4月28日 コロナ時代の労働運動
ニューヨークでは自分の周りにいわゆる会社員という人たちがほとんど存在しないので、初期のパニック症状みたいなものは、失業保険やらなにやらで一応落ち着いた感があったのだが、トレーナーの友人と話していたら「ついに会社務めのクライアントたちが焦り始めたみたい」というので調べてみると、早速、レイオフやらペイカットやらが始まっている。このフェーズはしばらく続くだろう。
今、仕事に出ている人たちが、5月1日にストライキを計画しているのだという。Amazon やWalmart、Fedexなどの職員たちが、コロナ対策や職場でのソーシャル・ディスタンシングの欠如に抗議するとともに、現状のプラス2ドルの時給以上の待遇改善を求めるのだという。
実際、参加企業のほとんどは、コロナライフにおいて、人々の生活がスムーズに進むことに貢献する業務をしているし、もちろん売上も伸ばしている。業務は労働者が前線で働いてくれなければ立ち行かなくなる。はずなのだが、アマゾンで組合運動を組織しようとした従業員が解雇されたり(ニュースになって取り消された)、当然敷かれるはずの安全対策が怠られていたりと問題は山積みで、労働アクティビストたちが組織して、前例のない連携網が張られているようだ。
コロナウィルスは、アメリカで停滞していた労働運動の起爆剤になっている。正しい企業のあり方として、「従業員を守ること」が重要な軸であるというコンセンサスができつつある中、一時的に休業を強いられている業界でも、従業員を「レイオフではなくfurlough(自宅待機)扱いにする」とわざわざ発表する企業もある。労働運動がなじまないと言われてきたシリコン・バレーでも、組合運動が始まっている。
コロナウィルスは、アメリカに待ち望まれてきた労働運動をもたらすことができるだろうか。
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