語に深みを与えてくれている気がする。
怒られそうだけど、内田朝陽さんが2.5次元の舞台に出ているのが、意外過ぎて最初はめちゃくちゃ驚いた。でも、めっちゃマックスだし、内田さんのお芝居のお陰でここはNYって私は実感できた所があるし、伊部さんがアッシュと英二が銃の練習をしていた所を見かけた話をしているシーンで、アッシュの悲しさがより伝わってきた。そして、パパディノの狂気は、ヤバい。
あと、鯛ちゃんの身のこなしがさすがで、重力無いんですか???って思ってしまう身のこなしは35歳とは思えなかった。
優作くんの後頭部の丸みも相変わらず綺麗だったけど、BABAFISHを打たれて、英二を切りつけようとしていたシーンは迫真で、とても良かった。
佐奈くんの月龍は、後編のキーパーソンになるので活躍は後編の方が比重は大きいのかなと思うんだけど、月龍の持つ怪しげな雰囲気や所作の美しさを体現していたのは素晴らしかった。
オーサーが本当に嫌な奴で(笑)だけど、演劇において嫌な奴がちゃんと嫌な奴に見えるっていうのは、凄いことだと個人的には思っているので、早乙女さんは初めましての役者さんだったけど、いい役者さんだなと思った。
そして、忘れてはいけないのが、英二役の来夢くん。
アッシュと英二は、静と動が移り変わるW主人公だと思っていて、アッシュが引けば、英二が追うし、アッシュが動くときに自分の引き際を弁えているのが英二だと思う。
つかず離れず、だけど、本当にヤバい時は駆け付ける。
カーテンコールの時にも思ったが、締めるところは水江くんだけど、進行するのは来夢くんで、いい感じで役割分担が出来ているのが微笑ましかったし、お芝居においても、英二の真っすぐさが伝わってきて、とても良かった。
さすがのシアターコンプレックスさんは、アーカイブを1週間つけてくれているので、落ち着いてもう一度作品を見直そうと思う。
配信視聴の機会を貰えたことに心から感謝。
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