5月29日 警察による暴力
ミネアポリスのジョージ・フロイドさんという人が、警察に殺された。「息ができない」と悲痛な声を上げているのに警官が首を膝で抑えられ続ける映像が拡散された。
ミネアポリスから始まった抗議運動はかなりの規模に発展し、衝突や逮捕も起きている。昨晩は警察署が燃える事態に発展した。そして今日はアメリカ各地で抗議運動が行われた。
ジョージ・フロイドさんを殺した警官には、これまでもたびたび市民からの苦情が出ていた。過去に、丸腰の市民を脅したり、撃ったこともある。今日、逮捕されて起訴された。
ケンタッキー州ルイヴィルでは、警察の捜査の最中に女性が撃たれて亡くなった事件に対する抗議運動が行われている。
いつになったらこういうことが起きなくなるのだろうか。何人殺されれば良いのだろうか。
このサイトは、警察による暴力事件のデータをマッピングしている。
アメリカに来てから、幾度となくこういうことが起きるのを見てきた。実際に、警察がホームレスやマイノリティを虐待する姿を目にすることだって一度や二度じゃない。
つい最近、セントラルパークで、黒人のバードウォッチャーに、犬に綱をつけていないことを注意された白人女性が、警察に「アフリカ系アメリカ人の男性に命を脅されている」と通報する、という事件が起きた。男性は運良く逮捕されなかったが、彼が撮っていた映像が拡散された。彼女は「私は人種差別主義者ではない」と謝罪したが、黒人男性に対して警察を呼ぶということが、その人の命を脅かす可能性に気が付かなくてすむ、ということは白人の特権だ。ちなみに彼女はこの事件で職を失った。
こういうタイミングで起きたジョージ・フロイドの事件である。
こういう事件が起きるたびに、「今度こそ改善されないか」と思うのだが、前の事件を忘れないうちに次の事件が必ず起きる。けれど今回の事件のショッキング度は多くの人々の心を揺さぶり、もしかして、なにかが変わるかもしれないと期待してしまうくらいの規模になってきた。他地域の警察関係者からも、声が上がっているのが珍しい。
ニューヨークに住んでいると、警察とは酷いものだと諦めたような気持ちでいるが、日本の警察や政府は、こういう暴力的なことをしないと思ったら大間違いだ。
入管の映像はさておき、警察の横暴があぶり出されているのは、カメラという武器を誰もが持つようになったからだ。ジョージ・フロイド事件の映像の一本は、17歳の女性が撮ったのだという。そのトラウマを想像しただけで心が痛む。
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