大学3年の韓国旅行
大学3年生の夏に、叔父が単身赴任している韓国に叔母家族たちと一緒に旅行することになった。
叔父は現地にしばらく住んでいたので、私たちをあちこち案内してくれた。スピード感ある叔父のガイドは、ついて行くのがやっとなくらい、早歩きだった。真夏でとても暑い中、みんなで釜山の街を歩き回った。疲れたけど、活気ある街並みを歩くのは楽しかった。
現地のバスに乗って移動もしていたのだが、このバスの運転手さんの運転が荒いこと!
急発進、急ブレーキは当たり前で、乗客が乗り込んですぐ発車するので、お年寄りなどは転んでしまっていた。
この時に、私も立ってあちこちに捕まっていたのだが、他の人よりも自分が振り回されていることをうっすら感じていた。
一生懸命に踏ん張っているのだが、踏ん張り切れずにヨロついてしまう。
みんなどうしてビクともしないで立っていられるのだろう?その時そう思ったのは覚えている。
韓国滞在中は、叔父の家で皆で布団を並べて寝ていたのだが、その時に叔母に、「ゆみちゃん、指を曲げてみて」と言い出した。自分でも気づいていたのだが、親指の関節がその頃曲がらなくなっていた。日常生活に支障はないし、関節を痛めたのかなくらいにしか私は思っておらず、放置していた。
叔母は私がスーツケースを運んでいるときに手を見て、様子がおかしいと気になっていたようで、夜になって確かめてきたのだ。
私が指を曲げられない様子を見て、「これはおかしい。早く病院に行きなさい」と言ってきた。
叔母にそう言われて初めて私もこれは異常なことなのだと思ったが、治療すれば治るようなものだろうと呑気に考えていた。
この頃バイト先で、グラスをたくさんトレーに載せて運ぼうとしたらバランスを崩して落としてしまったことがあった。他の子たちは軽々と出来ているのに、私にはとても重たく感じて、持つのが精いっぱいだった。
私は人より力が弱いのかとこの時は思っていた。