「東京はとても明るいから、道で本が読めるんだよ」とか言ってる場合ではない
街灯、コンビニ、道路工事、ロイヤルホスト、防犯のために入口だけ電気がついたままの家具屋、マンションのエントランス、大きくあかるい看板、自動車のライト
東京はとても明るいから、道で本が読めるんだよ。
と、詩的なことを書こうと思ったのに、家まであと3分を切ったところで、お腹に違和感を感じ始めた。
え、まさか、いや、この距離なら間に合うはず。
あの角を曲がりさえすれば。でもあの角から家まではまだ2分ある。油断してはいけない。一瞬の隙で全てが終わる。お尻を突き出し、歩幅を狭くしながら早歩きをする。
間に合うはず。大丈夫。何度となくこれをしてきたんだから。
いつもは帰宅時にポストの確認をするが、今日はもちろんしない。
ポストの前を通り過ぎてエレベーターへ。
こんな時に停電に絶対になってほしくない!と思いながらボタンを押し、自分の住んでいる階を押すと同時に「閉」ボタンをプッシュ!
早く着いてくれ…と思いながら、カバンから鍵を出し、手に握る。
着いた瞬間、エレベーターを飛び出し、部屋の鍵を開ける。
カバンを置く、コートを脱ぐ、ジャケットは間に合わない!
トイレの扉を開け、ギリギリで間に合った…
年々、最後のギリギリの瞬間が危なくなっている気がする。
帰ってから仕事しようと思ってたけど、ちょっと無理です。おやすみなさい。