枠を壊す (ユミのメルヒェン)
むかしむかし、あるところに、一人の娘がおりました。
三人きょうだいの一番目に生まれたその娘は、気高く、頑張り屋でした。
一所懸命にお母さんの手伝いをして助けました。
まじめなせいしつの娘は、どこにいても信頼されました。
あるとき、村の集まりがありました。『誰か、収穫したこの果物の計算をしてくれないか』と言われたとき、しーんと静まり返って誰も手をあげませんでした。
娘は、物事が進まない場で黙っていることができず、
(誰もする人がいないのならじゃあ私がしようかな)と思