【番外編】初めて長期で海外に住む方に 渡航前の準備《1》
国際交流基金の日本語パートナーズ(http://jfac.jp/partners/ ) で海外に行く学生さんから相談を受けたので、初めて長期(半年以上)で海外に住む方向けに、渡航前にぜひしておいたほうがいいことをまとめてみました。
日本を離れてから後悔しないように…
1.医療
1.1歯科
どこも痛いところがなくても、検診でクリーニングをお願いしたほうがいです。親知らずが気になる場合は事前に抜くことも検討してください。
海外の歯ブラシは靴ブラシかと思うほど大きいので、1か月に1本使うとして、滞在予定月の分だけ持参するといいです。歯磨き粉も愛用のものをぜひ!(当地では、松ぼっくり味とか、残念な味が多いです)
1.2.医薬品の準備
かかりつけ医がいれば、渡航のことを話し、多めに処方してもらうようお願いできるかもしれません。
1.3.予防接種
外務省の情報を参照に必要な予防接種が何か調べましょう。種類によっては、間隔を空けて複数回接種が必要なものもあるので、要注意です。
私はトラベルクリニックと呼ばれる海外旅行向け予防接種を扱っている病院に早めに行き、時期を相談しながら接種しました。
1.4.健康診断・人間ドック
念のため。安心のため。
1.5.サプリメント
海外にいると野菜など取りにくい場合もあるので、ビタミン等のサプリを持って来るといいです。
1.6.現地語での病気の説明
前職(日本の大学で留学生に日本語を教えていました)で、来日したての留学生たちに紹介していた多言語問診票。ぜひ1枚印刷して持っておいてください。http://www.kifjp.org/medical/
2.行政手続き
※2.2については収入があって納税してる場合には手続きをしたほうがいいようです。
2.1.マイナンバー
まだ持っていない人は、転出前に番号を知ることをお勧めします。
カードを取得したくない場合には、住民票にマイナンバーの記載を市役所などの窓口でお願いすることもできます(自治体によって、対応に差があるそうです)。
2.2.住民票、国民健康保険
国外へ転出という手続きになります。市役所で手続きの際に、航空券などは必要ありません。転出予定日を口頭で伝えます。
3.通信関係
3.1.携帯電話契約 解約、または番号保持
キャリアにもよると思いますが、帰国後も同じ番号を使いたい場合には、有料で番号が保持できるサービスもあります。窓口で手続きすることをお薦めします。
3.2.日本で使用しているスマートフォンのSIMフリー手続き
現地で売られている電話会社のカードを買うと、すぐに使えます。
使い慣れている携帯電話がやっぱり便利です。
3.3.PC内の不適切なデータ
最近は保安検査場で電源を入れさせられますが、入国時にくまなくチェックする国もあります。不適切なデータが入っているのがわかると、入国拒否や刑事罰に相当する場合もあるので、後ろめたいものが入っている人は消しましょう(笑)
保安検査場で、充電切れなどで電源が入った状態を見せることができないと、搭乗拒否、または放棄になることもあるので、充電状態は必ず確認しましょう。新品のPCを持っていく場合にも忘れずに…
3.4.渡航先で使えないSNSなど
有名どころだと、Facebookやtwitterなど、アクセスできない国があります。最近、ロシアでLINEがダメになりましたね。
連絡手段をそのSNSに頼っている場合には要注意です。
4.お金
4.1.クレジットカード
私は各社(VISA,Master,AMEX,JCB)を1枚ずつ持っています。日本に住んでいないと作るのが難しくなりますので、早めに準備しましょう。盗難・紛失の場合再発行に時間と特別費用がかかるので、複数所持したほうがいいです。特に、海外のATMは、カードを入れて出てこなくなった場合「粉砕」されることもあります。
また、時期をずらして契約していると、怪しいウェブサイトや店でどうしてもクレジット決済しなければならない場合に有効期限ギリギリのカードを使うことで、その後の不正使用を防ぐことができます。(意識していたわけではないのですが、先日不正使用されたものが、有効期限切れでセーフでした!)
4.2.現金を引き出す手段
新生銀行口座やデビットカード等
☆新生銀行は月に1回(預金額によっては複数回)無料で日本のどの銀行にもオンライン振り込みができるので、便利です。
4.3.小額ドル紙幣の準備
ATMで引き出せるのは現地通貨か、100ドル単位であることが多いので、日本の銀行のドルパックで小額紙幣が入っているのを選んで持ってくると便利
4.4.財布
危険な地域では、ブランドものの長財布なんて人前で使えません。
愛用の財布とは別に、その日の買い物などに使う分、最低限のカードを入れた、小さな地味な財布を用意しましょう。
とても治安が悪いところを旅行するときには、強盗にあったら投げつける用の小銭入れを持つことにしています(幸いにもまだ出番はないですが…)。あと、鞄ごと盗まれた場合に備え、靴の中敷きの下にタクシー代分の現金紙幣を入れたりとか。
5.各種証明書
パスポート、運転免許証、クレジットカード、大学以上の卒業証明書・成績証明書、とにかくどんな場面で必要になるかわからないので、スキャンしておきましょう。
6.海外旅行保険
クレジットカード付帯のものは、保証範囲が狭かったり、出国からの日数規定があるので、要確認です。医療費が高い国では、自己負担=破産の可能性も…
渡航先によっては、短期滞在ビザであっても発給条件に保険の加入が義務付けられている場合があります(例:ロシア)。いつでも証書のコピーが提出できるようにしておきましょう。証書は英語で発給を受けておいてください。
7.現地語の習得
現地語が上手であればあるほど、生活は楽で楽しくなります。
ぜひ時間を割いて事前に勉強しましょう。e-ラーニング等も積極的に活用してはいかがでしょうか。
急な渡航決定で時間がない場合には…
最低限必要な「ありがとう」「どうぞ」「ごめんなさい」「いいですか?」「助けて(手伝って)」「ほしい(必要)」「いくら?いくつ?」「これは〇〇語で何ていうの?」と数字1~10(現地の通貨単位によってはもう少し上まで)ぐらいの言葉だけでも航空機内で覚えて、あとは気合と笑顔でなんとかしましょう(笑)
大学生のころ、本当にそのレベルで非英語圏に渡航して、周りのあたたかいサポートのおかげもあり、なんとか1年やっていけました。
8.使用するエアラインの預入、機内持ち込み荷物の規定
サイズや個数、重量はエアラインによって異なるので、事前に必ずチェックしましょう。特に、別送ができない場合には、渡航時に制限オーバーしてでも持っていくことになると思います。よく確認しましょう。
持ち物など、また改めてまとめます。日本とのアクセスがいいかどうかや、現地の通信、医療状況などによることも多いですが、これを読んだ方のお役に立てるとうれしいです。
※現地の情報も収集されたうえでご判断ください。当方は責任を一切負いません。
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※※※私個人は住居はそのまま(家族と同居)での赴任となりましたので、住居を引き払う場合にはさらに必要な手続きも増えると思います。
※※※※荷物の別送については、国や会社によってかなり条件が異なりますので、各自ご確認を。
【写真】エアアスタナ機で、アルマティ着陸直前。背景には美しい天山山脈。
眼下に広がるのは、雲海ではなくスモッグです(涙) スモッグ突入の瞬間、みんなため息… 冬は空気が悪くてつらいです。
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