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私がタブーの流産について公開する理由

前回、前々回と、私が流産を経験した時の気持ちと起こったことを書きました。

そもそも、流産どころか、
妊娠したことすら安定期に入るまで公にはしない
(そもそものそもそもで、例えば生理の話を男性もいるところで話すことすらタブー
という暗黙のルール?風習?社会的ルール?がある今の世の中で、
流産したこと、経緯を書くのはやっぱり迷ったし、
勇気がいりました。

でも、自分の中に溜めておけないくらい色々な感情が湧き出てきて、
それを残しておきたかったのと、
やっぱり流産のことをタブーとして隠しておくのはどこか違う気がして、
もっと知られておくべき大事なことのように思えて、
勇気を出して筆を進めています。

流産している女性は実はとても多い

実際自分が流産して、調べてみて知ったことは、
流産を経験している妊婦さんは約15%と、
実はとても多いということ。
(これは、妊娠初期に医療機関で診察を受けた妊婦さんの数から出した割合なので、実際はもっとたくさんいると思われます。正確な数値は未知。)

ピンとこないかもしれないけど、
割合でいったら、
日本人の左利きの人の割合より高いです。
血液型がAB型の人よりも多いです。

今回皆さんにも読んでいただこうと決めて、
指を震わせながら流産記事の公開ボタンを押したのだけど、
「私も流産経験しました」と教えてくださった方がたくさんいて。

そしてそれは女性だけに限らず。
パートナーの方々も、共有してくださって。

(余談だけれど、予想外に嬉しかったのは、
男性も自分事として、
「僕も経験しました」
(「奥さんが流産しました」じゃなくて)
と表現して伝えてくださる方が多くて。
あぁ、一緒に乗り越えられてきたんだなぁ。
本当の意味で寄り添ってくださったんだろうなぁ。と思いました。
素敵な旦那さま方が多くて、嬉しい!
我が夫よ見習って!←)

公の場では言えなくても、
DMをくださって、
辛かった経験を話してくださる方もいて。

経験された方がこんなにたくさんいたんだ…っていうことと、
こんなにたくさんの方が、こんなにつらい思いをしているのに、
人に言わず言えず、
自分の中で、パートナーさんやご家族との間だけで、
こっそり消化、昇華されてきたんだと思うと、
その悲しみ苦しみの総量はどれほどのものだったのだろうと想像して胸が苦しくなります。

実は、多くの人が、経験している、
語られていない痛み。

知られていない情報、語られない苦しみ

自分が流産をする確率は十分にあるし、あったのに、
なぜか私はそれまで自分には起こらないと思っていたし、
起きてもどうしたらいいか、
どういう対処法があるのか、
どういう気持ちになるのか、など、
調べたこともなくて、
知らないことばかりで。

実際「流産ですね」とお医者さんに言われてから、
急いでネットで「流産 処置方法」なんて検索して調べました。
女性、しかも妊娠適齢期(をちょっと過ぎた)の私でもそんな感じです。

いかに世の中に、
流産についての情報が流れていないか、
認知されていないかを、
まざまざと思い知らされました。

それはきっと、
流産したら人に話せないから、
妊娠したことは、安定期まで、または産むまでは人に言わないでおこう
」という風習のせい。

15%以上の妊婦さんが、
こんなに辛い思いをしながら
誰にも言えず、
ただひたすら静かに乗り越えてるんです。

私の場合、もちろん最初はただただ辛くて、
自分自身が受け入れられなくて、
人に言うなんてことはできなかったけれど、
時間が経って落ち着いてきてからは、
「人生最大級の辛い思いをしてるのに、誰も慰めてくれないし、励ましてくれないなんて!」
「男にフラれた時ですら慰めてもらえるのに!」(?笑)と、
怒りすら湧いてきました…。
(慰めてもらうもなにも、そもそも誰にも知らせてないからな…)

流産は人に言えないこと?言わない方がいいこと?

例えば家族が亡くなったり、
親友を失ったら、
みんな慰めてくれるのに、
お腹で子を失ったお母さんが慰めてもらえないなんて。
労ってもらえないなんて。

自分の中で、お腹の中の子を、
一人の大切な家族として、
認められるようになればなるほど、
忘れずにずっと覚えておこうと思えば思うほど、
失ったことを、亡くしたことを
みんなに黙っておくのはなんだか違う気がして。

もちろん、伝えられた人たちにも、
悲しい思いをさせてしまうだろうし、
気を遣わせてしまうだろうし、
精神的負担を背負わせてしまうかもしれないけれど、
それでもやっぱり、
自分の大切な家族を失ったことは
私にとって大きなことで、
私の人生の大事な一部なので、大切な人には伝えたい。

私も、大切な人がこんな苦しい思いをしていたら
そばにいたいし、
ひたすら気持ちを吐き出してほしいし
一緒に悲しみを背負いたい。
ちょっとでも楽にしてあげたい。

長い人生生きてたら、
いいことも悪いことも起こるのに、
いいことしか報告できないなんて、不自然
すぎる。

もっと気軽に、流産のことを話せる世の中になってもいいと思う

だから、勇気を出して、公開することにしました。

冷静になって読んでみると際どいワード盛り沢山で、
けっこう恥ずかしいのだけど、
後悔は全くしていないです。

書いたことで話したことで楽になった

流産を知ってからの気持ちと、
赤ちゃんが出てきてくれたことを書いた2つのノートは、
泣きながら(なかなか進まないから)長い時間をかけて書きました。

まだ昇華できていないから思い出すのもつらかったけれど、
人に伝わるように意識しながら
頭の中で経緯と感情を整理していて、
書き終わったら、
どこかすっきりしている自分がいました。


記事を読んだある方が、
書くことは記憶することと忘れることの両義」だと教えてくださいました。

それは本当に実感としてあって。

大事なこの部分だけ覚えておけばいい(記憶)、
あとは心の中に置いておかなくて(忘れて)大丈夫!
」となりました。

書く前は頭の中が流産のことでいっぱいだったけれど、
書いたら大事な要素だけギュッと凝縮できて要領に空きができた気がしました。

それから、今回の苦しみの原因の一つだった
「なんで私だけこんな思いをしなくてはいけないんだ」という不公平感が、皆さんが「私も経験しました!」と教えてくださったことで和らぎました。
つらい思いをしたのは私だけじゃないんだ、
みんな戦って乗り越えてきたんだ、と思ったら、
いつまでも一人くよくよしている場合じゃない!と思えました。
私も素敵な先輩方のように前を向きたい!と思えました。

泣きながら書いた拙い文章を読んでくださった皆様、
つらい経験を教えてくださった皆様、
本当にありがとうございました。

少しずつ、前に進みます。

追記(とんでもなオチ)

散々偉そうにカッコつけて語ってきたけど、流産したこと、まだ両親には言えていません。

ショックで寝込まれそうで…。

まだまだ矛盾でいっぱいで混沌とした私の気持ち。

親には、私が泣かずに語れるようになったら、話そう。と思います。


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ゆみこ
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