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マタニティロゼットはわたしの勲章だと思っても良いだろうか

稽留流産の手術から2週間が経ち、経過観察のために病院へ。
2週間、長かったようなあっという間だったような。この空間に来ると、やっぱりまだつらい気持ちになる。仕方ない。



稽留流産の現実を少しずつ受け入れ始めて、妊娠中にいろいろ揃えたものを整理した。

母子手帳、エコーアルバム、分娩予約や健診の説明書…
妊婦健診の助成券はどうしたら良いか分からなくていったん仕舞う。
妊娠したら読む雑誌なんかも、今は必要ないから全部まとめて仕舞う。
1人目の赤ちゃんのエコーアルバムもいっしょに仕舞う。今回は母子手帳ももらっていて、ベビー用品店も行ったし、ゆりかご面談もしたし、もらったものが前回よりだいぶ多い。ぜんぶ捨てられなくて、でも見返す勇気もなくて、いったん仕舞う。


もらったものに、マタニティマークのロゼットがある。
付ける派、つけない派の話ではなく、ロゼットの話をしたい。

ロゼット 
通常勲章やメダルなどの記章に用いられる小型で円形の装飾。

ウィキペディア


妊婦さんを守るため、楽しい妊娠生活を後押しするため、気分を上げるため。
マタニティマーク、マタニティロゼットを身につけることはどんな理由でもいいとして、じゃあ流産したわたしがいまだにマタニティロゼットを持っている意味は?と考えた。


ロゼットは、母になれなかった(50日くらいは母だった)わたしが、頑張ってこどもを守り抜いた勲章だと思いたい。
2人の母に2回なったのだ、と思っている。

だから、ロゼットも2つ持っている。
1つは1人目の赤ちゃんを妊娠したときに、応募プレゼントでもらったもの。届いたときには流産が分かったあとで、使うことはなかったけど。

2つ目は、今回の赤ちゃんを妊娠したときにお店でもらったもの。これを付けている1週間は毎日が幸せだった。流産してお腹に赤ちゃんがいなくなった今でも、かわいかったなと思う。



妊娠、出産、子育てってほんとうに大変なんだと思う。妊娠初期のちょっとしか経験がないからわたしにはとても語れない。世の中の頑張ってるお父さんお母さんはみんな勲章を貰って良いと思う。

ただ、
「わたしは産めなかったから世のお母さんたちより頑張ってない」
なんてことはない。
産まない選択をして頑張っている人、自分の人生を豊かにするために頑張っている人、病気から前を向こうと頑張っている人…
いろんな人がいて、みんな頑張ってる。頑張りすぎないように頑張ってる人もいる。

だから、わたしの頑張った賞は、マタニティロゼットだと思っていたい。
初期流産は何も手元に残らない。ロゼットはこれからもとっておくだろうし、次に赤ちゃんが来てくれることがあれば、頑張ったぶんだけまたロゼットが増えても良いんだと思う。

みじめな気分になって捨てたりしなくて良い。何個持っていたって良いんだと思っていたい。



小さい頃から、金メダルとか賞状とかもらうことが好きだった。
がんばったねの形がほしいのは、昔も今も変わらないのかもしれない。


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