投資ストラテジーと経済(1)

安倍総理お疲れ様でした

先日、安倍総理が辞任することが明らかになりました。 命を削って日本のために頑張ってくれました。 戦後最長の内閣となったのは、特に日本経済にとっては本当にありがたいことでしたが、在任期間後半は、森友、加計、桜の会という話題で政策が進まなくなったことが残念でした。 野党による間違った追及と国民の誤解により、本来安倍氏が成し遂げたかった自主憲法制定が叶わなかったことは、残念でなりません。

日本国憲法については、最近ではアメリカのバイデン大統領候補が「アメリカが書いたものだ」と(ある意味正しく)発言しましたが、日本国内においても、占領下においてマッカーサーによって制定された憲法であることを、今一度振り返る必要があります。 日本人なのですから、日本人が独自で自由憲法をつくりましょう、というのは、とっても自然なことです。 そこで今の憲法より、さらに強力に反戦を誓う憲法にすればよいのではないでしょうか。 なお、安倍総理が改憲を唱えたのは戦争をしたいからだと思っている方が多いように思いますが、彼は非常に強い反戦主義であり、将来も決して戦争をしない国にするために自主憲法を作成したかったのです(ただし、立場上彼はそれを公に口にすることはありません)。 アメリカに押し付けられた平和憲法を守るというのではなく、平和憲法を日本人が自らつくりましょうと、なぜならないのか不思議です。 そういう世論にならないと、いつまでたってもアメリカへの富の移転は止まりません。

数年前からの世界的な流れではありますが、熟考せず安易にTVやSNSの取り上げ方を鵜呑みにする世論が、自らの権利を振りかざし、暴走している節があります。 「民主主義」を合言葉に、ネットやTVでちょっと見ただけの事象にも影響され、同調し、ハッシュタグなどで社会参加した気になる、このハッシュタグバブルにより、安倍総理もずいぶん心を痛めたのではないかと推察してしまいます。

民主主義は大事ですが、物事がよく分からない場合は、詳しい人、センスある人に私は任せた方が良いと思っています。 自分が深慮できたり、専門的な知識があるならば、社会に貢献するためにも、自分の一票を投じ、自分の意見を社会に反映させるのは良いことだと思います。 しかし、TwitterなどのSNSでハッシュタグ(特に批判などのネガティブな投稿につけられたもの)にワンクリックで賛同する、この行為の安易さ、無責任さの割に、攻められた方はその賛同数の多さにびっくりすることもあるでしょう。 この攻める側と攻められる側があまりにアンフェアな中で、SNSを通じた様々な問題も浮かび上がってきています。 これは長期的に見ると民主主義の末期的な事象です。 民主主義の名のもと、一般市民の権力が強まりすぎてしまっています。 民主主義を続けたいのであれば、全てにおいて一人一票の権利を主張することをやめ、より専門性の高い知恵のある人は票を持ち、専門外の人は権利を放棄して社会に任せるのがよいでしょう。 でないと、これからは社会主義陣営と対等に渡り合えません。

 

新政権によせて

ここからの日本の立ち位置を考えると、重要なことは、やはり中国との関係改善です。 菅新総理の外交は未知数ですが、インバウンド政策で中国との関係を民のレベルから改善させた功績に期待できます。 また、アベノミクスであまり成果が出なかった地方再生に関し、菅政権では期待ができそうです。 
安倍政権でなくなって一番の懸念である金融政策についても、今しばらくは変更なく、このまま超緩和モードでいけそうです。 財政はコロナ対策で拡張気味ですので、さらに成長戦略を具体的に一つ一つ挙げていけば、アベノミクス後の調整を最小限にとどめ、グローバルな株高に連動する形で、株式市場も強含みとなるでしょう(もともと、菅氏は「アベノミクスと言っても自分が官僚と折衝してけっこうやっていたんだよ」という自負もあると思います)。 ただし、11月の米大統領選後の世界的な株価の動きについては、誰が大統領になったとしても、非常に注意が必要です。 
 
為替についてですが、安倍総理の辞任で短期的には多少円高にふれるものの、米FRBの資産買い入れの拡大が止まっていることと、購入している資産はリーマンショック後の時と全く異なりタームの短いものなので、円安への反転の芽も出ています。 黒田日銀総裁は着々とFRBよりは長いものを買っていますので、円安による株へのサポート局面も考えられます。

コロナについては、半年経ってみて、恐れていたほどは強毒化しなかったので、政府も感染症法上の位置づけを5段階中の2番目から、引き下げることとなりました。 欧州でも、より警戒しない方向へと動いてきています。 5月に別のブログで変化することへの大切さを自分なりに書いたのですが、コロナで重症者が増えていないこともあり、大きな変化はあまり起きていないかもしれません。 
コロナは日本が思い切って大きく変わるチャンスでもありました。 今からでも10年後の自分の生き方を見据えて、変わっていくことは決して悪くないでしょう。 そんな中、SONYの今回の決算説明会では、「変化できるものが生き残る」というダーウィンの言葉が紹介されました。 同じビジネスを続ける上でも、新しい発想を加えて、付加価値を上げていく。 このようにビジネスモデルのチューンナップをしている企業は、伸び続けられるんだと、当たり前かもしれませんが、思わされる事例でした。 

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