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履歴書⑪ひつじ再びフランスに逃亡する。part.3

フランスの東→西へ。貧乏一人旅が始まった。最初に目指すのはシルヴィおすすめのカルカッソンヌ(カルカソンヌともいう)だ。ガイドブックを見ると「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」という言葉がある程、見応えのある古城らしい。

カルカッソンヌにほど近い町に辿り着き、さあ今から目指そう!と思った所で観光地によくいる、「お城まで案内してあげるよ」と親切ぶり案内料をぼったくる怪しいおじさん出くわしたものの、難なく交わしながら、一人でお城を目指した。

カルカッソンヌの概要↓

城塞ということで、「中世のお城」と想像したら思い浮かぶ、クッパ城のようなとても立派なお城だった。

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この日は夏にも関わらず、とても寒い日で半袖のペラペラのワンピースを着ていた私は、町のブティックで震えながらやむを得ずカーディガンを買う羽目になった。お金が無い中、予想外の出費は痛手だった。

震えながら、お城の中など見学し中世の気分を堪能し、次の町ニームに向かった。この辺りからどこに宿泊したか、時系列など記憶が曖昧だが・・覚えている事を書く事にする。

ニームにはローマのそれよりも立派な古代のコロッセオが残っている町だ。

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ここから少し離れた所にも有名な古代遺跡があるらしく、向かった。この日はカルカッソンヌとうって変わって、とても暑かった。

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古代の職人が作ったレリーフ?のデザインがとても素敵で気に入った。

一応パティシエールなので・・スィーツもチェック。

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味は全く覚えていない(涙)

その後、どこかの町に宿泊して夜ご飯を食べたレストランで、通された席が素敵な中庭だった。

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サラダか何か?食べたような記憶がかすかにあるが、写真はない。

その後、トゥールーズに行き

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ボルドーへ!

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ボルドーで泊まった部屋がとても素敵だったのだが、夜から隣の建物でパーティーが始まり、DJの爆音とダンスをする人達の大騒ぎがあり、寝るに寝られず、フロントに部屋を変えてもらいたい、と伝えだが、今晩は満室だから無理だ、と断られ明け方まで拷問のような時間を過ごしたのはよく覚えている。

到着した日の夜に、さっそく町に繰り出し良さそうなワインバーを探した。一軒、石造りの古いカーヴをカッコよく改装したワインバーがあり、そこに決めた。グラスをもらい、近代的なマシーンから欲しい銘柄のワインを欲しい量、ボタンで選び自分で注ぐユニークなスタイルのお店だった。ml単位何ユーロか出ているので、ほどほどの値段の赤ワインを選び注ぐ。

これが、大当たりで今まで飲んだ赤ワインの中で一番美味しい!と感じた。おつまみには、生ハムとピクルス、チーズの盛り合わせを頼んだ。これもまた全部美味しかった。

普段、私は一人でいるのが好きで全く苦ではないだが、店内で談笑しているフランス人のグループを見たこの時ばかりは、誰かと一緒だったらもっと楽しいのになぁと感じた。肝心のワインとおつまみの写真は撮るのを忘れていたが、目標の1つは達成した。名物のカヌレはこの時は何故か欲しくなくて横目でスルーし、食べなかった。

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寝不足の中、次の日は最終地点のバイヨンヌに向かう。到着して、すぐにまずは宿をとり、さっそく外に繰り出した。この日も快晴で暑かった。何となくぼんやりしたくて、近くのサッカー場で子供達がサッカーをしている様子を座って眺めていたら、犬の散歩をしたおじいさんに声をかけられた。日本人か?と聞かれ、そうですと答えると、片言の知っている日本語を話してくれた。バイヨンヌを楽しんでね!と、短いやり取りだったが、気さくないい人だった。

その後、町中に移動しパティスリーをのぞいてブルーベリー入りのガトーバスクを買ったり、チョコレート屋さんをのぞいたりした。バイヨンヌはフランス最古のチョコレート屋さんがあり、フランスのチョコレート文化発祥の地して有名だ。JJとシルヴィのお土産用にチョコレートを買った。

そして夜は念願の生ハムを!生ハムを売りにしていそうな適当なレストランに入り、メニューを眺める。種類が沢山あり値段もピンきりだったので、中の下くらい(ここにきてお金がピンチだったので)の値段の物を注文した。

薄く繊細に切られた赤桃色の生ハムがたっぷりと運ばれてきた。値段は中の下だが、味は最高で口に入れた瞬間にほどけるように消えて、口の中に旨みの余韻が残る、とても美味しい生ハムで無くなるのが残念だった。お金が無いなりに、これで目標その2も無事に達成出来た。

バスク地方でもスペイン側の方が美食の町とのことなので、いつかまた海外旅行が自由に出来るようになったらぜひとも行ってみたい。(2020年9月現在、新型コロナウィルスにより世界中が自由に動き回れない状況が続いている)

バイヨンヌで、写真を撮ったとは思うが、残念ながらフォルダーを探しても見当たらないので、この旅の話はこれで終わりとする。

その後、お金が底をつきそうになり、どこにも寄り道せずにドキドキしながら、まっすぐラングドック地方のエルヌに戻った。

耳の調子がもっとよかったら、数日間は誰かと一緒だったら、この倍以上楽しめたのになぁ、と感じた一人旅だった。

その後、エルヌに戻ってから日本の元同僚から一通のメールが届いた。内容は「うちのお店のシェフをやりませんか?」という内容だった。


おわり

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