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画家アナ・センデルさんが、絵本『どうしてなくの?』 をえがいたわけ
「ぼくたち、どうしてなくの?」 マリオはぽつんといいました。おかあさんは、海や雲、石ころや宝石箱をたとえに出しながら、涙についてはなしていきます。詩のようにながれるこの絵本は、涙のしずくで心が豊かになり大人になっていくこと、涙がぬり薬になって痛みをやわらげてくれることを私たちに思い出させてくれます。だれでもみんな、泣くのです。子どもから若者、大人そして老人まで、男女かかわらず、おおきい人もちいさい人も、ふとっている人もやせている人も、みんなだれだってなくのです。
偕成社さんから刊行した絵本『どうしてなくの?』で、絵を担当しているアナ・センデルさんが本づくりの過程をお話ししている記事を見つけました。ここに、少しだけ引用させていただきました。
2020 年 3 月 16 日
Un Periodista en el Bolsillo (ポケットにジャーナリズム)より
はじめて、作者であるフランのテキストを受け取ったとき、どう思いましたか。
主題へのアプローチの仕方がとても気に入りました。単純化したり、感情を抑えようとしたり、型にはめようとしていません。むしろ伸びしろを持たせ、すべて価値があり、いろいろな意味合いをもたらしてくれる。イラストレーターとして、私にたくさんの自由を与えてくれました。多くを語るテキストではなかったけれど、すぐにイメージが湧いて、とても個人的な領域に私を連れていってくれました。
本の制作過程について教えてください。
とても流動的でした。テキストを読んだあと、まず思ったのは、どんな方法で場面を描けばよいかということでした。抽象的な概念だったからです。そこで、マリオのお母さんのことを考えました。お母さんがマリオの年齢ぐらいだった時、どうだっただろうと考えてみたんです。涙がでるとき、どんなふうに感じて、どうして泣くのだろう。そして、少女だったころのお母さんを通して伝える絵にしました。お母さんのことを思うときは、私の母のことを思い出しました。母は、いつも髪の毛を三つ編みに編んでいたんです。この作品は、母へのささやかなオマージュにもなっています。
このお話の中で、私たちが泣く理由のうち、いちばん魅かれたのはどこですか。また、それを表現したフランの言葉で、どこがいちばん気に入っていますか。
どのページも自分のことのように思えますが、いちばん心に残るのは、このページかもしれません。
かべに ぶつかって
なくことも あるわね
かべにぶつかった いたみより
かべがあまりに たかすぎて
なくの
インタビューの全文は、スペイン語なのですが、下記のリンクからご覧になれます。アナ・センデルさんのラフスケッチなどもお楽しみいただけます。
タイトル:どうして なくの?
文:フラン・ピルタデーラ FRAN PIRTADERA
絵:アナ・センデル ANA SENDER
出版社:偕成社