小さなジェンダーバトルの記録
(実話ですが、ある程度脚色して、かつ少しぼんやりと書いておきます)
ちび子の学校は女子校なんだけれども何かの行事の際には自転車で5分程度にある男子校と提携して行っています。プロムもそう(ちなみに昨年と今年は中止)、ミュージカルの様な課外活動もそう。
もともと舞台好きなちび子、大学進学だというのに今年もしっかりミュージカルに参加しておりましたが、ある日突然学校から本年度の課外活動中止についての連絡メールが親宛に。
一体何があったのやら?と思って本人に聞いてみたら
「中身がね、すごく男の人に優位で女の人に否定的なの」
「台詞もひどくて、お友達なんか泣いちゃったんだよ」
「それで内容の修正を(男子校の参加者に)求めたら、断られたの」
「参加者全員でミーティングして、参加辞退することを決めて学校(女子校)のスーパーバイザーに報告したの」
「そしたら、学校同志で話し合ってくれて、でも、先生たちももっとすごい喧嘩になったらしいの」
どうりで、学校からのメールには
「我が校の参加者の決断を誇りに思う」
なんて書いてあったんだな。
それにしても、ミュージカルなり舞台なりが大好きなちび子、今年も台詞も歌も誰よりも一番多く貰っていたと聞いていたので無念だったんだろうな・・と思いきや、
「ああいう作品に文句言わなかったら、ましてや参加したりしたら、後輩達に申し訳ないから、I am proud of it」
だそうです。
この手の事については私自身はある程度しょうもない事として、長いもんに巻かれつつもなんとか生き延びてきたような世代だから、逆に今回の行動はすごく評価する。っと、ん? We じゃなくてIって言っていたぞ?
「一応、聞くけどさあ、これを先導したのは誰?ちび子?」
「ちび子もその一人、だけれどもお友達が泣いちゃうくらいひどい台詞とひどい役だったんだよ。これをあっちの(男子校)の先生が選んだっていうのは駄目だと思う。」
やれやれ・・。でも一応親としてはお説教。
「あのさあ、Les Miserable見せたでしょ?ああいう風に正しい事でも、最初に旗を振る人ってアンジョルラスみたいに殺されちゃったりするんだよ。そういう人生は駄目。マダム・テルナディエみたいに何をしようと生き延びるのが正解」
「それはママが間違っている」
あ~あ、何を言っても駄目。こういう青い正義感は両親譲りで子育て失敗かもしれない。この為に我々両親がどんなに苦労して戦って来たのか、同じ道を歩んで欲しくはなかったんだが。
それにしても、嬉しかったのはこの学校の対応。
生徒もちゃんと学校に報告し、学校もきちんと対応し、話し合い、どこかで妥協点を見つけて折り合う・・のが、多分学校という組織としての解決方法だったんだろうが、子供の喧嘩に親が出ていって大喧嘩になってしまった状態らしい。
問題は解決していない模様で二校は依然睨み合っているらしいが、少なくとも、JK達は自分たちの学校が自分達の気持ちと考え方をちゃんと聞いて、理解してその上で戦ってくれた、その事で得られた安心感と帰属意識、そして後輩の為にもきちんと主張をしようというその精神を尊重してくれたのはすごい。年代は全く違うけれども大好きな童話『元気なマドレーヌ』のミス クラリスを彷彿とさせる。
https://www.youtube.com/watch?v=p9C43aEGxkQ
もともとこの学校は好きだったが、ますますファンになってしまいました。ちなみにカソリック系です。
教訓 ⇒ 自分達の権利を守る為に戦う姿勢を支持する、そして愛するものを守る為には自分達が戦ってしまう これってカソリックでも許容範囲なんだな。