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常連店 ~福岡の着物屋さん~

こんにちは。
yumiです。

私が通うのは、飲食店ばかりでもないのです。
しつこいのが持ち味の私。
気に入った店には、本当に何度でも行きます。

最近気づいたんだけどね、私、「大好き」って言葉でうまく言えない代わりに、ずっと通い続けるという行動をしてしまうみたいです。
数年通い続けて、「もしかして、私、好きなのかも」とか、うっすら気づくという時差もすごい。

もうさ、そろそろ、一回目から、大好きって言いたい。
どうせ最初っから、直感で、好きってわかってるんだから、噛みしめて確かめる数年の意味が分かんなくなってきた。
なんといっても、私は感覚派で直感派なのだから。

というわけで、この着物屋さんの事も、もちろん大好きです。
何年も通っているもの。

福岡に来たばかりの頃、道を歩いていて見つけた店。
着物のレンタル、着付け、販売をしている小さなお店。

東京に住んでいる時に、お友達のおねぇ様が和服が好きな人で、たくさん浴衣も持っていたし、自分で着物も着られる人だった。
そのおねぇ様が、浴衣くらい自分で着れるようになっとき~ということで、着付けの方法を教えてくれたことがある。

んで、一緒に浴衣で東京湾の花火を見に行ったり、浴衣で食事に行ったりと、浴衣を着る機会を提供してくれた。
ハードルが少しでも下がると、着たくなるのが、浴衣。
もともと洋服が好きで、花柄も大好きな私は、洋服では着れないような柄を着れるのが嬉しかった。

そこから、私は、やっぱり、着物が好きだな~って、うっすら思っていた。
でも、よ。
ほら、さっき書いた通り。
一回目から、大好き、なんて言えない私です。
一度や二度、浴衣を着てお出かけした程度の私が、浴衣が好きだとか、着物が好きだとか、言っちゃいけないと思ってた。
ここにも完璧主義の片鱗、自分を下げる癖の片鱗が、見え隠れしている。
見え隠れどころか、見えまくってる。

この着物屋さんは、着物の着付けやレンタル、販売だけでなく、カード占いもしていた。
最初にこの店に行ったのは、占いができると書いてあったからだったと思う。
入り口がなんになるかなんて、わかんないよね。
着物が好きだとまだ言えない回数の私は、占いなら大好きだからと、店の敷居をまたいだのだ。

よくしゃべる底抜けに明るい店主が使うカードは、着物屋さんだからなのか和風のカード。
私の使うタロットとは全く違って、興味深かった。

浴衣を最初にレンタルしたのは、たしか、まだコロナ禍だった。
仲良くなったばかりの近所の友人が、東京に転勤になったので、思い出作りに浴衣で紫陽花苑に行きたい!と、送別される人の好みではなく、私が楽しみたいからという理由で企画した会。
女子が3人なら浴衣も紫陽花苑もきっと華やかで楽しいだろうと思った。
思い出作りに写真もいっぱい取りたかった。

一度占いでお邪魔しているので、浴衣をレンタルしてみたい、と、すんなり言えた気がする。

この着物屋さんは、たくさんの浴衣の中から、ゆっくり選ばせてくれる。
試着もさせてくれて、顔うつりを見たり、帯とのコーディネートを提案してくれたり、たくさん悩ませてくれる。

選ぶ過程を楽しむのも、女子の特権なのよ、と教えてくれた。

んで、私達3人は、ギャーギャー言いながら、勝手に自分の好みの着物を友達に着せてみたり、ネタになりそうな色の浴衣を試着したりと散々騒いで、結局最後は自分の好きな浴衣を選んで、それぞれ着付けてもらった。
帯もヒラヒラにしてもらったり、リボンにしてもらったり。
普通に洋服を着るよりも格段に楽しかった。

着物のレンタルだけでなく、着物の楽しみ方、今を楽しむ力を教えてくれる着物屋さん。

悩みすぎるのは良くない事、早く決めないのは迷惑な事だと思っていた私は目から鱗。
悩んでいる今この瞬間が楽しいんだよって、友達同士で悩むのがまた楽しいんだって言ってくれた。

そして、いつの間にかその楽しむ過程も写真に収めていたりする。
選んで、提案して、着付けして、写真も撮って、ものすごい技術で私たちを楽しませてくれるプロの着物屋さんだ。

これがきっかけとなって、私はこの着物屋さんに、ことあるごとに、通うようになった。

もちろん今年も。
この着物屋さんで浴衣をレンタル。
レンタルの良さは、いつも違う浴衣を着れること。気分で浴衣を選べる事。選ぶ楽しさ、悩む楽しさ全部感じられる事。

私はいつもだいたい気になる浴衣を3つくらいピックアップする。
そこから、最終的に一つに決める。
お祭りの時は、お店の前でアクセサリー屋さんや整体屋さん、占い屋さんがコラボでイベントしてることもあり、私は1人で浴衣を選びきれないので、全員を巻き込んでみんなで決める。

私のために、皆さんのお手を煩わせて申し訳ない気持ちがひょっこりする事もあるけど、みんなも私と一緒に悩めるのが楽しいはず!と、姫マインドを持ち出して、楽しむことに集中する。

毎回面白いなぁって思うのが、だいたい全員一致で同じのを選ぶんだよね。
毎回ちゃんと導かれる感覚。
まぁ、そろってるのが、全員、感覚派直感派だからなのだろうけど。

福岡に住んでいたのが7年。
この着物屋さんに通い始めてまだ数年だけど、まるで子供の頃からずっと知っているかのような感じ。
初宮参りも、七五三も、成人式もこの着物屋さんだったっけ?って錯覚するくらいの心地よさ。

これからもずっと。
何かのイベントがあってもなくても、着物を着るなら、ここだよね、と思うお店なのだ。


ここまで読んでくださってありがとう。

それでは、また。


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