[知ってて損しないイギリス英語表現 #3] 『感謝の気持ちを表現 学生編』
「ありがとう」"Thank you"は、誰かをとても良い気持ちにする魔法の言葉。
言って損する言葉ではないので、「感謝」の気持ちを素直に表現したいものだ。
イギリスに住んでいると、"Thank you"の言葉を聞かないことがないくらい毎日その言葉を耳にする。
今回が、私が仕事上学生からの"Thank you"について一つ紹介したい。
イギリスの大学の学年は7月に終わる。通常は、授業が終了する3月末、学生たちが講師の研究室に来て"Thank you"カードを渡す場面をよく目にする。しかし今年度は、ロックダウンの為、大学講師も学生も対面できたのは3月中旬までだった。
7月に卒業する教え子から"Thank you"Eカードと以下のメールが今週届いた。突然の温かい言葉は、疲れて少しシワシワになっていた私の心に潤いを与えてくれた。「学生にとってこの教え方は良いのだろうか」と葛藤や様々な問題解決の連続の中、「この仕事をしてて本当によかった」と思う瞬間だ。彼女はアフリカからイギリスに渡ったアフリカ系イギリス人。とても真面目で懸命に勉強していた。
『その学生から先生への感謝の言葉』の例
Dear Yumiko,
I wanted to say thank you so much for a great year during my Japanese learning. I am glad I took up Japanese because it made such a difference to my experience. I made my first ever friends from taking your module and I thoroughly enjoyed coming to class. You are a brilliant teacher Yumiko, and your enthusiasm and encouragement will forever be unmatched. The module is definitely the highlight of my years in the university. I will forever be grateful and you really helped my mind grow big.
Thank you once again for everything and I wish you the very best in all you do.
Kind regards,
XXX(Her name)
1)Dear Yumiko イギリスの大学では学生は先生を「名前」だけで呼ぶ。大学院時代指導教官を呼ぶ時"Alan" "Sarah"と名前で呼んでいた。これは国によって違うので注意。それは、イタリアの大学からの交換留学生たちは、私にメールを送る時必ず、宛名は"Dear Professor"だったからだ。イタリアの大学はきっとこのマナー("Dear Professor")なのだろう。
2)Thank you (very much/so much) for doing 「~してくれて・してくださってありがとうございました」の定型文で学校英語。
3)make (such) a differene to~「~に(こんなにも)影響を与える」表現。making such a difference to my experience(先生は私の大学での)経験(日々)にこんなにも影響を与えてくれた。)この熟語は大学入試でも見られるものではないだろうか。日常会話でもよく耳にする表現。
4)(thoroughly) enjoyed coming 「(とても)~するのが楽しかった」これも「enjoy doing(~するのが楽しい)」定型文で学校英語。何度この表現を日常的に使うだろうか、欠かせない表現。(thoroughly=completely, very much)
5)your enthusiasm and encouragement will forever be unmatched. (先生の熱意と激励は、これからも無比のものでしょう。) この文を読んで、なんて綺麗で文学的な表現なんだろうかと、心が洗われた。
6)you helped my mind grow big(先生は私の心の成長を助けてくださいました)S helps O do原形:SはOがdoするのを助ける/ S grows big. Sが大きく育つ(成長する)これらも学校英語だ。
7)I wish you the very best in all you do. (先生のご幸運をお祈りいたします)"I wish you all the best"が「ご幸運をお祈りします。」のシンプルなバージョン。
8)Kind regards, 日本語の「敬具」にあたる。
"Hi Yumiko"の宛名でメールを送る学生も時々いるが、私自身は特に「無礼」と思わない。でも、丁寧なマナーで行動すれば間違いは起こらないので、常に丁寧でありたい。(ちなみに私が学生にメールを送る時は必ず"Dear XXX"とする。)
宛名のあと、英語でメールを送る際、長々とした挨拶はいらない。例えば、今ロックダウンの状態もあり、受け手(学生に対しても)を気遣う表現を入れている。例えば"I hope you and your family are well."と一文最初に添えている。そして、本題へ。
英語のメールの本題で、読み手に「書いた文章から何かを読み取ったり空気を読んだする」ことを絶対に期待してはいけない。読み手は書かれている表現のみから情報を得る。だから曖昧な表現は絶対さけるべし。何が言いたいのかを明確にしないと「読み手」は混乱して理解できない場合が多い。(これは初期の頃よく犯した私のミス)
イギリスの大学で勉強をする場合、先生や大学の事務職員とメールでのコミュニケーションを頻繁にする。この記事が、将来、もしくは今進学している日本人学生にとって、少しでも良い情報になれれば幸いだ。
次回職場同僚たちへの「感謝の意」を表するメールについて紹介したい。
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