シンプルな関わり
4月からスタートした「コーチング忍者」という講座の講師体験を通して感じたことを書きました。5分くらいで読める記事です。
静かな時間
コーチングとは「静かな時間を提供すること」というセンテンスを目にした瞬間、脳ミソに衝撃が走ったことを鮮明に覚えています。
コーチング忍者を開発された林コーチから、講座のテキストをいただくまで、その定義が「静かな時間を提供すること」だとは思いもしませんでした。確かにわたしたちは、意図するしないに関わらず、日々膨大な情報にさらされています。深く思考したつもりであっても、ただ単にすでにある情報を整理しただけに過ぎないこともあるのです。それを思うと、「静かな時間」によって、意図的に外からの情報を遮断することで、自分の内側に集中し、さらに深い階層へ思考レベルを進めることができることには納得しかありませんでした。
経験を振り返ってみても、10分コーチングを受けたり提供したりすることを経て、コーチが聞き手として、話し手の思考を邪魔しないように関わることや、話し手の発話を待つことの効果を存分に味わってはいました。それを「静かな時間を提供する」という定義と紐づいたおかげで、わたしがコーチとして提供しているものが明確になりました。
10分コーチングを受けたわたしの体験はこちら
コーチング忍者では、この「静かな時間を提供する」という定義をベースに全8回の講座が構成されています。
誰が主体の時間であるか
日常的な会話では、頭に浮かんだことをお互いが発話し合うことがほとんどだと思います。一方、コーチング的関わりにおいては、全面的に話し手が発話する時間として考えます。
たとえば、キャッチボールで考えると、日常会話は、お互いにピッチャー役とキャッチャー役を交互にしている状態です。お父さんと子どものキャッチボールのようなイメージです。一方、コーチング的関わりは、ピッチャー役とキャッチャー役が明確に分けられ、ピッチャーは投げることに集中し、キャッチャーはピッチャーが投げやすい状態を作ることに集中するという状態です。
つまり、コーチング的関わりにおいては、話し手が「考える」ことだけに集中する時間として、聞き手は「話し手主体の時間」を徹底的に意識します。コーチング忍者では、これをより分かりやすくするために、話し手を「会話の主人(あるじ)」と呼んでいます。主人が考える時間に集中できる状態を調える役割として、忍者がコーチング的関わりをするというのが、コーチング忍者全体に流れる考え方です。
シンプルな関わり
多くのコーチは、2分でコーチングを成立させるなんて難しいと考えるかもしれませんが、「静かな時間を提供する」ことでコーチング的会話は成立します。試しに2分間、瞑想をするように自分の内側に集中してみるといいかもしれません。そこで起こることを体感することが、「静かな時間を提供する」ことにつながっていくと思います。
もしかしたらコーチングを体験したことのない方にとって、コーチングは、質問やフィードバックの技術をふんだんに使って、派手に相手を揺さぶったり、内面から掘り起こしたりするようなものに感じるかもしれません。そういうコーチングもあるかもしれませんが、わたしの考えるコーチングはいたってシンプルです。相手の思考を邪魔せず、相手が行きたい方向に進めるよう、静かな時間に集中できるような環境を整えていくことが大切だと思っています。たった2分の静かな時間が、思考をより深めます。そこから出てくる相手の思考や情動は、相手の内面から出てきたもので、それが本質なのではないかと思っています。
シンプルなコーチングだからこそ、スムーズに日常の会話にも取り入れていけるのではと思っています。
第1期の受講者さんが日常会話のなかで実践された投稿はこちら
さいごに
わたしはここに書いたようなことを、感覚的にわたしのコーチングサービスとしてこれまで提供してきました。それが、コーチング忍者という講座を通して、どこでなにをやっているかが明確になり、わたしのコーチングに対する自信の根拠にもなりました。
林コーチが大絶賛してくださったわたしのコーチングですが、林コーチから学んだ在り方であり、技術です。それをまた、コーチング忍者という講座を通して、整理整頓された形で、みなさんにお伝えできることは本当にありがたいことです。(ここに貼り付けた林コーチのツイートは家宝です)
これを読んで、もしコーチング忍者に興味を持ってくださったなら、こちらのHPから詳細を確認していただけます。6月から始まる第二期の申し込みは5/31までです。コーチともコーチじゃない方とも、この講座を通して、まったく新しいコーチングの概念を一緒に学べることを楽しみにしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
まつゆみ