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Hyperforceについて調べてみました
TrailheadでSalesforceを学び始めて半年、実務経験のない私には知らないことがたくさんあり、都度都度、インターネットで調べている日々です。
今日はTrailhead Playgroundで見つけた「Hyperforce」という言葉について調べてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1733473666-nJzPbw7Mvlqoxt5YKpUejTCN.png?width=1200)
Hyperforceとは
公式ヘルプはこちらです。
Hyperforce とは?
Hyperforce は、パブリッククラウド用に構築された Salesforce の次世代インフラストラクチャです。Hyperforce インフラストラクチャはハードウェアではなくコードで構成されています。
これにより、Salesforce プラットフォームおよびアプリケーションを素早く確実に世界各地に提供することが可能となり、より多くのデータレジデンシーの選択肢と制御をお客様に提供することができます。
もう少し嚙み砕いて下さっている記事を見つけたので貼っておきます。
2020年12月の記事のようです。
要点をまとめると、以下のようになる。
・顧客はHyperforceによって、パブリッククラウドにSalesforceアプリを配備できるようになり、導入時間の短縮が可能になる。
・Hyperforceでは、保存中と移送中のデータが暗号化される。
・場所を選べるローカルデータストレージで、企業や業界、地域特有のコンプライアンスや規制への準拠が可能になる。
・すべてのSalesforceアプリ、カスタマイズ、統合がHyperforce上で実行できるようになり、後方互換性も確保される。
SalesforceはAmazon Web Services(AWS)と広範なパートナーシップを結んでいる。また、Google Cloud Platform(GCP)やMicrosoft Azureともパートナーシップ関係にある。
SalesforceはHyperforceによって、複数のクラウドを利用しつつ、顧客に対してアプリケーションとインフラを分離する能力を提供していくというメッセージを発信しているようだ。マルチクラウド配備が進む中、Hyperforceは顧客に選択肢をもたらす上で重要なものとなる。
SalesforceはWebアプリなので、物理的にはどこかのサーバーに載っているのですよね。
これまではそのサーバーがSalesforceが管理しているサーバー固定(選べない)だったものが、Hyperforce基盤に移行することでAWSやAzureのようなパブリッククラウドサーバーの中からユーザー側で選定できるようになるということのようです。
※自分の環境で確認してみました。
私のTrailhead Playgroundの組織情報です。インスタンスIDが書かれていますが、ここがHyperforce上のインスタンスになり、パブリッククラウド上のどのサーバーに載っても問題なくなる、ということでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1733475437-xvJOfzAw9piKIy72kNtaU0Ld.png?width=1200)
サクセスナビにも記事がありました。
Hyperforceの概要と移行について
![](https://assets.st-note.com/img/1733474558-gvcGbZFJnlROd1hwx6j5XCKB.png?width=1200)
上記スライドが、現在皆様の組織が稼働しているファーストパーティのデータセンター(左)とHyperforce(右)の違いのイメージになります。
現在は、皆様がご利用のSales CloudやService Cloud、Experience CloudといったCRM製品は、日本のデータセンターで稼働していますが、一部の製品は海外のデータセンターで稼働しており、APIを使用して統合されている場合があります。
またファーストパーティと Hyperforce の比較時に注目すべき重要な点は、データセンタープロバイダの進化です。
物理インフラストラクチャを独自に実行する必要がなくなり、代わりにパブリッククラウドプロバイダのハードウェア上でサービスを実行します。
これにより、独自に制御するレイヤ (プラットフォーム、クラウド、機能) に焦点を絞り、それらの準拠と安全性を確保し、お客様のニーズを満たすことが可能となります。
公式ヘルプにインスタンスに関する説明がありました。
Salesforce サービス SPARC と Hyperforce SPARC に記載されたサービスの機能が含まれる Stock Keeping Unit (SKU) は、データとメタデータ (Salesforce をカスタマイズするためのコードと設定) の一般的なコレクション (「組織」と呼ばれる) を利用します。各組織は、次のいずれかにある 1 つの「インスタンス」に属します。
・ファーストパーティインフラストラクチャ (Salesforce が所有して運用)
・Hyperforce インフラストラクチャ (Salesforce が管理する AWS Hyperforce インフラストラクチャでホスト)
通常、お客様は 1 つの組織のみを設定して、その組織を利用するすべてのサービスをサポートします。つまり、組織は Salesforce のファーストパーティインフラストラクチャ、Salesforce のHyperforce インフラストラクチャ、Salesforce の パブリッククラウドインフラストラクチャのいずれかのみに存在します。例外的に、Einstein 機能などの一部の Salesforce サービスには、組織で動作しながら別のインフラストラクチャでホストされている機能も含まれます。
