懐古
キッチンにある調理家電は、手持ちタイプのブレンダーだけです。
電子レンジもありません。
温め直しは、蒸し器や、ホイルに包んでグリルで行います。
冷凍食品は常備していません。
冷凍庫にあるのはハーゲンダッツがいくつかと、刻んだネギや柚などの薬味です。
粗食が基本で、育ち盛りの子どももいないし、玄関開けたら2分でご飯を用意しなくても大丈夫なので、冷蔵庫に食品をたっぷりストックしていることはありません。
その日に食べたいものを買ってくるか、あるもので食卓を整えます。
野菜をたくさん買って、蒸してポン酢や手作りのマヨネーズでいただきます。マヨネーズを作るときに、ブレンダーが活躍します。
それから、蒸し野菜でポタージュを作る時も。
最近は牛乳をやめて豆乳で作ります。
旬の野菜は蒸すことで甘味が増して、味も閉じ込められて、塩だけで美味しいポタージュが出来上がります。
ロウカット玄米を愛用しています。
内臓が丈夫でしたら、玄米食はとても具合が良いです。
お肉は大好きでしたが、思うところがあって、なるべく食べないようにしています。お魚は海からの恵みなので、ありがたくいただきます。
食生活を変えると、ちょっと地球と仲良くなったような気がしています。
消化が追いつかなくて、体調不良ということもなくなりました。
大地の恵み、海の恵みに感謝することも覚えました。
家事の手間を省くために、布巾の代わりにキッチンペーパーを使うことが界隈で流行っています。何を大切に想うのかは人それぞれ。私はサラシを使っています。
皿を拭くのも、手を拭くのも、鍋や調理台を拭くのも、テーブルを拭くのも同じサラシです。ただし順番があって、調理台やテーブルを拭いたら使用済みです。
ですから一度の調理で布巾を3〜4枚ほど使います。水切りカゴがないので、調理台に敷いて、洗った食器を伏せて置くことにも使います。
最後にまとめてセスキで煮洗いをします。
馴染んだサラシは、クタクタして良い風合いです。
洗面所では、顔も手も、サラシで拭きます。
タオルは洗うほどにゴワゴワしてきますけれど、サラシは柔らかくなってきます。もっと柔らかくなるのは、ある方に教えていただいた、ドビー織のオムツです。顔を拭くのに本当に優しい肌触りです。オムツ用の反物をハサミで切りっぱなしでOKです。良い塩梅にほどけて、それ以上はほどけません。
便利を追求してきましたが、今は立ち止まって昭和の暮らしを懐かしんでいます。
自分の命の曲線が、ピークを折返しとして、子どもの頃と線対象の位置にいるのかもしれません。
少し前までは、ふと思い出すのは海外のある街だったりしたのが、今は子どもの頃暮らしていた街の様子が浮かんできます。
もっと歳を取ったら、赤ちゃんの頃のことが思い出されるのでしょうか。
ワクワクします。
そして母親の腕に抱かれるようにして、永遠の眠りにつくって、理想だなぁ。
命の始末も、そんなふうにさらりと付けたいものです。
たくさんのモノを得て、失って、たくさんの人と出会って、別れて、たくさんの経験が私の中に残っています。
最期はそれも全部持って、来た場所に還っていきます。
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