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ハワイ州ホノルル市ロックダウン(都市封鎖)9~12日目:マスク考

新型コロナウイルス禍が始まってからというもの、アメリカやイギリスのニュースなどで「unprecidented(前例のない)」という言葉を頻繁に耳にしたり目にしたりするようになりました。今までもたまに聞くことのある言葉でしたが、こんなに頻繁に聞くようになったのはごく最近のことです。

新型コロナウイルス禍は、前例がないせいか、とにかく事態がコロコロと変わるので、毎日のように開かれるアメリカ大統領やハワイ州知事そしてホノルル市長の記者会見はライブで見ておかないと、取り残されてしまいます。その大統領記者会見でさえ、数日前に言っていたことと、内容が変わってくるのです。


都市封鎖9日目:3月31日(火) 感染者数:224人(前日比19人増)

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元々、アメリカで「マスクをする」という行為は普通ではありません。マスクをしていると、銀行強盗をするのか、何か悪いバイ菌でも持っているのかと思われてしまいます。私も、日本便の機内では、乾燥を防ぐためにマスクをしていましたが、欧米便ではどんなに乾燥が辛くてもマスクをすることはありませんでした。

ところが、この日の大統領記者会見では、トランプ大統領が「顔を覆うのは悪くない。マスクである必要はなく、誰もが持っているスカーフでいいんだよ」というような発言をしました。トランプ大統領は、今までマスク着用反対派だったので、意外な発言でした。

マスクは、健常者を守るためのものではなく、病気の人が菌を撒き散らさないためのものです。そのマスクを擁護する大統領の発言の裏には、アメリカには新型コロナウイルス保菌者がたくさんいるけれど、全国レベルでのロックダウンもしたくない(現在のロックダウンは全て州レベルのロックダウンです)し、まだまだ出歩く国民も多いので全国民のマスク着用を示唆しているのではないかと勘ぐってしまいました。大統領が「推薦する!」と断定できなかった理由は、アメリカでのマスク不足にもあるのではないかと思います。


都市封鎖10日目:4月1日(水) 感染者数:258人(前日比34人増)
朝目覚めて、いつも通りiPhoneを使ってメールやニュースをチェックしていると、安倍首相が、新型コロナウイルス特措法に基づく政府対策本部で、緊急経済対策の一環として1世帯あたり布製マスク2枚を配布すると表明した記事を発見。一瞬、エイプリルフールの冗談かと思ったら、あちこちに同じ内容の記事が出ていて、真面目な話しなのでびっくりしました。

日本もマスク不足なので、確かにありがたいのかもしれませんが、どうやって1世帯あたりマスク2枚という不思議な数を出してきたのでしょうか。日本の平均世帯人数が2.5人弱なので、四捨五入して2人になったのでしょうか。とすると、一人暮らしの人には余剰があって、3人以上の家族の人はマスクの争奪戦になりますよね。

確かに、布製マスクは、既に新型コロナウイルスに感染している場合には菌を撒き散らさないために効力を発揮するかと思います。つまり、感染者が増えてからの予防策ではないかと思います。今は、感染者を増やさないように努力するときではないかと思うのですが、実は既に感染が蔓延しているということでしょうか。


都市封鎖11日目:4月2日(木) 感染者数:285人(前日比27人増)
午後の記者会見で、ホノルル市長が外出時の布製マスク着用推進を発表しました。医療用マスクは、医療関係者が優先的に使用する必要があるので、一般市民は洗濯ができて繰り返し使える布製マスクでいいそうです。マスクを着用したからといって、新型コロナウイルスに感染しない訳ではなく、感染者が感染を拡散しないため、また目や鼻そして口を菌のついた手指で触って感染しないためのマスク着用です。ホノルル市長は、お気に入りのシグ・ゼンのマスクを使っての記者会見でした。

数日前から、お裁縫が得意な人たちが、布製マスクを作って病院や医療機関に寄付したり販売を始めていました。

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私も、ちょうど友人がマスク販売を始めたことをインスタグラムで知ったので、10枚購入しました。私のソーシャルメディアや名物編集長が主宰しているハワイ在住の有志が集まっているフェイスブックページにも掲載しておきました。


都市封鎖12日目:4月3日(金) 感染者数:319人(前日比34人増)

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スースケースの奥にあったマスクを取り出してきて、今朝はマスク着用でウォーキングしましたが、やっぱり暑いですし、なんとなく息苦しさを感じました。少し日が高くなってくると、太陽が眩しくてサングラスをかけたいのですが、マスクとサングラスを一緒に着用すると、どうも危ない人感がいっぱいになるので、ちょっと迷ってしまいます。

今日の午後の記者会見で、米国疾病管理予防センターからの指示の下、ハワイ州知事が、全州民の任意のフェイスマスク着用の方針を発表しました。

そして、トランプ大統領も同じように任意のフェイシャルマスク着用推奨を発表。ただ、トランプ大統領自身は、マスクは大統領に相応しくないという理由で着用しないそうです。推奨しながら実行しない大統領発言が、どこまでアメリカ人に響くのかは疑問です。


と、今までマスク着用文化が全くなかったアメリカでのマスク着用が始まりました。新型コロナウイルス感染者には症状がない人もいるので、マスク着用は当然と言えば当然のことですが、あくまでも「強制」ではなく、自由意志の「任意」であるところが、アメリカらしいと言えばアメリカらしいのかもしれません。


(このブログは2020年4月3日にyumiozaki.comに掲載されたブログの転載です)

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