"Meeting Planner PL"(ポーランドのミーティングプランナー専門誌)よりインタビューを受けました。
MPI基金の同僚でありNicolaus Copernicus University(ポーランド)の教授であり、かつ友人のKrzysztof Celuch氏よりインタビューを受けました。英語>ポーランド語>英語>日本語という翻訳で訳わからなくなった部分を修正しつつ、以下に引用しておきます。
ちなみに、この”She Means Business” とは、直訳すると「彼女、マジだよ・・」的な感じでしょうか。MPIをはじめとする国際ビジネスイベント業界では女性の社会進出のスローガンとして使われています。
今回の五輪開催準備期間にいろいろ炙り出された日本社会の課題という意味で、少し判りやすく(忖度無で)書いてみました。
1. 貴女にとって”She Means Business”とは ?
「午後3時に女性スタッフが仕事をやめて上司や仲間に西瓜を出す様な事務所」で働いていた日本人である私に、それを聞くか(笑)・・と、前置きはさておき、いま日本で働いてみて、ものすごく意味のある事だと思っています。特にこの現代世界でジェンダーの固定観念を打ち破ることは楽しみです。
日本では自分の能力に劣る地位を受け入れる女性がまだたくさんいますよね。
本来、仕事って私たちの将来を実現させるための方法なんですよ。一段上がればまた一段、そうして進んでいく事により将来が現れてくるし、より大きな課題とより大きな願望に向けてさらに進んでいく事にもなります。それなのに、日本では、特に女性は、仕事を時間を使って”請求書を支払う”・いわゆる収入を得るための活動として限定して考える人が多いのは残念です。もっと仕事ってその人の人生に大きな意味を持つもののはず。
その意味でも、”She Means Business” がビジネスイベント業界から推進していければと思っています。その為にもMPIは業界のリーダーとして社会を牽引していく事が望ましいですね。
2.今後12カ月のビジネスイベント業界をどう見ていますか?
人々が実際に会うことを渇望しているので、間違いなくイベントの数は短期的には爆発的に拡大すると思います。ただし、オンサイト催事の規模は縮小され、そのうちに「スクリーン越しではなく会う」という形式的なものに変容していくのではないでしょうか。
一方、オンラインイベントは急速に発展し、拡大すると考えています。
3. 2021年のあなたのビジネス目標と夢あるいはアイデアは?
「イベントはオンサイトF2F(対面)じゃなきゃダメだよね~」という神話から脱却していくと思います。
バーチャルであろうとオンサイトあろうと、イベントを開催することは、「参加する事によって期待される結果」を生み出す方法・手段にしかすぎないんですよね。「期待される成果を創出させるにはどちらの方がより効果的か?」という考え方が主流になる・またそうなっていくと思います。
似たような発言をオードリー・タン デジタル担当大臣(台湾)がしていたのを聞いて改めて確信が持てました。
4.今後数ヶ月のあなたの最大の個人的な挑戦は ?
「空の巣症候群」への対処法でしょう。個人的な事ですが。
大学進学の為、唯一の家族が間もなく渡米してしまうので、「鬱」になる事間違いなし。プロフェッショナルとして仕事が出来るか不安なので、数日間休暇を取ります。
5.日本の東京でのオリンピックはスポーツイベントあるいは素晴らしい企業イベントであり、MICE業界の一部でもあります。Tokyo2020に対してどう考えていますか?
特にこの様な国家催事の場合は、人は良い事悪い事言いたい放題ですので、世論はともかくとして・・。
これまでの日本ではMICE開催は、仕事の主流ではなく補完的なタスクとして扱われてきました。したがって、催事は「人数さえ集まれば・無事にアジェンダをこなせられれば、赤字にならなければ」成功であり、その催事に参加した事によって、参加者の意識がどう変容したかという成果創出を目指す専門家集団のイベントプランナーって、日本には数少ないと感じてきました。
この意味で東京2020は日本のMICE業界が変容するいい機会だと思っています。そのイベントを経て、「人々がどのように変化したか」にもっと焦点を合わせるように意識が変わるのではないでしょうか。
開会式の前日である今日(にこの原稿を書いたので)でも、将来の状況を変えるための疑問や課題提起、そして様々な動きを我々市民に見せてくれています。