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日記:3月30日 コロナ日誌ドイツ編

前夜、志村けんさんが亡くなったと知った。子供の頃は「八時だよ 全員集合」などは、それなりに楽しんだような思い出もあるのだが、今思い出して見ると、自分にとっては笑えるというよりかはむしろそのコンセプトには苦痛しか感じず、亡くなった方に特に素敵なことも言えないのだが、とりあえず、とても多くの人たちに笑いを提供した人なのだ、ということはよくわかった。それだけ多くの人に愛された人が亡くなったことが無駄にならないよう、この件がウェイクアップコールとなることを願うしかない。テレビには、ダラダラと追悼番組をやるだけでなく、コロナの情報を正確に伝え、政府がきちんと仕事をするように、国民が必要な情報を提供してほしい、

週末、外出を自粛したのに、週が明けたらまた多くの人が仕事に戻るという東京の様子に、ドキドキハラハラしている。ニューヨークの感染者数があっという間に二桁から倍々で増えていくのを目撃してきただけに、そののんきさが恐ろしい。政府が国民を安心させたり、経済的なダメージを補償しますという態度を示さないことに手を打ちづらいこともわかる。でもそれを言っている間に、感染はどんどん広がっていく。みなさん電車に乗るのも、仕事に行くのもやめて、家から激しくデジタル社会運動をやりましょうと言いたいのだが、自分も、テロのときに、仕事を辞めたいと思いながら、辞めることができなかったのを思い出した。

今日は、インスタグラム・ライブで、ベルリン在住の浦江由美子さんと話をし、遠くから見ていて、気になっていたトピックスを解説していただいた。

「やっぱりドイツはすごい」と思ってしまったメルケル首相の演説。国がサポートしますから、と伝えたうえで、なぜ国民の生活が制約を受けるのかを明確に伝え、国民に貢献を呼びかけている。

「一人ひとりが当事者です。この当事者性は、各自の生活圏が制約を受けることを意味します。しかしそれを自分たちの健康のため、そして他の人々への配慮のために受け入れるのです」

ドイツがイタリアからの患者を受け入れているという驚きのニュース。

(もちろん、これからドイツも感染者数は増えることが必至なので、懸念材料でもある)

そして、最新のとても痛ましいニュース。

ドイツは、感染者数は多いわりには、死者数は少なく、ちょうどニューヨーク・タイムズに、「なぜ?」という分析記事が出ていた。やはりその理由は、韓国をお手本にテストを積極的にやっていること。

そして、ドイツのイノベーション。

浦江さんが、「つい最近までEU、EUって言っていたのに、こういうことが起きるとやっぱり国境閉鎖ってなるんだってショックだった」とおっしゃっていたのが印象的で、そのあと、ずっと考えてしまった。国境を止めても、ウィルスを止めることはできなかったのだ。人間が作ったシステムの脆弱性をこれでもかこれでもかと見せつけるウィルス。そして、この危機が終わったとき、国境を超えるということは、どういうふうに変貌しているだろうか。


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