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名古屋【天風良 にい留 ; レミニセンス】

昨年の11月に訪問した名古屋の2軒のお店についてです。 

天風良 にい留

まず、天ぷらの名店『にい留』さん。 食べログで全てのお店の中で現在全国1位、これは並みのお店ではありませんね。 ミシュランでも二つ星。 4~5年前から周りの美食家のお友達の間では人気がありましたが、今や全国的に有名になってしまいました。 予約も取りにくいです。  

品数が多く、すべてに写真をつけることが難しいので、画像は半分くらいの品について掲載させていただきます。 コースは最初にこだわりのお魚料理がいろいろ出て、それから天ぷらに移行していくという展開。  

◆Charles Heidsieck / Brut Reserve (¥3,300 ; 税・サービス料10%込)

飲み物は、グラスのシャンパーニュをいただきました。 シャルル・エドシック、ブリュット・レゼルヴに関しては、おいしくて好き♡ 香りが良く、ムニエも入っていて深みのある味わいです。 でも、天ぷらなので泡にしてみたのですが、今度は日本酒にしたいかな、と思いました。  

◇ホッキ貝の出汁

猪口で供されました。 出汁で始まるのは良いですよね。 80℃で12時間抽出しており、大変においしく、さすがでした。 塩味もちょうど良かった。

◇愛知産の鯛

お造りで3切れありました。 1日寝かせたもので、モッチリ。 添えられた山葵と醤油でいただくのですが、少ーしだけ塩もあててあります。 モッチリ感を楽しむにはこのように寝かせるのも良いなあと思いました。

◇対馬(長崎県)産スジカツオ

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漬けになっていて、葱と生姜を刻んだものがあしらわれています。 カツオは洗って、サッと塩をしてから漬けにしています。 弱めの漬け具合が絶妙。 トロッとしています。 新留さんは、食感を大切にする方です。

◇イクラ

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ご飯にのせたい♡ 新留さんは、東京にある『すし 㐂邑 』の木村さんと懇意にされていて、このイクラは木村さんから影響を受けて、今年さらに進化しました。 詳しくは企業秘密(?)だと思いますが、1回漬けて、もう1度漬け直す、要するに2度漬けするそうです。 とろける食感。 翌日になったらもう堅くなってしまうので、出さないそう。 出汁がきいています。

◇次郎柿 / 愛知県産黒イチジク / シャインマスカット / 米国産ザクロ

天ぷらの直前に、ここで癒しの甘い一品が嬉しい。 上記の果物とヘーゼルナッツが、白和え風になっています。 食中なので、このトロッとしていない柿が良かった。 味付けが良く、本当においしかったです。

◇余市(北海道)産あん肝 / 車麩

揚げた車麩の上に、3~4日かけて血抜きしたあん肝を裏ごししたもの。

◇海老の頭×2

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次の海老の身と共に、2つずつ。 天ぷらは天つゆ、塩、小笠原産レモンで食します。 天つゆに入れる大根おろしは、けっこう辛みがありました。

◇海老

甘さが引き立ちます。 海老は、他店も頑張るところだと思うので、期待しすぎると意外と普通に感じてしまうかもしれません。 でもおいしいです。

◇スミイカ

柔らか~い。 新留さんは、やっぱり食感重視なんだなあ。

◇アキシマササゲ

最も感動した品の1つ。 大きくて細長いアキシマササゲは柔らかく、ほのかな甘みが広がります。 アキシマササゲは、秋に採れるインゲンの一種。

◇銀杏

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新留さんがおっしゃるほどモチッとはしていなかったのですが(ゴメンなさい)、好物なので喜んでいただきました。 

◇キス

あとほんのちょっとフワッとしていたら、もっと良かったかな。

◇山ゴボウ

上品でホクッとしていました。 このお店は野菜が特においしいです。

◇本シシャモ

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シシャモを揚げなくても・・と一瞬思ってしまったのですが、揚げるととってもフワッとしますね。 おもしろかった。

◇岩手県産牡蠣

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にい留さんのスペシャリテだけあって、ものすごくおいしいです! 貝柱も大きい。 あと10個食べたかった・・。

◇宮城県産松茸のスープ / 唐津(佐賀県)産クエ

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伺ったのは11月1日だったのですが、にい留さんとしては「もう今年最後」だという松茸をいただけました。 スープは素晴らしい香りと風味。 そこへ、2週間寝かせたというクエを揚げて投入。 クエは4Kgほどの個体とさほど大きいものではなく、身がしっかりして、スープに浸かった衣がまた良かったです。 クエは特別に(?)2切れいただけました。

◇茨城県産蓮根

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1mくらいはつながっているという蓮根。 にい留は野菜が本当に良いです。

◇帆立

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火を止めたりつけたりして、火を通しています(最初は止めたところからスタート)。 何も言えなくなるおいしさ。 レモンも合いました。 

