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英語での会話力を上げるために一番最初にしたこと

渋谷でイギリス人夫に出会ってから今年で10年が経った。 


夫はおでこに“社交”と書いてある
のではないかというくらい、とにかく人の集まりが大好き。人と会って話をすることがストレス解消になり、リフレッシュできるらしい。一方の私は1人で家でボーっとして、おいしいものを食べたり、本を読んだり、映画を見たりすることで、エネルギーがチャージされるタイプ。真逆である。

結婚当初は夫が毎週末のように各種集まりの約束を取り付けてきて、なぜか2人で参加しなければならず地味につらかった。さらに面倒なことに、彼は必ずと言っていいほど集まりの最後まで残る。周りの人が全員帰って静かになり、ようやく“お開き”だと気づくパターン。人の言っていることがわからないパーティに、最後までいなければいけない時間は、永遠のように感じた。心の中で“このおしゃべり男”と何度叫んだことか。

日本人同士の集まりであれば、話すことに困るという経験はほぼない。大概の人と何かしらの話題で盛り上がれるのに、英語が分からないとそれも難しく、ただただ、もどかしい。

無言でその場にいるのに嫌気がさし、なんとかしなければと思った時、ミラー効果についての記事を読んだ。人は親密な人に対して、無意識的に鏡のように同じ仕草をする傾向にあるんだそう。逆に言えば、人と近しい関係になりたい時にさりげなく同じ仕草をすれば、距離が縮まるかもしれないと。これは使える、と思った。

そもそも、英語云々の前に会話すら始まらない。夫の友人たちと私は佇まいも話を聞く姿勢やリアクションも違う。彼らは会った時に手を振ったり、帰る時にお辞儀をしたりしない。英語力そのものは、短期間ですぐに向上するわけではないが、人の真似ならすぐできる。

彼の家族や友人が、私の仕草が違うことを気にして、どうこう思うような人たちではないと、分かっていたけれど、同調することで親密になり、共通の話題を見つけ、会話をすることで、英語力を上げられるのではないかと思った。

まず、相槌や合いの手から取り組んだ。日本語で会話をする時は「うんうん」「へー!」「そうなんだ」と相槌多め、頭の頷きも多めだけど、夫や友人は私のように細かく相槌は打たない。夫から言わせると、私のようにうんうんと細かに頷きながら話を聞かれると、先を急かされているようで落ち着かないらしい笑。

Uh-huh(うんうん)
Right(そっか/なるほど)
(That’s) true(たしかに)
That makes sense(なるほと)
Wow(えー!)
Interesting(おもしろいね)
Is it?(そうなの)

頷きは少なめで、これらの相槌を程よく挟んでいく。あとは、言われたことをそのまま繰り返す相槌も効果があった。

例えば
I’m gonna go to Lisbon next week.
(来週リスボンに行くんだよね)

You’re gonna go to Lisbon next week?
(そうなの?リスボンに行くの?)

Yeah, it’s my mate’s wedding. His fiance is from Portgul.
(そうなんだ。親友の結婚式でさ。彼の相手がポルトガル出身だから)

Sounds amazing. His Fiance is from Portgul?
(最高だね。彼のお相手、ポルトガル出身なんだね)

Yeah, she came to the UK for her uni and they met there.
(そうそう、大学でイギリスに来て、そこであったみたいだね)

聞き取れた部分を繰り返すだけで、より深くそのことについて話しが返ってくる。そして、その返ってきた内容をさらに返すと、さらにもう一段階別の内容が返ってくる。

そしてボディランゲージ。

・目を激しく開いて眉をあげWowと感嘆する
・うれしいニュースには手を広げてthat’s amazing!とよろこぶ
・肩をすくめ(shrug my shoulders)
「さぁ、どうだろう」と反応する
・目を上に転がし(eye rolling)「oh my godness」と呆れた表情を作る

中途半端にやっても意味がないので、大げさにやるくらいがちょうどいい。私の家族や友人が見たら「どうしちゃったの!?」と吹き出すレベルだったと思う。

しかし、恥ずかしさを捨て続けていくうちに、自分でも少しずつ彼らに溶け込んでいくのを感じる。“郷に入っては郷に従え”とはこのこと。

会話に入り込めれば、リアルな会話表現が聞けるので次に活かせる。これを続けてしばらくたった頃、少しずつ会話が成り立ち、形になってきたように感じる。

とはいえ、気をつけなければいけないこともある。相槌とボディランゲージだけが上手くなりすぎると、まさか英語が分かっていないとは思われず、超高速で話しかけられたうえ、急に意見を求められたりする。縦線が目の周りに下がり、汗がたらりと垂れるちびまる子ちゃんのガーン状態。

そういう時には
Oh sorry, I was thinking of sushi(or ramen) and didn’t listen. Say that again?
と返すと大体ウケて、ゆっくり繰り返してくれることが多い。何事もバランスだ。




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