映画リポート〜『劇場版名探偵コナン緋色の弾丸』を観て〜
私が生まれた年に連載が始まった『名探偵コナン』。物心がついた頃には漫画を読みふけり、毎週月曜19時半を楽しみにしたものです。土曜日に移り、ちょっと絵が変わってからあまり見なくなってしまいましたが、劇場版は例え和葉が突然競技かるたの強豪になったり、京極さんがスーパーサイヤ人になったりのとんでもない展開でも毎年観に行きました。昨年は緊急事態宣言が出ていて公開どころではなく、1年越しの『緋色の弾丸』公開となり、私も休みが重なったので観てきました。
まずワールドスポーツゲームスはストーリーにはほぼ関係ありませんでした。例によって?鈴木財閥が出資しているというのが設定上重要なんですよね(笑)
時速1000キロで東京の芝浜駅と新名古屋駅を25分で結ぶという真空超伝導リニアなる乗り物が登場し、むしろ主戦場はこちらでした。リニア中央新幹線の始発駅はリアルには品川(本編中川品)の地下深くですが、羽田空港アクセス線の始発になる予定の芝浦(芝浜)に駅があることになっています。普通に公開されていればアクセス線の認可前に予言していたかもしれない設定であり面白いと思います。そして新名古屋駅。名鉄か!(笑)すみません、ローカルなネタでした。
ただ『時計じかけの摩天楼』で東都環状線を退避させた結果降りたっているはずの元太が「芝浜駅ってどこ?」と聞いたり、磁場の関係上線路には入れないはずなのに赤井さんが立って狙撃したり、弾が貫通したら走行に影響が出ると再三問題提起したのに、赤井さんが外から貫通させても車両はびくともしなかったりツッコミたいところは結構ありました…
リニアは無人走行になり蘭ちゃんたちは東海道新幹線で東京に戻るわけですが、なぜN700系は濃紺でしかもリニアと並走できちゃうのでしょう…?座席モニターは将来的に新幹線に導入されるかもしれないので面白いと思いましたが(笑)新横浜で犯人を取り逃がすのですが、以前の小五郎さんなら神奈川県警の横溝警部に連絡したんでしょうが、今はすぐ目暮警部ですね…しかも警視庁メンバーも警部と佐藤、高木の両刑事のみ声の出演で、すっかりFBIとMI6の天下になってしまいました。コナンくんが超人化し過ぎて日本警察では協力できないレベルなのでしょうか(泣)
ところで今回のゲスト声優は平野綾さん、鈴村健一さんそして浜辺美波さんでした。大体配役はすぐ分かるのですが、最初のお二人は本職なので言わずもがなですが、浜辺さんがすごく自然で最初は気づきませんでした!結構長尺のセリフもすらすらこなしていて、棒読みになっているところはほぼありません。過去これ程違和感なかったのは『純黒の悪夢』の天海祐希さんくらいだったと思います。本当にすごい😲
将棋ファン的には羽田名人の名古屋遠征の理由が将棋会館の建設の打ち合わせと対局というのは、リアルで良かったと思います。藤井聡太二冠の活躍により東海地区にも会館を作る話はリアルにありますし、タイトル戦が名古屋で指されるのも珍しい話ではないからです。由美さんはただの酔っぱらい扱いになっていてなんか可哀想な気もしましたが…
ということで設定は非常に細かく、超伝導が起こすクエンチなど結構勉強になる知識もあった今回のコナンですが、推理アニメの域はもう出てしまったようです😥ラブコメ要素も少なく、何より赤井秀一のカッコ良さをもっと存分に引き出して欲しかった…『ゼロの執行人』は推理とかは無茶苦茶だったけど安室さんのカッコ良さは引き出せてただけに対の映画としては少し物足りなさを感じています。
オールドファン的には、最近のコナンは話が膨らみ過ぎて収拾がつくのか本当にヒヤヒヤしながら見ています。今回あまり顔を出さなかったメアリーだって原作にはガンガン関わってくるでしょう。羽田名人と由美さんの関係だって描かないといけないし、名探偵コナンを「終わらせる」というのはなかなか難しいのだろうなと実感させられた今回の鑑賞でした。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。本音は「もう少し推理して!」というところでしたが、久しぶりのコナン映画を劇場で観られて良かったです。極力ネタバレしないように書いたつもりですが、どうだったでしょうか?
来年は…コアなファンじゃなければ多分「誰この人たち?」ってならないか心配な気もしつつ、警察学校の面々の活躍を期待し筆を置こうと思います。
面白いアニメ聖地があれば教えてください。読者様がお望みでしたら、どこでも駆けつけ取材したいと思います。