ファーストパーティ基盤に載っているアプリケーションだとSalesforceがサーバー運用もしないといけませんが、Hyperforce基盤に載っているアプリケーションだとサーバー運用はパブリッククラウド側で行うので、Salesforce側で役割の分離ができるのかもしれないですね。
HerokuやMulesoftを買収したりと、Salesforceはインフラも自前で整えていたイメージがありましたが、ちょっと大きくなりすぎてまとまってないので、それぞれの役割をちゃんと分けることにしましたってことでしょうか。
その結果、Salesforceサービス内でのアプリケーションとインフラの境界が明確になり分離できたことで、Salesforceアプリケーションを利用しつつ、Salesforce外のインフラサービスを顧客が選べるようになりました、と。
サクセスナビにある以下の文章が一番、Salesforce社側の気持ちがまとまっている気がしました。
新しいHyperforceのアーキテクチャを使うことで、Salesforceは、新しい機能の開発や既存機能の拡張という形で製品のイノベーションと、それをお客様に提供することに注力することができるようになると考えています。
それに伴い、私達が最も大切にしているカスタマーサクセス、お客様のビジネスの成功を加速させていけると考えています。
大事ですよね。選択と集中。
自分の組織が既にHyperforce上にあるのか確認できます
ちなみに、自身の組織のインスタンスがHyperforce基盤上にあるのかそうでないのかがわかる検索画面が提供されているようです。
Salesforce インスタンスの場所を特定し、インスタンスが Hyperforce を使用しているかどうかを確認するには、Find My Instance マップを使用します。
Find My Instance マップは組織のインスタンスIDを入力するとインスタンス情報を表示してくれるサイトのようで、このような画面になっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1733480260-Swy5HT1jr02JpobhcMQAvuIe.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1733480623-aBKw31p7brmtRyzSGXIjOiQH.png?width=1200)
(余談1)Salesforceの大規模障害はHyperforce基盤には影響しなかったようです
そういえば、先日起きたSalesforceの大規模障害が影響したインスタンスとそうでないインスタンスがあったということを思い出して記事を探してみたところ、Salesforce社サイトに以下のような報告がありました。
2024 年 11 月 15 日、データベースのメンテナンス変更が、ファーストパーティのインフラストラクチャにある、北米およびアジア太平洋地域のデータセンターの一部に影響を及ぼしました。この変更は、弊社の更新された手順と承認ポリシーを遵守して実行されましたが、潜在的な中断や広範な影響のリスクを最小限に抑えるための十分な時間差をおいた実施がされませんでした。その結果、アジア太平洋地域ではピーク使用時間中に影響を受けました。さらに、この更新は誤って優先度が高く設定され、迅速に実行されたため、地域全体への影響が大きくなりました。
本障害の発生中、Hyperforce インフラストラクチャは影響を受けませんでした。Hyperforce 内にある Salesforce の自動化パイプラインにより、この類の広範な変更が実行されないことが保証され、よりお客様に適した制限が適用時間帯に厳格に適用され、信頼性の高いシームレスな運用を実現します。
ちなみに私は当時、ちょうどTrailhead Playgroundで勉強しようとしていたのですが起動できず、Xにポストしたりしていました。
Trailhead Playgroundもファーストパーティ基盤(AP46)だったので、影響を受けてしまったのですね。
This is my first time seeing this screen.
— Yumiko Otsuka (@YumikoSF) November 15, 2024
Trailhead Playground cannot start. pic.twitter.com/p1j5O2YZ7Q
(余談2)JavaでいうJVMみたいなもの?
こちらは本当に余談ですが、私が以前Javaプログラマーだったのでふと思ったことです。
JavaはJVM(Java Virtual Machine:Java仮想マシン)というミドルウェアを介して実行することによって、OSの違いをJVMが吸収し、同じJavaコードを異なるOS環境上で実行することができます。
なのでJavaプログラマーはOSの違いを意識せずコーディングに専念できます。
Windowsの個人パソコンで開発した後、Macを使用している他の開発者が改修し、本番環境がLinuxサーバーだとしても問題なく動作する、ということです。(もちろんそれぞれのコンピューターにJVMがインストールされている前提です)
JVMのようにアプリとインフラの間に入って手助けしてるのがHyperforceなのかな、と思ったりしました。
HyperforceというミドルウェアがAWSやAzureやGoogle CloudなどのクラウドサーバーとSalesforceアプリケーションの間に入ることで、Salesforce社がSalesforceの拡張に専念でき、より加速して成長していくことに期待ですね。
私としては、既に間に合ってないのに、勉強することがどんどん増えてしまいそうです。
嬉しい悲鳴、ということにします(笑)
今回は以上です。
ご覧くださりありがとうございました!