焦がれる

初めて恋をしたのはいつだっけ?

恋人ができた時ではなくて、初めて誰かを好きになった時だよ。初恋って何だっけ?

ほんのり覚えているのは色素が薄いサラサラ茶髪の男の子。名前は『さきやまようへい』くん。小学校低学年のとき。

中学生の頃は私の暗黒時代で、自分は誰かを好きになる資格なんてないし…誰かに好きになってもらえるとは思えなかった。ド近眼で分厚いメガネかけてて人見知りで友達も少なくていじめられっ子。毎日学校にいくのがつらくて、勝手に早退して家でおばあちゃんと一緒にお昼ごはん食べながら「笑っていいとも」観てたなあ。近くのレンタルビデオ屋さんで映画を何本もレンタルして、それ観ながら毎日をやり過ごしていた。まあ、それが今の私の基盤になっているんだとも思う。

高校生になって、やっと人生が楽しくなって淡い恋をしたりもしたから、今思い出せる甘酸っぱい思い出って高校生の時なんだろうな。付き合ってないけど好きなのをわかってもらいたくて、ちょっとスキンシップ頑張ってみたり、用もないのに偶然装ってみたりしてたよなぁ。その人に言われてずーっと忘れられない言葉がある。中学生の時の暗い自分を捨てたくて、いつも明るく笑って盛り上げ役に徹するようにしてたんだけど…『○○(私の名前)は甘えん坊だな』って言われて。なんかさ、ほんとは弱くてダメな自分を見透かされたような気になっちゃって…。その後、もっともっと余計に好きになっちゃったんだけど、高校卒業する頃には彼には彼女ができちゃった。切ないけど忘れたくない思い出だったりする。好きだったなぁ…ほんとに。


なんで急にこんなこと思い出したかって、ラジオで甘酸っぱい恋の話を聞いたから。マカロニえんぴつのはっとりさんが学生の時に友達だった女の子に告白されて、YESなら机の上に鉛筆を…NOなら消しゴムを置いといてって言われたと。そして、その時はっとりさんは悪戯心で鉛筆みたいな形のノック式の消しゴムを机に置いてしまって…それからその子とは喋らなくなってしまったと。なんか、めちゃめちゃ切なくない…?遠目から鉛筆かと思って近寄って見てみたら消しゴムだった彼女の気持ち…しかもどっちかはっきりしないし。

若かったはっとりさんは、友達からの告白にどうしていいかわからずにそうしてしまったんだろうけど…それによって彼女を傷つけてしまったことをめちゃめちゃ後悔していた感じだったな。こういう経験で痛くて切ない恋愛ソングが書けたりするんだろうね。


この流れでマカロニえんぴつじゃないのはアレなんだけど、最近は毎晩これ聴きながら眠ってる。沁みる。

――焦がれてるのは君のせいだよ  口に出すと消えそうな  惨くて消えない魔法――

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