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4月30日 経済再開への道3

経済を再開し始める州が出てきた。蓋を開けてみると「再開」とはいっても「通常運転」とはほど遠いのだが、再開を決めた州は、知事が共和党で、やっぱり党の方針に沿っている感じがする。

そこには、失業保険の受給者を減らしたいという狙いがあって、げんなりする。経済を再開するとなり、ビジネスが事業を再開した場合、労働者たちは仕事に行かなければいけなくなる。行きたい人もいるだろう。けれど、たとえば既往症を持っていて、感染した場合の重篤化の可能性が高い人たちはどうなるのだろうか。

ニューヨークやカリフォルニアなど、感染者の多い民主党支持基盤州は、いまだに経済再開どろこではない状況に置かれているが、かといって、じゃあ共和党支持基盤州にリスクがないかというと、そうではない。特に老人ホームや病院などでの感染が目立つことから、再開にかじを切り始めた場所でも感染が伸びていたりするので恐ろしい。5月1日から経済を再開するテキサス州でも、ダラス周辺で感染者数が増えているのである。


国内で再開を選択する州が出てきて、人の移動を完全にシャットダウンすることはできない。隣の州が経済再開して、州としての努力が台無しになる、という事態にならないように、州の連合ができ始めた。西海岸ではオレゴン、ワシントン、カリフォルニアが、東海岸ではマサチューセッツからデラウェアまで、と、連携して政策を決める合意ができたようだ。保守的な州も含めた中西部の連合もできている。


連邦政府の政策が頼りにならない、ということの裏返しでもあるが、こうなってくると、州と国との力関係も変わってきそうである。


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