旅は最高の学校
世界旅行中のカズさん&ミミさん夫婦をご紹介します。
二人は青空自主保育でご一緒だったご夫妻です。活動をとても楽しんでいた様子でしたが、思うところあって一年で退会。二人のお子さんを連れて一家4人、働きながら世界を旅する「ワーカウェイ(Workaway)」(下記補足説明参照)を実行する決断をします。仕事を辞め、家を売却し、退路を断って旅立った彼らでしたが、新型コロナウィルスの大流行に巻き込まれ、南米に約一年足止め。波乱万丈の日々ですが、表情はとてもハッピー! 親子共に逞しく成長している様子です。
そんな二人がお子さんの教育について語った興味深い動画をアップしました。旅、人生、教育、夫婦関係などなど。今の心境をシンプルに力強く語ってくれています。ぜひご覧いただきたいなと思います。
一家の旅の様子はブログ「地球が遊び場~世界一周親子旅~」をどうぞ。
カズさん&ミミさん一家について
一家が出発した時、下のお子さんはまだ2歳でした。一見無謀なようにも見えますが、カズさんは消防士、ミミさんは看護師さんで、二人ともトレイルランニングが趣味。カズさんはサハラ砂漠を走る「サハラマラソン」に参加経験もある超人で、サバイバルに関してはスキル・経験・体力を兼ね備えたエキスパートです。決して、何の算段も無しに飛び出したわけではありません。念のため。
元々は老後の楽しみに世界一周旅行を計画していたそうですが、ご家族の死や青空自主保育の経験が人生の転換点となって、「今やる」という大きな決断に至ったそうです。「その決断は正しかったと思う日々」だそうですが、二人の顔を見れば言わなくても分かりますよね。
『ライフピボット /黒田 悠介 』(インプレス) の著者、黒田 悠介氏が最近Twitterでつぶやいていたのですが、転職や移住などで定年後に人生を方向転換するのはとても大変なのだそうです。先送りせず、若くて対応力のあるうちにやりたい事を実行するのは、ある意味正解かも知れないなと思います。真似はなかなか難しいですが・・・・・・。
それにしてもアンスクーリング(*下記補足説明参照)という言葉を初めて知りました。ちょっと驚きですが、アクティブ・ラーニングの進化系みたいなものでしょうか。子どもの興味に沿って、調べ学習から色々発展させていくのだそうです。これは親の力も試される学習ですね。
コロナ禍で急激にEラーニング化が進み、二人のような人たちにはむしろ後押しになったのではないでしょうか。遠隔学習も併用しながら「旅先で出会う人、自然、文化、体験・・・・・・すべてが学び」の言葉通り、今しかできない学びに専念する。そんな理想を実現できる環境が整っています。そう考えると良い時代ですよね。
動画の中で二人も言っていましたが、一家は公教育を否定しているわけではない事は強調しておきたいところです。
これは私から見た感想ですが、子どもたちはまだ小さいですし、海外転勤みたいなものだと思えば大した事ないのでは、と思います。豊かな学びを得る機会があるなら、迷わずやるべきです。
親のライフスタイルも多様化していますし、最近では教育の選択肢は多い方が効率が良いという意見がビジネス方面、母親のコミュニティなど色々な場所でよく発信されています。
どうしてもやりたい事があるなら子どものためにと諦めず、子育てと両立する方法を考える。制約があるならその時は出来ることをやり、不足があれば後で補う。そういうやり方は十分「有り」だと思います。
それに「何かを選ぶと他を全部否定したことになる」というのも硬直した思考かと。複数の方法を組み合わせる事も出来るはずです。カズさん一家も旅行から戻ったら(戻らなければ落ち着いた先で)、子どもたち学校に行ってみても良いんじゃないかしら。。。と思っていたらご本人からコメント頂きました↓
「日々変化するので、今の考えが来月、来年も続いているかわかりませんが、その時々最善策を考えて動きたいと思います」 byカズさん
だそうです。確かに。色々試しながら、柔軟に動けば良いんですよね。
息子さんたち、流れ星を見て「今が幸せだから、何も願うことはない」と言ったそうです。親子共に幸せな子育てをされているなら、他人が口を挟む余地は無さそうです。
風の時代を駆け抜ける、元気なご家族。お子さんたちの将来に興味津々です。引き続きウォッチしていきたいな、と思いました!
補足説明
ワーカウェイ(Workaway):無給で働く代わりに宿泊と食事を提供してもらう、格安旅行者が長く旅を続けられるシステム。農場に特化した「ウーフ(Woof)」は昔から有名ですが、ワーカウェイはもう少し職場にバリエーションがあるようです。
アンスクーリング(Unschooling):ホームスクーリングの提唱者、ジョン・ホルトの提唱で広まった運動。子どもが主体的に学び、大人は子どもの好奇心に沿って情報提供したり、興味ある物を調べる方法を教えながらサポートする。ホームスクーリングでは親がカリキュラムや教材を使用して子どもを自宅で教育するが、アンスクーリングではカリキュラムは使用せず、子どもの好奇心に沿う形で都度学習内容を決めていく模様。(実際を見たことがないので書かれた情報を元にしています)
*詳細不明ですが、日本でも実践している方がいらっしゃるようです。