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プラチナジュビリーのお茶会
エリザベス女王陛下の即位70周年プラチナジュビリーにてお茶をご一緒した事で、ダニエル・クレイグ並みに有名になったこのクマ。
ロンドンのパディントン駅には専用グッズのお店もあるし、イギリス国民に受け入れているアイドルであることは間違いないようです。
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が、意外にも知らない人が多かったので書いておきますが、彼は暗黒の地ペルー(Darkest Peru)から非合法的にやってきたいわゆる密航者なんですよね。
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一緒に暮らしていたルーシー伯母さんが年を取っていく自分と小グマだった自分の甥の将来を案じて「Please look after this bear」という手紙とマーマレードサンドイッチを持たせて船に乗せたという話。その後ルーシー伯母さんはリマの老グマホームに身を寄せます。そうしてロンドンのパディントン駅に到着して・・・というところからは皆さんもうご存じの通り。
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ちょっと調べてみたら、最初に著者は暗黒の地アフリカ(Darkest Africa)って書いていた様なのですが「アフリカにクマっていたっけ?」っていう指摘があってペルーに変えたとか。
それにしても、このルーシー伯母さんの手紙、宛名のない「このクマの事を宜しくお願いします」という気持ちは世代国籍を超えて、心に響きます。
私も子供が7歳の時から飛行機に一人で載せて(Un Acompannied Minors)いましたが、いつも、航空会社の方に頭を下げてお願いしたし、子供も子供なりに心細いのを頑張ってこなしてくれたっけ。展望台での見送りやFlight追跡システムで確認する癖は当時からいまだに抜けません。
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そんなのとは比べ物にならない程の危険と不安を抱えながらも、知らない国へ小さな甥グマを送り出したルーシー伯母さん。
64年前に心配で祈る様な気持ちで小さな自分の甥を船に乗せた彼女がそれから半世紀以上たった今、エリザベス女王と二人でのお茶会に呼ばれるほど英国社会に受け入れられたと知ったら。
教えてあげたくても、もうご存命ではない筈。
これは子供向けのフィクションですが、当時から今に至るまで、間違いなく多くの人間が合法非合法問わず、新天地に向けて旅立っている、そしてそれを見送る老いた家族は無事と成功と幸せをずっと祈っている・・そんな事を考えていました。
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もし手に取る事があれば、是非、そんな背景と共に改めて読んでみた下さいね。