6月9日 1919年と2020年 疫病とBLMのパラレル
追記:ポスト時に配信先のマガジンを間違えましたので、Daily Sakumagに追加します。失礼しました。
アメリカのデモを見て「コロナウィルスが起きているのに?」と思う人は多いと思うのだが、実は「コロナウィルスが起きているから」という説明のほうが正しいような気がしている。パンデミックの負担が黒人コミュニティに偏りすぎていた、という現実があるのだから。
コロナウィルスがこの世に到来してから、1918〜19年と2020年が比べられることが多い理由は、これまでスペイン風邪のせいだったけれど、疫病→抵抗運動という流れにも、実はパラレルがある。
1918年、スペイン風邪がアメリカに到来したとき、ちょうど、黒人の南部から北部への大移動が起きていた。自由を愛する北部のおかげで奴隷制から解放された黒人は、北部に行っても劣悪な住環境に押し込められ、黒人を監視し、その行動を制限するためにできた警察に虐待された。そこにスペイン風邪がやってきた。黒人は、スペイン風邪のスケープゴートになったり、黒人専用の病院でないと治療が受けられず放置されて死亡したりした。白人の清掃員が、黒人の遺体の処理を拒否したりもしたという。
そしてその翌年の夏、シカゴで人種暴動が起きた。きっかけは黒人の若者が海の「白人エリア」にはみ出したという理由で撲殺されたことだ。海を、「白人用」と「黒人用」に分けてた、海が自分たちのものだと思っていたことも、それを越えた人をリンチしたことも、白人特権のグロテスクさを雄弁に物語る。1919年は、その他にも各地で人種衝突が起きていた。その後、黒人よりあとからやってきたアイルランド人やイタリア人が警察に参加して、黒人への虐待を強めていく。
100年前の話ですよ、これ。なんも進歩してないじゃん。しかし、昔なくて、今あるものがある。それはビデオである(何度も言ってるけど)。マーヴ(昨日の日記参照)の車にはアップルのステッカーが張ってある。そしてマーヴは、いつも「スティーブ・ジョブス、ありがとう」と言っている。
今日、日本の領事館からきたメールを見てモヤモヤした。
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