にわか倹約家の私が自分のためにデパコスのアイシャドウを購入した日〜自分のメイク•コスメ事情を振り返る〜
最近の10代の女の子たちは、友人の誕生日にDiorのルージュをプレゼントするそうです。
仲良しの数人で割り勘して、お金を出し合ってお店で購入するのだとか。
中学生の女子生徒からDiorなんてブランドの名前が出た時点ですでに度肝を抜かれたのだけど、誕生日プレゼントとしてデパコスをチョイスするなんて…。肝がぶっ潰れたことを今でもよく覚えています。
最近の中学生、マセすぎではないでしょうか…?
自分の中学時代、友人の誕生日プレゼントに何を選んでいただろうか…。文房具やキーホルダー、ハンカチとかその辺を選んでいたように記憶しています。uniのアルファゲルのシャーペンさえ選べば失敗はなかったような…笑
「最近の子」というフレーズを使うだけで、いかに自分が若くなくなったのかを実感してしまうのですが、その最近の子たちはメイクを始めるのも早いようです。小学生の頃からメイクに興味を持ちだしてお休みの日だけお化粧したりだとか、中学生もお休みの日に友達と出かける時に…、高校生になると女の子によっては校則にひっかからないくらいのスクールメイクを嗜む子も出てきたり…。
私は10代の頃はメイクやおしゃれに疎い方でした。塗って日焼け止め。シャカシャカ振ってから塗る1番安いやつを愛用していました。
高校を卒業し、大学入学をあと数日後に控えていた3月のある日。一向に色気づかない私のことを見かねた母親が「あんた、4月から女子大生になんやろ?お化粧くらいせんでいいの?」と言ってきました。
「えー、面倒くさいし、肌に色々塗ったくる方が肌に悪そうじゃん?」
とせっかくの母親からの気遣いに対してそんなことを言ったような…。
そのまま有無を言わさずドラッグストアへ連行されました。そこで、基礎化粧品と最低限のコスメを買い与えられたのです。
「田舎の芋娘に何を塗ったくろうが、そんなに印象が変わるわけがないやろ」
そんなふうに思っていたので、買い与えられたコスメは入学後もそんなに出番はなく、気が向いた時に使う程度になっていました。
講義の日は、日焼け止めの上にパウダーファンデーションを塗り、アイシャドウを軽く瞼にのせるくらいの軽いメイクで済ませていました。
しっかりメイクをするようになったのは、友人に誘われて始めたブライダルの接客のアルバイトがきっかけでした。
結婚式場での接客なので、メイクは「絶対」だったのです。
アルバイトの指導をしてくれた部長から、「すっぴんで出社するなんて、自分の家の散らかった部屋を人様に見せびらかすようなもの。」と、指導され、友人にアドバイスをもらいながら渋々メイクをしていました。
最初こそ「面倒だなぁ〜」と思いながら支度をしていたのですが、ブライダルのバイト先には美意識の高い人たちが多くて、コスメや美容について話をする機会も増えていきました。
そんな環境に身を置いていたせいか、メイクに対して「面倒臭いもの」から「楽しむもの」へと意識が変わっていきました。
贅沢できるほどお金に余裕があったわけではなかったので、ドラッグストアで買い揃えられるものを予算内で集めるようになっていました。
それでも、今のように美容系YouTuberなんていなかった時代なので、化粧下地なんてつけない(そもそも必要だと知らなくて買い揃えてなかった)ままファンデーションを直に塗るという、今の自分ではあり得ない工程でメイクをしていました、、、笑
社会人になってからのメイクは必須。それがたとえ教職でも。同僚や上司の中にはメイクをしていない人もいたのですが、ブライダルのバイトで刷り込まれた「 No more どすっぴん」精神はアルバイトを辞めて数年経っても枯渇することはありませんでした。
(いわゆる盛り耐性がない顔なので、シミやくすみが隠れて目元も少し存在感が出る程度のメイクです。)
朝は時間に余裕がないのでメイクは時短。そして揃えていたアイテムも必要最小限。
1つのアイテムを使い切ったら買い足す。今思うとこの頃の方が無駄のない買い方をしていたものです。
