対談企画 第五回目 ANA Universal MaaS(ユニバーサルマース) 誰もが移動できる世界へ 移動障害のない街づくり
こんにちは
高槻市議会議員の西村ゆみです。
ボイシーでいろんな方と対談をしております。
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発信しました内容、耳が不自由な方にも読んで頂きたいので、noteからも同時に発信しております。
※一部視覚で読みやすいように、表現を訂正しております。
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今日は ANA(エイエヌエー)さんでUniversal MaaS(ユニバーサルマース)を産学官連携で推進されている大澤信陽(おおさわのぶあき)さんと、北嶋夢(きたじまゆめ)さんをお迎えして、移動障害のない街は、「やさしい」街づくりにつながるのか?のお話を伺っていきたいと思います。
Universal MaaSとは、障害や高齢など、何らかの理由により移動をためらってしまっている方々(移動躊躇層と定義)向けのサービスを通して、誰もが移動をあきらめない世界の実現を目指して作られたものです。
西村:早速、お話を伺っていきたいと思います。宜しくお願いいたします。
大澤さん:ANAの大澤と申します。公私ともに誰もが移動を諦めない世界へ魂を注いでます!!!!
今日、ボイシーを聞いて下さっている皆様も巻き込み、国内だけでなく、海外含めて、世界中どこでも行きやすい世界を作っていきたいと考えています!!宜しくお願い致します!!
北嶋さん:ANAの北嶋と申します。私は昨年の3月まで客室乗務員として乗務しておりました。昨年度の4月から大澤と共に活動しております。ユニバーサルマース、この後いろいろとお話させて頂きますが、誰もが移動を諦めないという切り口で、また、地域それぞれの移動課題が異なってくる視点で、お伝えしていきたいと思います。
西村:ありがとうございます!それでは早速お聞きします。大澤さん、ユニバーサルバースとは具体的に何でしょうか?
大澤さん:ユニバーサルマースとは、誰のためにやっているかと申し上げますと、何らかの理由によって移動にためらいのある方々、移動躊躇層向けと申し上げているのですが、それは障害のある方、高齢の方だけではなく、少し筋肉痛になって昨日よりも歩きづらいとか、ペットを飼っているなど、移動障壁を取り除いて皆さんが行きたいところに行けるという世界を作っていくサービスです。実証実験を4、5年しておりますがdoor to doorの障壁は、人によっても地域によっても様々です。最初のプロジェクトメンバーにたまたま車いすユーザーがいまため、車いす目線で移動障壁を減らしましょうと取り組みをしました。その中で、課題は2つに集約されている事に気が付きました。1つ目は、ANAのような公共交通機関が担うような移動のシーンと、それがないシーン、いわば徒歩で移動することです。この2つの課題を解決するサービスとして、公共交通機関の「一括サポート手配」と徒歩シーンを解決する「ユニバーサル地図ナビ」、その2つを実証実験を通じて社会実装していく、誰もが快適に移動を楽しめる世界の実現を目指しています。なので、最初は車椅子ユーザー目線で始めましたが、それを徐々に広げていき、すべての方々が移動しやすい世界を作りたいと頑張っています。
西村:障害者だけが移動に障壁があるわけではないということですよね?
大澤:そうなんです!
西村:私たちは生きている限り、どこかで必ず移動障壁が発生すると思うのですが・・・そのあたり、北嶋さんにご意見を伺ってもいいですか?
北嶋:はい。客室乗務員時代、いろんな方がご搭乗されるため、お手伝いをしておりました。急に骨折をしてしまった方から、ご旅行で大きな荷物を持っている方など、移動に障害、障壁を感じてサポートを依頼される方もいます。なので、どんなところに障壁を感じるかというと、大澤が言った通り、障害のある方だけではなくて、誰もが生活をしていると直面するものだと思います。上手く回避しながら生活しているのかなと思っています。
西村:先ほどと重複するかもしれないのですが、ユニバーサルマースの具体的なサービス内容について聞いてもいいですか?
