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ケベス祭りを見たぞ〜

国東に移住してから楽しみにしていたこと
それは【祭り】
10月は各地で秋祭りが行われる
その中でちょっと変わったお祭りがあるというので張り切って出かけてみた
住んでるところから5キロくらいのところにその神社はある
しょっちゅう前を通っていたが中に入るのははじめての櫛来社・岩倉八幡
境内に入るとすでにカメラをセットしている人や本殿を囲む屋根付きの回廊に見物客が座っているので、我々も適当な場所に陣取る
ウキペディアの祭りについての説明はこんな感じ
『岩倉八幡社の境内に設けられた燃え盛るシダの山を守る白装束の「トウバ」と、そこに突入しようとする奇怪な面を着けた「ケベス」が争う。「ケベス」は何度も突入を試み、ついに9度目で成功して棒でシダの山をかき回し火の粉を散らすと、その後は「トウバ」も火のついたシダを持って境内を走り回り、参拝者を追い回す。この際に火の粉を浴びると無病息災になるといわれる。』

岩倉八幡社の社殿

大分遺産というサイトにはもっと詳しく書いてある(長い)興味があれば下記をみてください

ケベス祭|おおいた遺産|大分を彩る120の美しき遺産

子供達の記念撮影

あまり最初から知識を入れないで見物に行きたかったが、よく行く温泉の露天風呂で去年東京から杵築に移住してきたお姉さんから恐ろしい話を聞いてしまった
祭りの終盤に前述のトウバが燃え盛るシダを持って走り回り、自分の頭の上に燃えるシダが落ちてきたという
その後失神されてよく覚えていないそうですが、友達の撮ってくれた動画にしっかり記録されていたそうです
大火傷には至っていないようなのでシダはすぐ燃え尽きるのかな?
とりあえず、燃えない素材の綿生地のトレーナーとパンツをチョイス
イパラキのアキタさんからもらった『グンマーキャップ』を被る(これは燃えても良いと判断)
境内には祭りの主役とな白装束の男達が集まり記念写真を撮ったりと和やかムード
小学校低学年くらいの子供も2、3人いて父親や祖父と写真を撮っていた
女性は裏方で皆エプロンをして見守っている 白装束の男達の禊ぎから戻るとだんだん祭りが始まる気配がしてきた
本殿に貢ぎ物が運び込まれ祭事が始まったものの中の様子はよくわからない
結局眠くて眠くて座りながら寝てしまう
気がつけば見物客も多くなり、祭事も終わりそう、そして本殿から黒っぽい面をつけたケベスが登場してきた
太鼓とちょっと物悲しい笛の音に合わせてケベスが杖を肩に掛け宮司さんやら何やらと境内を練り歩く
ケベス係のオッチャンがケベスにいろいろ声をかけるのが面白い
何周か回って「そろそろ行くか?」とケベスに声をかけると本殿の脇に燃え盛るシダの山に向かって勢いよく走り出す
その火を守るトウバと1対1で杖を使ってくるくるくると回りながら最後はガチの力比べ、ずっとやってるわけにはいかないらしく、係のオッチャンが引き離して再び境内を練り歩く
回数が重なる毎にケベスが疲れている模様や祭りを仕切るオッチャンがあと2回とか言ってる声も聞こえたりするのも面白い
ケベスも力比べで引き離されて練り歩くと思いきや、踵を返してすぐ様火の方に走り出したりすることもあり、ケベス役のアドリブなのかな?
いよいよ最後の突っ込みが終わる直前に境内を囲っていた侵入禁止のロープと棒が取り外された(出入り自由状態)
火を守っていたトウバ達は杖の先に燃えるシダを刺して弾けたように見物客の方へ走りだし祭りはクライマックスを迎える
逃げ惑いながらも携帯で撮影したり、火の粉にかかりたいので座り続けるおばあさんもいたり、小さいお子さんをタオルでくるんで座るお母さんもいる
何が怖いかって、炎のシダが突然ボタっと落ちやしないかハラハラドキドキのアトラクション
最終的にはトウバ達は境内からも出て走り回るようだ
カメラ撮影の方の折りたたみ椅子の座面に火の粉が〜
前の男性の襟元にも火の粉が〜
でも、すぐ消えるのでそんなに危なくない
後で聞いた話だが今年の担当地区は去年の地区に比べて大人しかったということでした
じゃあ、いったい、去年のトウバ達はどんだけ暴れたんか〜い!

社殿からケベス登場!
ケベスが拍子で杖を叩きながら練り歩く
ケベスとトウバの一騎討ち
燃え盛るシダの山
トウバが暴れる、火の粉が舞い落ちる

はたしてケベスは鬼なのか?
国東では、怖い鬼でも仏となって、人々の願いを叶えてくれるという
鬼に憧れ、鬼と会い、鬼に祈り、鬼と笑う
そんな文化が残るのが国東
鬼と会えるお祭り『修正鬼会』は真冬に行われる
この祭りは絶対行かなければならないな

次の日は住んでる地区にある別宮社のお祭りを見に行ってみた
こちらは鬼は出てこなくて、流鏑馬
コロナで流鏑馬は中止となっていたが、コロナ明けも若者の射手が見つからず、今年ようやく再開できたという話
高2のお兄ちゃんが勇ましく馬に乗り弓を引く姿にオバさんはちょいと感動する
まあ、的に当てるのは難しいようでしたが、お祭り存続を考えると当たろうが当たらなかろうが拍手喝采なのである

笛の若手は大分から祭りのために帰省
御輿3基が少し離れた浜殿まで担がれます
今年の射手の勇姿


地方、特に若い人が減っている地域においての伝統行事の存続と継承は年々難しくなっている
私が見た限り、祭りを執り行う衆の平均年齢は65、いや70くらいじゃないかな
その子供世代はみんな地元から離れて暮らしていて祭りの時だけ戻ってきて参加するという形で何とか存続の危機を逃れている状況だ
そのうち移住者にも伝統行事の係が回ってくる日が来るに違いない
知らんけど〜

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