現場に出てみると、休憩時間があまりにもなくて、夜帰宅すると朝に施したメイクがドロドロになっている…仕事中、昼間にメイクなんてのんびり直す時間はない!と困っていた時にプリマヴィスタの皮脂崩れ防止に出会います。
これを機にパウダーファンデーションもプリマヴィスタに買い替えました。
驚いたことに、使ったその日から化粧崩れがほとんど気にならなくなったのです。
「化粧下地って…めっちゃ大事やん…!!」
ということに20代半ばに初めて気づくという遅さ。
この頃、貯金と節約を頑張っていたのでプリマヴィスタのアイテムは決して安くはなかったのですが、自分の生活の中になくてはならないものになっていました。
数年後、旦那さんと結婚して、挙式のための貯金を頑張るべく再び倹約モードになっていた時期がありました。
「もう、プリマヴィスタで揃えられない!!」
と思ってお次に手を出したアイテムがセザンヌの皮脂崩れ防止下地でした。
使った時の衝撃を今でもよく覚えています。
プリマヴィスタの何分の1ほどのお値段なのに、同じくらい崩れない!!
なぜもっと早くこちらのアイテムに切り替えなかったんだろう…と後悔しました。
パウダーファンデーションもセザンヌに統一しました。セザンヌは学生の頃パウダーファンデーションを500円くらいで売っていて、金欠の時に何度かお世話になった恩人のようなブランドです。
自分の中のセザンヌ愛が深まるばかりでした。
しかし、このアイテムが使えなくなる日がやってきました。
乾燥肌だったため、冬場になると肌がガサガサになってきたのです。
そこから保湿系の下地に手を出し、もっと自分の肌質に合うものはないのかとYouTubeで情報収集するようになっていきました。
結婚式も無事な終えて、貯金&節約疲れもあったせいか、この頃からコスメ収集癖がついてきます。
「プチプラだからいいでしょう!」
「デパコス1個買うくらいなら安くて何個も試せたほうが楽しい!」
と、気になるアイテムが発売されるたびにドラッグストアへ駆け込み商品が陳列されているかチェックしに行っていました。
仕事帰りのコスメ物色が、適度なストレス発散にもなっていたように思います。
ポイントメイクのアイテムはそれぞれ一つずつ。なんてマイルールはいつの間にか廃れてしまって、アイシャドウパレットが複数枚、眉マスカラも数本…と収納場所がだんだん狭くなっていきました。
しかし、不妊治療を始めたことにより、またお財布の紐が引き締まるフェーズがやってきました。
買った割に出番がないまま使用期限を迎えたコスメたちを前に「安物買いの銭失いとは自分のことか…」と過去の自分に呆れながら断捨離の作業を進めました。
それでも気に入ったものは捨てきれず。
すっかり人並みにコスメ好きになってしまったことを自覚しました。
妊娠してからも定期的に節約モードになるタイミングがやってくるのですが、節約にストレスを感じると散財モードになることもしばしば。
結局プラスマイナスゼロ、といった状態に。
出産したら、子どもファーストになって自分のための出費が減るだろうか…と産後の自分の金遣いに思いを馳せます。
…思いを馳せていたのに
「ルナソルのアイカラーレーション15が欲しい…!!!」
私の心はなぜか今まで買おうとすらしたことがないデパコスのアイシャドウに想いを馳せるようになっていました。
ここ数年流行っていたカラーメイクに飽きてしまって、ベーシックなブラウンアイシャドウが気になり始めていました。勉強の合間にプチプラからミドルコスメを調べていたのですがしっくりくるものが見つからず。
そんな時に見つけてしまったルナソルのアイカラーレーションの15番でした。
「今このタイミングで買っても…、産後にメイクなんて楽しむ暇なんてない…!!買わない方が絶対に賢い!!しかもお値段高いよ!!」
とど正論を囁く内なる自分。それに対して
「産後に自分への投資ができなくなるなら今のうちに手に入れて楽しめばいいじゃない?妥協して安い違うもの買っても、もやもやした気持ちでそのコスメを使って、結局ほとんど手が伸びそのまま捨てちゃうほうが勿体無いのでは?」
