春のニースひとり旅 #1
朝6時
水栓を止め
(パリは古い建物が多く
ヴァカンス中に水漏れ発生なんて事態も
あるあるなので)
部屋に向かい「行ってきます」と声をかけ
紫色の空の下
ゴロゴロゴロ〜っと威勢よく
ヴァリーズを引いて出発
(しかし、出ようと思う時間と
実際出る時間にいつも15分の差がある不思議
#謎の15分 #消える15分 )
ふと「南に行こう!」と思い立ち
「パリ・ニース飛行機」で検索したとき
最初にヒットしたローコストチケットだと
往復44€、つまり6,000円ほどで
パリとニースを往復できるというから
予約手続きを進めてみたところ
機内持ち込みの手荷物や
座席指定に追加料金が必要で
値段はみるみるうち3倍に跳ね上がった
始めは高くて論外、と思った
エールフランスのサイトを見ると
料金内で機内持ち込みもできるし
もちろん座席も確保
マイレージも使え
結局はローコストより安くつくことに
さらによかったのは
8時台に出発する便があったこと
ローコストだと空港に向かう電車の
始発に乗っても間に合わないのでは?と心配になる
早朝出発便しかなく
夜の明けない暗い道を歩くのは避けたいし
帰りの便も当日何もできない午前発か
パリに夜遅く到着という
ちょうどいい便がなかったから
エールフランスに決定
(往復で2万円弱)
どちらの会社も突然欠航することがあるけれど😌
私は英語をすっかりどこかに
置いてきてしまったので
何かあったときフランス語でやりとりできる方がありがたい
(ローコストは英語)
空港に向かう郊外行きの電車RERは
6時台というのに満席
平日とはいえ、こんなに早くから
動いて(働いて)いる人たちがいることに驚きつつ
大きな窓の外に広がる朝焼けを
祝福のように感謝の気持ちで見つめた
旅に出ると感覚が全開になる
週末よく行く森の上に
太陽がまぶしく昇っていき
反対側には薄氷を割ったような半月が
薄紅色の空に浮かんでいる
目的地に着く前に
すでに心は震えっぱなしだ
RER B線のAntony駅から
オルリー空港に向かう電車 Orlyval が
定期券では乗れず
わずか数分なのに
9.3€(約1,300円)することに
ぶつぶつ文句を言ったのも帳消しになる
美しさだった
何かと飛行機ハプニングが多い私にしては
スムーズに搭乗
離陸して落ち着いた頃に
飲み物と大きなサブレのサービスがあるのは
ちょっとしたことだけれどうれしかった
ローコストだといちいち有料で
大した額ではないのに
地上より高いし、目的地にすぐ着くから買わないぞ、などと思ってしまう己がイヤ😌
ほっと一息入れ、窓の外を眺めていると
もう降機準備のアナウンスが入った
1時間半のフライトなんて、あっという間だ
機上から見る地中海は縮緬のように
凪いでいる
しかしいつまで経っても
海がすぐそこに見えるほど高度を下げても
窓から地上が見えてこない
もしやこのまま海に突っ込むんじゃ?
と思い始めた頃
飛行機は静かにニース・コートダジュール国際空港に着陸した
空港は海沿いにあったのだ
この歳になってほぼ初めてのひとり旅
はじまり、はじまり
つい #アラフィフライフ ってタグつけちゃったけど
#四捨五入 したら立派な #アラカン だったわ私