大澤:はい、私たちは2つのサービスの社会実装に取り組んでいます。と申しますのも移動を考えた際にdoor to doorに関して私たちのような交通事業者が担うエリアと、徒歩のシーンその2つに分かれます。前者のほうは、各事業者のサービスを利用する際、特にサポートが必要な方は各交通事業者に自身の特性を伝えなければいけません。車椅子の方でしたら車椅子のサイズや歩行の状況です。それが手間で移動を諦めてしまうのですよね。私たちサポートは必要ないという方も各事業者事に予約をしなければなりません。すごく課題だと思ってます。そこを一括でサポートできるような、予約ができるサービスをまずは私たちは作ろうと。それが一括サポート手配です。一方で徒歩のシーンは、サービスや情報が不足していることが多々あります。にも関わらず、自立的な移動が求められています。そういったところをまず補完するには、情報がバラバラなものを統合して見やすくする必要があります。どの地域に行っても同じような情報を受け取れることができないか?と。そこからユニバーサル地図ナビが誕生しました。一括サポート手配とユニバーサル地図ナビをdoor to doorでつなげて、誰もがストレスなく移動を楽しめる社会をつくる、そのような流れで社会実装を目指しています。
西村:娘が全盲で、移動にするのは困難のため大変興味があります。
大澤さん:見えない・見えにくい方々とは私もよくディスカッションさせて頂くのですが、家から一歩出た際に、信号機が移動障壁の1つだというのがあります。
西村:あーもう、めっちゃ分かります。
大澤さん:解決するためにはどんなソリューションがあるのか?とディスカッションをしてます。人によって課題解決の方法が異なれば、どんなサービスがほしいのかが違う。そこをどう課題解決するか?大変なのですが、わくわくしながら取り組んでいます。
西村:解決できる仕組みを作って下さっていることを初めてしまったときは私もわくわくしました!
大澤さん:いろんな課題解決方法を作っている方はたくさんいます。しかし、みんな認知度が低いとか、知られていないとか、課題があるんです。もちろん私たちの取り組みであるユニバーサルマースもそうです。そういう方々とディスカッションをして、あるべき姿を目指そうねというディスカッションを何度もして、それがすごく楽しい。当然、視覚障害の方々もディスカッションにまじりあって、より良い世界を目指しましょうという流れが日本にも生まれてきています。未来は明るいと思って取り組んでいます。
西村:ちなみに自治体さんでもユニバーサルマースが導入されていると伺ったのですが詳しく聞いてもいいですか?
北嶋さん:はい、自治体での導入事例では、札幌市さんと横須賀市さんで先ほど説明したユニバーサル地図ナビを利用いただいています。交通事業者がいる場所の移動っていろいろめんどくさいことがありますが、人はいるので何かしら助け合っていける部分があります。ただ、交通事業者がいない徒歩区間になると、誰かにサポートを依頼する場所がありません。そんな時に自立的な移動をサポートできるナビとして、ユニバーサル地図ナビを利用いただいてます。具体的には、最短ルートに加えて、車いすユーザーの走行ログ
、これまで通った軌跡、公共情報で自治体さんが発信するバリアフリー情報、そして利用者が集めたバリアフリー情報、それをいっぺんに見ることができるというバリアフリー情報になります。
西村:先ほど見させてもらったのですが、行政の方たちが提供する「ここにトイレがあるよ」という情報と、利用者目線の「ここのトイレが綺麗だよ」という情報と、両方の視点で快適な移動を目指されていることが、すごい便利!素晴らしいものを開発された方々なのだと思いました!!
北嶋さん:ありがとうございます。例えば電車が遅延した際に、私たちはどう移動しているか?と自分の行動を振り返った時に、アナウンスされる駅員さんの情報と合わせてツイッターとか(現X)、周りの方々がどこに行っているのかな?というユーザーの情報をキャッチしながら自分の行きたいところまでどうやっていくか?という判断をしています。それと同じで、公共情報だけだと確かに正確な情報なのですが、それだけでは足りない部分もあったり。かといって利用者が集めた情報だけだと、どこまで正確なのかが分からない。その2つを一緒に見るということで、自分が行きたいところであったり、やりたいことにアプローチできる一つのソリューションなのではないかと思って地図ナビを開発しています。
西村:ユニバーサル地図ナビ、高槻市にも導入したいので頑張って働きかけたいと思います!
