あたたかさは目に見えるのか
薪は太いものだけでも、細いものだけでも、うまく火がつかない。
初めに引火する細い木がなければ種火もすぐに消えてしまう。
細い木だけだと一度に火柱が高く上がるが長く保つ火にはならない。
木が初めから多く入っていると空気が通らず火がつかないし、隙間が空きすぎると今度はうまく燃え移らない。
適切な時に適切な薪を適切な量焚べることで焚火は燃え続けることができる。
火が燃え上がりすぎている時は暑すぎたり、煙が出過ぎて苦しくなる。苦しさに耐えられなくなり自分で火を消してしまう人もいるかもしれない。
じっと火を見て待っていると、だんだんと炎が消え、木の内側から光が漏れるような、熾火の状態になる。
熾火のあたたかさが好きだ。メラメラと燃えているわけではないのに、遠くから手を当ててもじんわりと熱が伝わってくる。
燃え上がっていたからこそ、熾火を作ることができる。熾火になったら、比較的容易にそのままあたたかさを続けていくことができるはずだ。
そして必ず火は消える。何も入れなければ燃えるものがなくなり火は消え、灰になる。