と物欲に負けそうな私の背中をもっと強く推してくる内なる自分の囁き声が脳内に響き渡ります。
資格試験を3日後に控えていたのですが、私はいつの間にか車に乗り、最寄りの百貨店へと向かっていました。
「タッチアップしてもらって、壊滅的に似合わなければあきらめがつく!」
と思ったのです。
数ヶ月ぶりのデパコスコーナー。
友人や義母さん・義妹さんにプレゼントするために買ったことはあるのだけれど、自分のために買ったことは一度もありませんでした。
自分の顔面なんて、プチプラで十分。
と基本的に思っているからです。
実際にアイシャドウパレットのテスターの前に立って、お目当ての15番をまじまじと眺めてみました。
「デパコスのアイシャドウパレットって、でかいな…。」
いつも愛用しているセザンヌのパレットより2回りほど大きいし、パッケージがゴールドでかっこいい。
デザインのかっこよさに感心していると、それまで別のお客さんを対応していたBAさんが声をかけてくれました。
「お待たせしました。」
とにっこり微笑むBAさん。
「えっと…。」
と女子慣れしていない男子中高生みたいに、もじもじとしたリアクションをしてしまいました。
何て、言えばいいんだ…!
アイカラーレーション15をください!と度直球で言っていいものなのか。いや、でもタッチアップしてもらいに来たからいきなりくださいはダメでしょ!と頭の中で次に発するべき言葉を考えます。
少し間をおいてから
「えっと、SNSで見て、ずっとこの15番が気になってて…。それで実物はどんな発色なのかな〜、って思って見に来たんですけど…。」
と言うことができました。
「あぁ、これ、人気なんですよ〜!」
と目尻を下げて優しく微笑むBAさん。この後お時間ありますか?と聞かれ、そのままタッチアップしてもらうことになりました。
タッチアップ中は色味や塗り方の説明をしてくれつつ、そのBAさんが妊婦だった頃と産後の子育ての話を聞かせてくれました。
わかりやすく妊婦体型になってから、子育てが落ち着いた年齢の女性たちに、ご自身の産前・産後の話を聞かせてもらうことが増えました。
どのお母さんも、優しい目と声で、生まれたばかりの我が子のことを話してくれます。
そういえば、自分の母親も、私が生まれた日のことや、入院中の話を何度も聞かせてくれたっけなぁ。
「お肌が白いですから、とてもお似合いですよ。」
とタッチアップが終わり、手鏡を差し出してくれたBAさん。
「わぁ…。…きれいです。」
15番のアイシャドウは溜息が出るほどラメが綺麗でした。
小粒で上品なラメが自分の薄い瞼の上に敷き詰められ、繊細な輝きを放っていました。
これが、デパコスクォリティ…!
劇的に目元の印象が変わったわけではなかったのですが、いつもよりも自分の目元が洗練されているように感じたのです。
恐るべし、デパコスパワー。
自分で同じように塗布できるか心配はあったものの、あっという間に購入する意思が固まってしまいました。
帰りの車の中で、また散財しちゃったなぁ〜、という気持ちよりも、良い買い物ができたなぁ〜、という気持ちが勝っていました。
購入したルナソルのアイカラーレーションのパレットが素敵だったからなのはもちろんですが、タッチアップしてくれたBAさんとの時間がとても楽しく、心穏やかに過ごせたことも良かったのかも知れません。
欲しいものを手に入れることができたので、資格試験もすっきりとした気持ちで受けることができました。本当は試験が終わって、これまで頑張ったご褒美に買うものなんだろうなぁ〜。
ご褒美を前倒しで買ってしまう自分の図々しさに呆れました。
産後の美容、コスメ事情が一体どうなっていくのかはわかりませんが、しばらくはルナソルのアイシャドウのパッケージを眺めるだけでほとんどの物欲を打ち消せそうです。
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