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[知ってて損しないイギリス英語表現 #4] 『感謝の気持ちを表現 同僚編』

前回の記事(感謝の気持ちを表現の学生編)で自身の体験を元に知ってて損しない表現や情報を紹介した。

今回はその「同僚編」で「どんな言葉や態度で同僚との人間関係をよくする努力をしているのか」について書きたい。

自身の経験から、まず日本社会とイギリス社会の大きな違いから。

①日本の「先輩・後輩」の上下関係→イギリス社会ではみない

②日本の会社での「上司・部下」の関係で上司が部下に命令→上司が部下にお願い

つまり日本社会でみられる「強い上下関係(先輩・後輩、上司・部下)」がイギリス社会ではみられるだろうか?(あるのかもしれないが、私はそれを感じた経験がない)

だから、年下や新米が「管理職」や「年上や先輩」などに気を使い会議中「意見を言わない」と言うことはイギリス職場の会議ではない。逆に意見をいわないと、「何も考えていない」とか「その意見に賛成している」と判断される。40年間日本社会で生きてきた私にとって、この文化の違いに適応するのに少々時間を要すが、一歩一歩進歩している。

日本職場で管理職を呼ぶ際「XX課長・XX部長」だが、イギリス職場では「Adam, Steve」と名前の呼び捨ても大きな違いだろう。このイギリス文化は私にとってとても心地よい。

さて、イギリス職場で働いていると、line managerや部署のmanager(課長や部長やトップ)から全同僚(日本式で言う部下)に節目節目で「ねぎらいの感謝の言葉」のメールが送られてくる。(日本の職場でも同様かもしれない)

例えば、下のメールは今年の3月末(ウイルスやロックダウンなどで未曽有の大混乱中)に課長からもらった「謝辞」のメールの一部(下)

Dear Colleagues,

It may not feel like it, but today is the last day of term. To say it’s been quite a term is something of an understatement… But end of term it is and though we are continuing with a range of activities next week that in the usual run of things we wouldn’t have on our plates, it’s really important that colleagues draw a line where and when they can under the term and get some rest. You may not be able to sail off on a cruise or jet off to warmer climes but I do hope that you will all—please—switch off from University concerns at least for a little while.                         (職員の心身の健康を気遣う優しい思いやりのある言葉)

There are a great many challenges ahead, that’s for sure, but I’d invite you for now to congratulate yourselves on getting through one of the most demanding terms on record. I am full of admiration and gratitude for everyone who has contributed so positively to this massive effort.   (未曽有の混乱からの問題に対し前向きに絶えず立ち向かい解決し続けている職員の頑張りへの賛辞と謝辞)

Thank you. We will get through this together!             (一緒にこれを乗り越えましょう!)

XX (課長の名前)

このメールを読んで、心が温かくなり「みな同じ状況なんだから私に出来ることをチームの一員として頑張ろう!」と思った。

1)Dear Colleagues:  不特定多数の同僚や多数の同僚、他部署で担当者がわからない時に「宛名」として使う表現。イギリスではco-workers(アメリカ英語)は全く使わない。

2)We are continuing:continue は進行形として使えるの?と疑問に持つかもしれないが、この現在進行形の用法は「最近(一時的に)~している(暫定的な状態)」(ここから、「今のこのカオスは一時的な状態だからね」と言った課長からの意図が読める)

3)we wouldn’t have on our plates                   a) wouldn’t have(仮定法過去:現在の事実に反することを仮定)    「本来だったらこうではないのに」が読み取れる            b) on our plates: 〈仕事など〉やるべきことをかかえこんで. 

4)draw a line where and when they can under the term and get some rest (労働条項のもと、仕事との線引きをして、ちゃんと休んでください。)

5)I do hope:doは動詞を強調する時に使う助動詞(学校英語)     (非常に願います)

6)switch off from concerns at least for a little while.          (少なくともちょっとの間心配ごとから離れてください。) 

7)There are a great many challenges ahead, that’s for sure        (確かに、目の前には物凄いたくさんのチャレンジが待っています)

8)I’d invite you for now to congratulate yourselves on getting through one of the most demanding terms on record (皆さんにこの記録的な最も過酷な学期の一つを乗り越えた自分自身を称えてあげてください)     a) invite O to do:日本語に直訳すると変な日本語(Oを~するのに招待す  る)になるけど、この表現から、「課長が私たちの頑張りを強く認めて  いる」ことがわかる。
 b) congratulate yourselves on~:~した貴方自身を称える(学校英語)

9)I am full of admiration and gratitude for everyone  (皆さんへの賞賛と感謝の気持ちで一杯です)be full of~で一杯だ(学校英語)

10)contributed so positively to (こんなに前向きに)~に貢献した(これも学校英語)

これを送ってくれた課長(英人)はとても公平でとても素晴らしいmanager。この数年はラッキーだと思っている。人事でmanagerが変わったらわからない。全てのmanagerが人格者だとは限らないからだ。

ただ、「威圧的な態度や冷酷な態度(いじめやパワハラ)」でチームを管理すると、チームのメンバーからそのmanagerの line managerやHR(人事部)に苦情を送られたりする。(私の狭い経験からだが)だから、イギリスの職場の管理職の方が、日本職場の管理職より、かなり職員の福利厚生や労働条件に気をつけている印象(訴えられることもあるので)。

ただ、日本職場でも人格者の管理職もいた。会社を辞める最後の2年間の上司は素晴らしい人格者(そしてself-made man:自己の力で成功した人)で尊敬している。

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