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私の母

今日は母の命日。32回忌。 
55歳で逝ってしまった。

月日は流れど、私は、あの日を今も鮮明に覚えている。
私の大粒の涙のように、大雨が降った日だった。
母と過ごせたのは、20年だった。
母が天国に行ってしまってからの月日が、すっかり長くなってしまった。
私は今52歳。
母が逝った年齢に近付き、母の気持ちが更に痛いほど理解できるようになった。
母さん、ごめんね。何にも親孝行できなかった、むしろ親不孝ばかり。

私の母は、私が幼い頃、洋裁店を営んでいた。
当時は、お客様が生地を持ち込み、
母がお客様の採寸をし、希望のデザインに仕立てていた。
洋裁店は私が初めて、針と糸にふれた場所でもある。
特に、ミシンは足踏みで大好きだった。
ミシンの調整の大変さを知らない私は、母の足踏みミシンをあちこち触り、いつのまにか縫いまねみたいなこともしていた。
母は何も怒らず。
今振り返ってみれば、ミシンの調整を台無しにしてばかりでごめんなさいと、母に謝りたい。

そんな母との思い出が、
今の私のベースになり、
手作りの温もりを大切にした
「Yumiko Sakura Embroidery」。

私は針を動かし、刺繍をすることで、
昔の母との思い出時間を旅行している気持ちになります。

母さん、天国で元気にしてますか? 
貴女の娘は、しっかり貴女の遺伝子を受け継ぎ、今日も針と糸と布の手仕事をしてますよ。

産んでくれてありがとう。
大切な思い出をありがとう。

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