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5月11日 賢者の言葉

亡くなった人たちのストーリーを読むことが日常の一部になった。死んだ人の家族や友人のコメントを読みながら、今、愛する人がコロナウィルスで重篤化しても、付き添ったり、看病したり、死に立ち会ったりすることができないという状況について考える。葬式ですら、ZOOMやゲームの中で行われるようになっているのだ。

コロナウィルスとともに生きる社会が長引けば、自分も、こういうお別れをしなければならなくなる可能性が出てくるのだろうか、考えると不安になるけれど、今の世の中、こうした状況に置かれることは誰にでもありうることなのだ、と自分を納得させる。

こうした不安とともに生きることが現実になる中、自分が今求めているのは、人生の先輩たちの言葉である。これまでたくさんの惨事や災害を乗り越えてきた人たちの声。

最近、私の人生に喜びをもたらしてくれているもののひとつに、Sugar Callingというポッドキャストがある。


リース・ウェザースプーンが主演した映画「Wild わたしに会うまでの1600キロ」の原作を書いた作家シェリル・ストレイドが、隔離生活をしている先輩の文筆家たちに電話するというテーマで、今日まで6話がリリースされているのだが、これが、本当に宝物のようなポッドキャストなのである。

この映画も、素晴らしかったので、観てない人にはおすすめです。特に、ひとりになるのが怖いという女性にはぜひ観てほしい。

最近は、「ジョイ・ラック・クラブ」のエイミー・タンや、「カラーパープル」のアリス・ウォーカーが登場して泣きそうになった。二人とも、マイノリティの女性で、激動の時代の体験を、文学史に残る哀しくも美しい物語にした女性である。エイミー・タンは、父親と兄を立て続けに亡くしたあとに、教会のカウンセラーに指導をされている最中に性的暴行に遭ったのだという。アリス・ウォーカーは、マーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺されたときにショックを受けすぎて流産したのだという。こういう壮絶な体験をしながら、「人生は素晴らしい」と言うことのできる先輩たちの声に、自分も頑張って精進しようと思うのであった。

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