大澤さん:お願いします!!!
西村:この流れでお聞きします!!私の政策が高槻のやさしいとは何か?とやさしいをいろんな視点から考えております。ずばり、移動障害のない社会というところで、物理的な障害を解決すれば、やさしい街は成立すると思いますか?
大澤さん:まず、物理的な障害をなくすのはとても大事だと思っています。ただそれだけではダメで、物理的な障害は人によって違います。完璧になくすのは難しいという前提でお話しますと、最近よく言われている心のバリアフリーがあります。気軽に「どうしたの?何か手伝うことない?」と声をかけたり相手を気にする気持ちが大事だと思います。それって共生社会を目指しましょうといろんなところで言われていますが、身近に例えば車いすユーザーだったり視覚障害のある方がいるかどうかだと思っています!!
人によってそういった想像力すごく高まると思います。何気ないシーンで
も、考えますよね?
西村:はい
大澤さん:ユニバーサルマースを続けている中で、パートナー46社、産学官連携でずっとやっており、加えて移動躊躇層という観点でいろんな障害を持っている方々、全員私たちは本当は何らかの障害を持っていると思っていますが、みんなで混ぜこぜになってプロジェクトを推進していく中でまずは相手を知ろう、相互理解しよう、そして相互探求をしましょうを大切にしています。相手の事に興味を持って知ろうと。そのために、コロナ前は飲み会などして本音トークをしてました。そこから関係性作り。相手のことをさりげなく気遣いしていると思います。なので、移動障壁を考えたとき、物理的なものも大事ですが心のバリアも取り除かなければいけません。先ほどの地図ナビのような情報のバリアもあり、ルールのバリアもいっぱいあり、そこのルールは西村さんのような政治の世界の方々に取り除いてもらって!!バリアはたくさんありますが、1つ1つ潰していけば、よりよい社会、やさしい社会になると考えてます。
西村:心のバリアフリー大事ですよね。北嶋さんのご意見もお聞かせ下さい。
北嶋さん:この事業をしているといろんな方々に出会えるので、そういったいろんな視点があるのだという前提で考えるのが心のバリアフリーにつながるのだと思います。また、先ほどの情報のバリアフリーもすごく大事だと思っています。心のバリアフリーは大事だけど、そこまで人と関わりたくないという方も世の中には一定数いると思います。そんな時に人との関わりではない、データとか情報とかで自分が自立的に移動できる世界を作っていくことが、私たちの責務なのではないかと感じています。
西村:有難うございます。最後に一言お願いします。
大澤さん:誰もが移動を諦めない世界へというものは、私一人やANA1社だけで目指すことはできても達成することはできません。皆様と一緒に作っていきたいと考えています。やはり私もいつかおじいちゃんになったとき、死ぬ直前まで移動し続けたい、楽しみを続けたい人間です。そのためにも、圧倒的な当事者意識をもってこの事業を推進していますので、日本全国だけでなく世界にも広げていきたいので一緒に作っていきましょう!
北嶋さん:移動が目的ではないと思います。行った先で誰かに会ったり楽しんだり、そういった世界が広がっていくのが大事だと思います。大澤さんも言った通り、航空会社が提供するサービスだけを磨いていっても実現しないと思うんです。移動する方たちが移動先で楽しめる社会というところを見失わずにやっていければと思っています。
西村:到着地のその先こそ、移動する方々にとって楽しみでありますし、強い移動したいというモチベーションに繋がりとても大事ですよね?みんなで一緒に考えていくことが大事と改めて思いましたので高槻市で啓発をしていきたいと思います!
まだ第二回目、第三回目と話していきたいと思っておりますので、宜しくお願いします。
大澤さん:高槻市まで伺います。
ありがとうございました
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