◇海老芋

仕込みに4日かけているという力作。 まず米のとぎ汁で茹で、2日目に出汁で炊いたそう。 出汁の香りがしておいしい天ぷらでした。

◇対馬(長崎県)産穴子

新留さんの真骨頂かな。 揚げ方が良く、衣がザクッ、カリッとして美味。

◇天丼

〆は天丼か天茶漬けからの選択です。 海老のかき揚げが乗った天丼は、衣がフニャっとしてご飯に合います。 タレは個人的にはもう少し甘い方が好みですが、おいしかった。 しじみ汁は山椒が少しふってあり、大変美味! 3種の香の物もあり、辛子茄子が何となく懐かしかったです。 

◇ジェラートと栗  

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このデザートに、にい留さんの凄さがかなり出ています。 まず出来立てのヴァニラのジェラートが、ナチュラルな味でおいしいこと。 材料は、カンテサンスの岸田氏も使っているオーム乳業の生クリームに、神奈川県産の上質な牛乳など。 余計なものは一切入っていません。 そこへ2時間かけて揚げた栗。 温かくておいしく、ジェラートとも合い、最高の一品でした。

コースを全ていただいての印象は、後半になって満足度がどんどん伸びてきた感じです。 にい留は、品数が多く、楽しめますね。 調理は下処理などにどれも手間をかけています。 大将の新留さんお1人で作られているのですが、お忙しい中たくさんお話して下さっておもしろいし、サービスがとても感じが良い点も素晴らしい。 また、新留さんは研究熱心で、常にお料理に改良を加え続けており、その向上心・探求心には感心してしまいます。 今回はあん肝やイクラに特にその成果が出ていました。 

昨年からにい留は予約サイト「OMAKASE」でお席を取ることができるようになりました。 OMAKASEで見るとコース料金が現在¥38,500+サービス料10%となっていますが、このお伺いした時は、飲み物代も含めてお支払いは1人¥33,500でした(にい留さんは時価なので、価格に多少の変動はあります)。 上記のOMAKASEの料金だと飲み物なしで¥40,000を超えるので、少々お強気な価格だなあとは思いますけれど、お席が取れたなら、東京からでもぜひ行く価値のあるお店だと思います。 

(いつも私のnoteでは細かく価格表示をしており、良く思われない方がいらっしゃったら恐縮です。 私は職業病なのか、モノの価格について適正(?)かどうか考えるのが癖になってしまっていて・・。 このnoteは自分用の備忘録としての意味合いが強いので、ご理解いただけますと幸いです。) 

天風良 にい留のHPはコチラです↓


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レミニセンス(Reminiscence)

2軒目はフレンチの『レミニセンス』。 今回初訪問です。 シェフの葛原氏は、「カンテサンス」、「HAJIME」という名門で修行され、2015年、30歳の誕生日にこのレストランをオープンされました。 こちらのお店も、2019年に初めて発表されたミシュラン東海版で二つ星を獲得しています。

夜のコースは訪問時の昨年11月は¥20,320(税・サービス料込)でしたが、最近¥22,000に値上がりしています。 以下のような内容でした。 

◆Henriot / Brut Souverain (グラス ; ¥3,025 ; 税・サービス料込)

グラスのシャンパーニュはアンリオ。 上品で悪くないですね♡ 喉を通った時の香りが良いです。 なお、水はパンナを無料で注いで下さいます。

◇雲丹

写真は省略させていただきました。 まずこのフィンガーフードが出ます。 あおさのチップスの上に北海道産の雲丹。 上にはマイクロアマランサスや海苔があしらわれていて綺麗。 雲丹にも塩気があまりなく、ナチュラルな風味でした。 あおさと海苔の競演がおもしろかった。 

◇パン(1つめ「あられ」)

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なんとなんと、レミニセンスのパンは、あの岐阜の名店『トラン・ブルー』のものなのです! 同じ東海同士ということで、コラボが実現したそう。 1つめは、小麦と米の共演が楽しめるパン。 やっぱり素晴らしくおいしいです!! 本当にフランスのパンみたいで、パリッとして香り高く、軽くて引きがしっかりあります。 お米でできたあられがついていて、その塩気がちょうど良かった。 バターが無塩だったのは個人的には少々残念でした。 

◇鱧

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鱧は骨切りしてからベニエにし、下には焼き茄子のソース、上にかかっているのはカラスミとパクチー。 パクチーが苦手で先に食べてしまったので言い切れないですが、優しいお味で決め手に欠ける感じでした。 鱧の揚げ方はカリッとしていてとても良かったし、焼き茄子の風味も出ていました。

