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🎀作品紹介🎀 誘惑の刃
彼女もこれまでいろんな誘惑に負けてきたんじゃないかしら。
きっと結果を急ぎ過ぎたのね。 そんな自分の弱さに嫌気が差したことも数知れないでしょう。
もっと賢くならなくちゃっと思っても、また誘惑の刃を目の前にしてあたふたしてしまうのよね。
この作品は、1975年にリリースされた「およげ!たいやきくん」から着想を得ました。
ルーティーン生活に飽き飽きしていたたいやきくんは、店主とケンカして海に逃げ込みます。
しばらくは自由な海の生活を謳歌するのですが、気が緩んだのか、また魔が差したのか、釣り針に引っかかってしまいます。
釣り上げられたたいやきくんは、最終的には釣り人に食べられてしまうという哀愁漂う歌です。
釣り針に引っかかってしまった自分の愚かさを嘆いたのか、はたまた運の悪さを恨んだのかは分かりませんが、たいやきという身の程をわきまえ、運命に甘んじる諦観の姿勢がその悲哀とともに私の心に刺さったのです。
この歌のリリース時期が高度成長末期だったことも、よりその悲哀を深めているように思います。
私自身、これからも様々な誘惑に負け、その度にそんな愚かな自分に憤り、その刃に深く傷つくだろうと思います。
時々たいやきくんがサメにいじめられ、桃色のサンゴに励まされたように。
しかし、決して高望みせず、諦めの気持ちで、そんな非力な自分を受け入れるたいやきくんのような生き方も悪くないのではと思うようになりました。
そんな気持ちが伝わればいいなと思います。