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イギリスの叱らない子育て

とある秋晴れの金曜日。6歳長女のクラスの友達のママとお茶をした。娘たちの誕生日が近く、今度合同バースデーをやるのでその打ち合わせ。飾りつけやケーキのことなど、もろもろ確認しあって、パーティの話は一旦終了。

話はこの9月から小学校に通い始めた我が家の次女のことに。そのママは娘たちが通う小学校に勤めていて、クラスは違えど次女の学年を担当しているので、学校での様子を教えてくれた。

「すごく楽しそうにしているよ」
「自信に満ちあふれて素晴らしい」
「給食も全部食べてるみたい」など、
優しい言葉をかけてくれる。基本は問題なくやっているようだ。家での様子を見ていてもそれは感じていたのでひと安心。

その後流れで、話はわんぱくな子供のことに。今年の新入生はエネルギーみなぎる元気な子たちが、例年以上に多いようで、まだ4歳と小さいこともあってか(イギリスでは4歳から小学生)子供同士のかかわりに手を焼くことも多いとか。

そういえば次女も、1人の男の子について、押してくる、引っかいてくる、友達と一緒に作ったお城を壊されたなどと、言っていた。

「目をしっかり見て、いやだからやめてと言ってみな。もしおさまらないようなら、先生に言いに行ってごらん」と伝え、小さい子供同士のことだし、気に留めすぎないようにしていると話した。ま、もし、自分の子供がしていたら、低めのトーンで「何やってんだ、やめろ」っていうけどね、と。

するとそのママいわく、叱りたい局面は多々あるけど、最近は叱られたことがない子も少なくなくて、学校での接し方も変わって来ているとのこと。

そこで私はこう返した。
To be honest I’m fed up with this “gentle parenting” movement. Sometimes the parents right next to their kids and looking at them doing unacceptable behavior but say nothing. I tell off my kids often like “Stop it! We don’t do this”.
(正直言って最近の“叱らない子育て”論調には飽々してる。時々、自分の子供がすぐ横でよくないことをしていても、何も言わない親もいる。私は子供達に「やめなさい、そんなことしないよ」とよく言ってるけど)

そうしたら、そのママ、
I know, I do to my kids in the house as well but we’ve been told by the school that we don’t use that way. For example if there’s one cheeky boy/girl is hitting other kids we don’t say “Stop hitting, it’s a bad behavior” we say “No thank you, we use kind hands”.
(わかるよ、うちも家ではそうしてる。でも学校ではね、その言い方はしないようにしてくださいって。例えばいたずらっ子が他の子供を叩いたとして、自分の子供なら「叩くのはやめなさい、それは悪いことだよ」と言うんだけど、代わりに「ノーサンキュー、お手手は優しく使うものなんだよ」ってね)

と言っていた。

“We use kind hands.”という表現が目からウロコだった。直訳すると“私たちは優しい手を使う”。ノーサンキューは結構です、みたいな感じかな? 日本でも、世界どこでも、叱らない/否定しない子育て方法が浸透してきている感じはしていたけど、ここイギリスでも例外なく。

私は“何事もバランス”をモットーに生きているので、叱られたり、褒められたりのバランスがうまく取れていることが重要だと思っている(とはいえ、叱るの比重が重くなってしまうことも多々。まだまだ修行中)。

果たして、頭に血が昇った自分が“We use kind hands”を、実践でしっかり使えるかどうかは別として、覚えておこうと思った。

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