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【少子化対策】出産したら奨学金の返済免除について考える

出産したら貸与型奨学金の返済免除

これは、私が少子化対策でぜひ実現して欲しいと提案している政策です。
実は10年ぐらい前から少子化対策としてやって欲しいと言い続けているので、今回ようやく実現されそうで、とても嬉しく思っています。

若い人が奨学金の返済が重荷で子どもを産みたくても産めない、という状況なので、子どもを産んでくれたら「奨学金は返さなくていいよ。子育て頑張って」と社会で応援してあげる、とても良い政策ではないかと思っているので、これに対して、反対する人がいるというのにまずびっくりしました。

えつ!まじ?

っていう感じです。

そこで、ネットの記事などを見ながら、考えを整理してみました。

①「奨学金の返済があるから、子どもが欲しくても産めない」→「(国から)奨学金をチャラにするから子どもを産め」への捉え方の変換


「子どもが欲しいけど、奨学金の返済があるから無理」という若者に対して、「(子育てにはお金がかかるから)奨学金なんか返さなくていいから子どもを育ててね」と思っているのですが、
「奨学金をチャラにするから子どもを産め」という政府の圧力だと捉える人がいるようです。

私が「出産したら奨学金の返還免除」を思いついたのは、キッズドアの活動に参加してくれている大学生のボランティアやアルバイト、そして、奨学金を借りて大学を卒業し働いている若い人と接するたびに出てくる
「奨学金の返済があるので、結婚や出産は、奨学金が返し終わるまでは考えられない」という将来を諦める言葉からです。返し終わるのはいつなの?と聞くと30代後半ぐらい、という曇った顔を見て、「なんとかしてあげたい」と思いました。

若者の「結婚して子どもが欲しい」という夢を叶えるための「奨学金返還免除」であって、私の周りには、「奨学金を免除にしたいから結婚して子どもを産もう」というような若者は見当たりません。

ちなみに、子育てには教育費だけでも借りている奨学金を大きく上回るお金がかかるので、普通に考えれば「子どもを産んで奨学金返還免除してもらった方が得だから、子ども産もう」という人はいないんじゃないかなと思います。

子どもが産まれて、返還免除になった途端に離婚して養育も払わないような方々が出ないように、離婚した場合の養育費支払い義務みたいな仕組みは必要だと思いますが、イデオロギー闘争になってしまうのは残念です。

②出産するかしないかにかかわらず、奨学金の返済に苦しむ若者がいるのに、出産した人だけ返還免除は不公平

奨学金の返還免除は「子どもを育てるため」です。親の借金をチャラにするのではなく「子どものために使ってね」という主旨と捉えていただければと思います。
まさに、社会から産まれてくる子どもたちへのギフトです。

奨学金の返済に苦しむ若者が多いのは事実ですし、これも解決しなければならない社会課題ですが、「少子化対策」の観点から見れば、「子どもが産まれたら、子どものために返還免除」もありなのでは、と思います。

子どもが欲しくても授からない人への配慮はどうするのか?という声もありますが、申し訳ないけど我慢してもらうしかないのでは、と思います。
あちらにもこちらにも配慮をして、手を打つのが遅れれば、もう、何をしても間に合わなくなります。ずっと子どもが減り続けている日本では、時間との勝負なのです。


③最後に

児童手当の所得制限撤廃、いや、所得制限の撤廃よりも18歳までの延長だ、とか、多子への加算だ、とか
ひとり親への手当である児童扶養手当の増額だ、とか、
それよりも高等教育無償化だとか、
色々な少子化対策の案が出ていますが、個人的にはもう、なりふり構わず、すべて、どんどんやっていった方がいいと思っています。

大人が、「あっちよりもこっちを」とか「自分たちの方がより大変だ」とネット上で争っているような姿を見て、子どもたちはどう思うでしょう?

「自分たちは生まれることでお金がかかる、社会から歓迎されていない存在なんじゃないか?」と思わないでしょうか?
困っていても社会に助けを求めるたら、叩かれるから、声を上げるのはやめようと思わないでしょうか?

若者が子どもを産まなくなっている。子どもの自殺が増えている。
これは、若者や子どもからの静かなメッセージであり、子どもや若者に不寛容な日本社会への復讐なのではないかと感じます。

ちなみに、私は幸い結婚生活を継続しており、ギリギリのところで児童手当の所得制限にかかって特例給付のみでしたし、二人の子どももなんとか奨学金を借りずに大学を卒業させることができたので、この先、子どもが結婚して出産しても奨学金の返還免除もありません。
でも、だからといって、損したとも思わない、呑気な性格です。

息子の友達にも色々な環境で育った子がいると思いますが、もし、奨学金を借りていた息子の友達が、結婚して出産して奨学金が免除になったら、息子たちは「ずるいじゃん」ではなく「良かったね」と思うんじゃないかと思います。

日経新聞が行った児童手当の所得制限撤廃の世論調査では、18〜39歳の61%は所得制限の撤廃に賛成でした。実際に所得制限を受けている世帯は1割もないので、多くの若者は、自分や自分の子どもに恩恵がなくても、他人の子どもが幸せになって欲しいと思っているのです。
今の若者は優しいのです。
ちなみに高齢者には反対が多く、これは非常に残念でした。

社会全体で子どもを育てるというのは、「子ども」に予算を割くことです。財源論がさまざまに言われますが、「自分の子どもがいかに得をするか?」ではなく、みんなが「他人の子どもの成長を社会で支える」覚悟が問われているのだと思います。そのためには、高齢者や企業などの負担も増やしてもらわなければなりません。

可愛い子どもたちのために、何ができるのか?

少子化対策に優先順位をつけて争うのではなく、すべてを実行するために、個人も法人も何ができるのか、どうしたらいいのか?を考えることが必要だし、実現するためにどうするのか?に議論を進めた方がいいと思います。

子どもや若者、そして女性に不寛容な社会から、優しい社会に変わることが、少子化対策の最良で最高の方法だと感じます。


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