手足口病かかってみた
春夏秋冬ならぬシュン夏夏夏夏夏シュートーくらいの勢いで猛威を奮っていた夏もようやく終わりを迎えようやく人間がまともに暮らせる気候になってきた。それでもたまに最高気温32℃ちょいをたたき出したり12℃台の冷え込みを見せたりと気候変動に敏感な病弱でかよわい人々には厳しい時期を過ごしていた。
「なんかダルい。頭痛いしキツい。ただ風邪引いたせいなんか12時間勤務二連荘かましてシャツとパンツ一丁で寝てたからかわからん。アホすぎ。なんで10時まで新宿で麻雀した後1時間電車乗って大学行かなあかんねん出るけどクソすぎやろゴミがよお」とか思いながら電車内で居眠りをしていた記憶がある。この時は不摂生と気候変動が祟って多少身体が参っていた程度だろうとタカをくくっていた。
ことが起きたのは10月16日の午後。しゃぶ葉でキノコ鍋と鶏肉8皿を軽く平らげ雀荘に行った帰り、口が急に痛くなってくる。
翌日朝、ひどい痛みと手足の痒みで目覚める。手の腫れは虫刺されかと思ったがそれにしては数が多すぎる。
こうしたところある親しい方から「手足口病ではないか?」と進言を頂いた。さっそく授業を休んで近所の皮膚科へ。
医師「手足口病です。」
私「灰。」
0.4秒程度で診察は終了した。ウイルス性のもので現状治療薬は存在せず、薬で症状を抑えて自然治癒を待つしかないらしい。何も処方されないまま病院を出て何故か惰性で大学まで行ってしまい、部室ですぐ追い返された。仕方がないので家に帰り日高屋に寄ってモツラーメンを食べるとこれが全くおいしくない。後で分かったが口内炎のひどい症状では味覚障害を引き起こすケースもあるようだ。しかも啜るごとに口の中が痛んでまともに食べられなかった。ただそれでも餃子6個とともに完食した。
普通人間の舌はゆるやかなU字型をしていると思うが炎症に侵され先端部は波打ち側面には黄色く濁った2〜3mm大の膿が形成され表面には黄土色の舌苔のようなものが張りついていた(これは舌ブラシで連日洗って多少落ちているがまたすぐ形成される。24日現在治っていない)。
その夜。とりあえず簡単に食べられるものと健康になりそうなものがいいだろうということでゼリー2つとピルクルを購入。ただこれも失敗。もう一口食べることに痛みが口内のあちらこちらから突き抜けてくる。それでもゼリー一つは食べて就寝。
翌日金曜日も学校を休んだ。コロナのような指定感染症ではないが人にうつる病院であるため自粛した。それにそもそも体調が悪いので外出ができない。仕方がないので朝から朝までずっと寝ていた。
これの何よりも辛いのは食事が楽しめないことだった。コロナ感染した時も今より遥かにマシだったと言える。(私は偶然味覚障害にかからない軽症の方の感染者だった)無理やり胃に流し込めるウィダーインゼリー系をいくつか買って毎日一つ飲んでいた。
のど飴も気休め程度には効いてくれた。ただ当初は舐めようと舌を動かすと痛むので舌に飴を押し当てるようにして味わっていた。
このように手足に発疹が大量に出るから手足口病と呼ばれるのである。あまりにもそのまんまだ。
あまりに辛かったので以前風邪引いた時に処方されて服薬の途中で完治したから飲むのやめて置いといた鎮痛剤を飲んだ。
ピルクルも結局3分の2程度飲んで捨てた。乳酸菌飲料を常温で3日放置するのは相当危険だと判断したため。
絶対痛くなるの分かってるのに挑みたがるバカ
6時間で-300gは誤差だろ
結局食べた。普段慣れ親しんだどん兵衛が生気を失った味をしていた。
確かこの日は18時間くらい寝ていた。何もしてないので記憶もない。
病気前より0.8kg減
これはかなり特異な現象だろう。お腹空いた。何か食いたい。料理作った。うわあああああ食いたくない。やだ。むり。といきなり手のひらを返すわけだ。もっとも何食べても味がせず痛いだけなら誰も食事なんて取りたがらないだろう。一応栄養失調にならないためにゼリーだけは飲んでいた。
ここで愛用していたチョコラBB口内炎リペアショットが弾切れに。薬局を回ったが売っていなかったため仕方なくのどぬーるスプレー購入。これも数日で10ml塗り尽くしてしまった。
食べものはあるし食欲もあるのにどうしても食べられずに餓死するという奇妙な死因が生まれるところであった。連日ゼリーくらいしか栄養を摂ることのない生活で旨い飯への熱望は次第に募っていくばかりだった。
この後これまた知り合いの人に口内炎パッチを提案される。ありがたく聞きいれ薬局へいき軟膏とパッチを購入した。
舌にパッチを貼るのは難しかったため軟膏を患部にこれでもかと塗っていく。余談だが「ここも口内だし口にできた炎症なら口内炎だろ!なら効くよな!」と喉奥に軟膏を塗ったところ翌日喉奥に穴が空いて酷く腫れて痛んだ。使用上の注意はよく読み用法用量を守って使いましょう。
それでも少しずつ症状は良くなってきていた。翌日改善しない口内炎が心配で口腔外科にかかるもののこれもうがい薬もらって終了。
パックのお粥を温めて食べた。ほどよい熱と塩味が感じられることがこれほど素晴らしいことだったとは。
昼間はお茶漬けを作って食べた。簡単でもなんでもとりあえず腹を満たせることがとにかく大事だった。
夕食はスーパーのハンバーグ弁当。この頃には相当味覚障害も改善していて何とかまともな食事をとることができていた。
ただまたこの日の夜遅くに急に喉が痛み出す。
4歳の頃肺炎にかかり以降事ある毎に気管支炎に幾度となく感染し呼吸器系が著しく貧弱な体質で生きてきた。雀荘とかいう副流煙地獄で過ごすことは正直相当つらい。
ほぼ回復したので大学へ行った。欠席しすぎて単位が危なくなっても困るので多少無理気味でも行った方がよかったのだ。
学食へ行くとまさに病人のためにあるような雑炊があった。ほうれん草がついてるのもいい。ありがたくいただいて授業を終えた。
そうしてなんとか社会復帰を果たしたが、この数日間は本当に辛いものであった。何度も書いたが、腹が減って仕方ないのに食べたくない、食べものはあるのに口が受け付けないという状況は大変厳しい。乳幼児がかかる病気と甘く見ずにうがい手洗い等の基本的な感染症対策を入念に行い健康に生きた方がいい。どうしても痩せたければ病気にかかるか警察に捕まって豚箱入るかすりゃいいけど。
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