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隣町までお家の下見

これから暫くの間は、平日であっても夕方などに、マイホーム購入の下見に行くのが続くだろう。

妻がそろそろ家を買おう、と言い出したのは、実はつい5か月ほど前。

互いの収入及び、これまで貯めてきた分を洗ってみたら、50万ドル(日本円でおよそ5,000万円)ぐらいなら出せる事が分かり、流石に一括では払えないが、数年分のローンを銀行が許可してくれたのもあったから、妻の親戚などがコッチで世話になっている不動産専門家に本格的に相談を持ちかけた、との流れ。

最初はかなりスローペースで物件を探していたが、嘘つき誇大妄想のどっちが大統領に決まるにしても、11月以降は金利が確実に上がるから、今月中に何とかして購入できないかと、かなりバタついた状態なのが、今。

コッチに住んでいるといつだって緊急対応を求められるというか、明日の昼までに決めろだとか、急な決断を迫られる事があまりにも多かったが、まさか自宅購入までそうなるとは思ってもなかった。この流れだと多分、私の場合は死ぬ時も急じゃないかと、今から思えて仕方ない。

それはともかく、理想としては3~4寝室に浴室が2以上、車を2台以上停められて、電車の駅からも近い一軒家。

私たち夫婦は長年、パサデナ(Pasadena)というエリアで借家に住んでおり、家自体は狭いものの、電車の駅が徒歩10分で、各種アジア系マーケットが車で20分以内の距離、美味しいレストランの数も豊富と、生活自体はかなり便利な方だ。

ローカルの住民が手軽に通える短大や、金持ちが進む芸術大学が固まっている事から、住人の数も多く、大通りのコロラド・ブルバード(Colorado Blvd.)は、人の波が絶えることなく、町全体の活気の良さを運んでいる。

またパサデナは、ロサンゼルスの中心部へも、電車ならば40分、車ならば20分で向かえるので、当然、家の値段も、50万ドル程度では手が出ない。

なので、出来ればパサデナの隣町に住むのが良い、とのことで妻とは意見が一致。

そうした条件を基に、専門家からは、パサデナからさらに東に向かって電車で30分、車で20分の隣町、アズーサ(Azusa)を勧められた。

で、今日のお昼、案内された一軒家を観に行くついでに、アズーサの街自体もドライブをしてみた。

金持ちの一家が住む郊外の典型というか、道路が広く、ゴミも落ちておらず、ホームレスも観られず、町全体が落ち着いた、静かな印象を強く受けた。

確かに通勤時間(及び私がクライアントに会う為にダウンタウンまで赴く時間)は、これまでの時間プラス30~40分となるし、我々が食材を買い込むアジア系マーケットの選択肢も大幅に減ったが(一方で、一番割高の日系マーケットのみ、やけに近くなった)、日本では学校や職場まで片道90分が通常だったから、そんなのは特に問題では無い。

何よりも、これから20年、30年と住むエリアとしては、見通しが良く、落ち着いた生活をするのに、ピッタリだと、本能的に感じた。

そして案内された一軒家は、この価格だとどうしても駅から離れてしまう(徒歩だと40分は余裕でかかる)が、駅には無料駐車場があるから車を使えば10分に短縮できるし、私たちが希望した条件と価格に見事に一致していたので、第一候補として専門家に、契約書の一部を妻がその場で記入したものを、提出した。

何しろ単純に大きさだけでも、現在の借家の、8倍。裏庭もあるので、ソーセージならぬバーベキュー・パーティーとかも出来る。

用意された寝室がまたどれも大きいので、もし最悪住む場所が見つからなかった生徒さんや、日本からのゲストの方々に、安価で部屋を提供する事も十分、可能。

但し現段階では、我々以外の買い手も複数で、その中には我々よりも5万ドル(500万円)以上出しても良い、というのもいるから、この一軒家を確実に買えるかは、保証はできない。

だがもし購入できた場合、それこそ来月には引っ越しを始める事になる。

現在のウチに遊びに来るひとたちには、ディナーではなくランチタイムに来てもらい、私たちからは最寄りの駅までの送迎のみとなる(さすがに幾らパサデナが安全でも、夜10時過ぎとかに女性が電車に乗るのは勧められない)が、別に毎日来るわけじゃないから、これは問題ないだろう。

また日本から遊びに来るゲストの方々には、出来るだけパサデナのモーテル(ダブルベッドで1泊$70前後とかなり安く、滞在日数を増やせば割引もしてくれる)に滞在してもらい、バスと電車の使い方を覚えてもらって、自力でアズーサまで来てもらうよう、案内するつもりだ。

ロサンゼルス近郊のバスと電車の使い方は非常に簡単で、運賃も2時間以内の乗り換えなら片道$1.75しかかからないので、自由行動の幅を利かせる意味でも、私は旅行者であっても必ず、バス・電車の使い方を教えるようにしている。

まあそれに、コッチの公共の乗り物を使えるようになったと、帰国してから自慢のタネが出来るようにも、なるだろう。

まだ現段階では、購入希望の書類に私と妻の署名をしただけだし、情報の確定は数日を待たないとならず、その間にも次の下見が、18日の火曜夜に入っているから、ま正直どーなるかは分からんが、振った賽をいまさら戻すわけにはいかないので、この流れに乗ってみようと思う。