◇車海老

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70℃のスープに泳がせた海老がタルト生地の上に乗っています。 泡は海老の出汁のソースとパプリカでできており、下のピューレはういきょうが使われていました。 海老のレア加減が良かった。 おいしかったですが、やはり少々決め手に欠ける感じはありました(生意気で本当にすみません)。

◇鰆

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最も素晴らしかったお皿です! ボイルしてから炭火で炙った鰆は、レアでフワッとして超食べ頃♡ 上には茗荷と浅葱のサラダが乗り、下には蓮根もちがあります。 見づらいですが、サラッとしたマデラ酒の茶色いソースも。 全体的に味が決まっていて、大変おいしかったです。

◇天の岩戸

ここで小さなスープが出ました。 名古屋コーチンのスープです。 水は、三重の伊勢にある有名な湧き水を、シェフが汲んできたもの。

パン(2つめ「揚げぱん」)

写真は省略いたしましたが、これも丸い形状でした。 オリーヴオイルで揚げてあって、モチッとして引きがしっかりあり、素晴らしかったです。

◇鰻

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これも素晴らしかった一皿。 白焼きの鰻に、根セロリの燻製ピューレを合わせています。 右側に添えてあるのは、シェリービネガーのジュレと、赤ワインの濃厚なソース。 鰻はやっぱり炭で焼くと良いですよね。 カリッとして風味が引き立ちます。 クリーミーなピューレとのコンビネーションも良く、味がしっかりしていておいしかったです。 

◇文旦のシャーベット

グラニテです。 滑らかな仕上がりで、生の文旦も上に乗っていました。

◇魚   

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焼津産の金目鯛を鱗焼きにしたものです。 火入れが良く、鱗はパリッとしていました。 黄パプリカのソースもマイルドでおいしかった。 奥にあるのは海老芋で、上には神戸牛の生ハムがあしらわれています。

◇肉

パン(3つめ「杏」)

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メインはシャラン鴨でした。 ソースはお肉のジュでできており、右手前にあるのは、卵黄ベースのソースと、八丁味噌+木の芽、西洋わさびです。 鴨がなかなか切れなかった(鴨のクオリティ的に切れないのか、ラギオールのナイフだから切れないのか・・)のですが、おいしかった。 左に少し垂らしてあるのは甘いシロップで、いろいろな味を楽しめて良かったです。 3つめのパンも左上に置いて一緒に写しました。 半生の杏が2つ、くるみのパン生地の中に入っており、鈴の形がかわいらしく、本当においしかった!

◇林檎

写真はないのですが、グラスに入ったデセール。 そのまま、ゼリー、アイス、シャーベットと、林檎が4種類に調理されています。 メープルシロップのアイスも入っています。 底にはパイ生地があり、下からすくうとアップルパイのような感じ。 様々な食感と味を楽しめ、おいしかったです。

◇無花果

このnoteのトップに写真がございます。 佐渡産の黒いちじく、ヌガーグラッセ、アールグレイのアイスクリームなどが盛られています。 温かいいちじくは素晴らしいおいしさ、それから、このレストランは小麦粉で作ったものがどれもとてもおいしいです。 季節感もあり、良いデセールでした。

◇カフェオレ HOT

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おいしかったですが、もう少しカップが大きいと嬉しかったかな。 コーヒー豆は名古屋市内にある「ジムランコーヒー」のもので、エチオピア産。 ジムランコーヒーと同じように、ネルフィルターで淹れたものです。 なお、コーヒー以外に和紅茶も選択できます。 

◇茶菓子

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シェフが子供の頃に好きだったお菓子を再現したもので、プッチンプリン、きのこの山、雪見だいふくです。 あとは、ガトーショコラ。 どれも、オリジナルより少しおいしく再現されているところがポイント(?)。 プリンは、食感がプッチンプリンにそっくりで、カラメルは色を見ると分かるように苦みがありませんでした。 きのこの山は1人2つずつあり、チョコレート部分が美味! 雪見だいふくは、さっぱりしたアイスでしたが、かなり本物に迫っていました。 ガトーショコラは大変においしかった! 

最初のフィンガーフードが小さくて、量が少ないのではと心配になりましたが、その後はどれも一皿の量がしっかりあって良かったです。 最初シェフのご年齢(訪問時35歳)を存じずに食べていたのですが、食べていて若さを感じました。 シェフは最後にお見送りして下さったのですが、帰宅後に調べたところ、やはり若めでした(ただ、自分が35歳だった時は大変に歳をとったと感じていたものですが。 おもしろいですね)。 丁寧さが伝わってくるお料理で、名古屋という地方都市でありながらこの水準というのは素晴らしいです。 また、トラン・ブルーのパンを出しているというのは大変な強みで、レミニセンスの料理に合わせて作られたこれらのパンを食べられただけでも、来た甲斐があったと感じました。 こちらのお店も、名古屋を訪れた際にはまたぜひ伺いたいです。      


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